
こんにちは
どうなさいましたか?

足の熱感にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
夜になると足が熱くて眠れない…これは特に高齢者によく見られる症状です。布団から足を出して寝なければならないほどの足の熱さは、日常生活や睡眠の質に大きな影響を与えることがあります。
この記事では、79歳のお母様が夜間に足が熱くなる症状について、東洋医学の観点から原因を探り、改善方法をご紹介します。「なぜ夜になると足が熱くなるのか?」というシンプルな疑問から始め、体質改善のための具体的なアドバイスまで、わかりやすく解説していきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:79歳
- 性別:女性
- 主訴:夜間に足が熱くなり、布団から出して寝ている
主な症状:
- 夜間特有の足の熱感
- 就寝時の不快感
- 布団から足を出さないと眠れない
なぜ夜になると足が熱くなるのでしょうか?
東洋医学では、一日の中でも時間帯によって体内のエネルギーバランスが変化すると考えられています。夜は陽の力が衰えて陰の力が強まる時間帯です。このバランスが崩れると、様々な不調が現れることがあります。
夜間に足が熱くなる原因としては、主に以下の可能性が考えられます:
- 陰の不足: 体内の陰(冷やす力)が不足していると、バランスの崩れた陽(温める力)が余ってしまい、熱感として現れることがあります。
- 気血の停滞: 陽の力が衰えてくると気血(体内のエネルギーと血液)を動かす力が弱まります。その結果、末端部である足に気血が停滞し、そこに熱がこもってしまうことがあります。
- 気の滞り: 体内の気の流れが滞ると血液の巡りも悪くなります。夜になると特に血の動きが鈍くなり、末端部で滞った血が熱となって現れることがあります。
これらの原因は単独で起こることもあれば、複合的に作用していることもあります。年齢を重ねると特に気血の巡りが弱くなりやすいため、高齢者に多く見られる症状と言えるでしょう。
夜間足熱はどのように改善できますか?
夜間の足の熱さを改善するには、その根本原因に応じたアプローチが必要です。東洋医学の観点からは、体質や症状に合わせた対処法があります。
原因別の改善アプローチは以下の通りです:
- 陰の不足が原因の場合: 体内の潤いを補う漢方薬を使用すると効果的です。体を冷やしすぎない程度に適度な潤いを与えることで、陰陽のバランスを整えます。
- 陽の不足が原因の場合: 一見矛盾するようですが、熱を強めてくれる漢方薬が有効な場合があります。これは陽の力を高めることで気血の巡りを促進し、停滞した熱を分散させる効果があります。
- 気の滞りが原因の場合: 気の巡りを改善する漢方薬を使用します。気の巡りが良くなれば血液循環も改善され、熱の偏りが解消されていきます。
複数の要因が絡み合っている場合には、これらの漢方薬を適切に組み合わせて使用することもあります。体質や症状に合わせた正確な診断が重要となります。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
79歳のお母様の夜間足熱には、次のような自然療法がおすすめです:
- 足湯: 就寝の1〜2時間前に38〜40度のぬるめのお湯で10分程度足浴をすると、血行が促進され熱の偏りが解消されやすくなります。
- マッサージ: 足首から膝にかけて、上に向かって軽くマッサージすることで血液循環を促します。特につま先から足首へのリンパマッサージが効果的です。
- 食事の工夫:
- 夕食は消化のよい軽めの食事にしましょう
- スパイシーな食べ物や刺激物は避けてください
- 枸杞子(クコの実)や菊花などの涼性食材を取り入れると良いでしょう
- 生活習慣の調整:
- 就寝前のカフェインや熱いシャワーは避ける
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 適度な運動を日中に行い、夜は静かに過ごす
これらの方法を組み合わせることで、症状の緩和が期待できます。ただし、効果には個人差がありますので、無理のない範囲で続けてみてください。
夜間の足熱に効果が期待できる漢方薬
以下は特に夜間足熱の症状改善に効果が期待できる漢方薬です:
- 六味地黄丸(ろくみじおうがん): 陰虚(体内の潤いや冷やす力の不足)による熱感に効果的で、腎陰を補い、内部の熱を冷まします。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 血行を改善し、気血の巡りを促進する漢方薬です。足の冷えと熱の両方の症状に対応できます。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん): 気の巡りを改善し、ストレスによる熱感や不眠にも効果があります。
これらは夜間足熱の症状に一般的に効果が期待できる漢方薬ですが、個人の体質や症状の複雑さによっては、単独では十分な効果が得られないこともあります。当店では、お一人おひとりの症状や体質に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
夜間に足が熱くなる症状は、東洋医学的には陰陽バランスの乱れや気血の停滞が原因として考えられます。特に高齢者の場合は、年齢とともに気血の巡りが弱くなりやすく、末端部である足に熱がこもりやすくなります。
改善のためには、体質に合わせた漢方薬の服用や、足湯やマッサージなどの自然療法が効果的です。また、食事内容や生活習慣の見直しも大切なポイントとなります。
症状が長く続く場合や、他の不調を伴う場合は、専門家による適切な診断を受けることをおすすめします。東洋医学の考え方を取り入れながら、バランスの取れた体づくりを目指しましょう。
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