下半身の浮腫みで座っているとだるくなる方の体質の特徴と自然療法

むくみ
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

むくみにお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

私たちの体は「上部が乾燥しているのに、下半身は浮腫む」という一見矛盾した症状を示すことがあります。この悩みを抱える方は実は少なくありません。東洋医学では、体内の水分バランスと巡りの力に着目し、このような状態を「水滞」と呼ぶことがあります。

今回は43歳女性の方の体質診断を通して、下半身浮腫みと上半身乾燥が同時に起こるメカニズムと、その改善方法について詳しく解説していきます。同じような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 43歳の女性
  • 身長:154cm
  • 体重:46kg
  • BMI:19.4

外見的特徴:

  • 皮膚は乾燥気味
  • 髪の毛は乾燥して細い
  • 舌が厚ぼったく、苔が厚く水っぽい
  • 舌にバターのようなべたつきがある
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌の色に部分的に紫色がある
  • 静脈瘤がある
  • 唇や歯茎の色が紫色に近い
  • 舌の裏の静脈が太く膨らんでいる

主な症状:

  • 下半身の浮腫み(特に膝下)
  • 常に浮腫みがある状態
  • 座りっぱなし・立ちっぱなしになると短時間でも怠くなる

この方の体質はどのようなタイプ?

この方の舌を拝見すると、厚ぼったい形状で、舌の苔が厚く水っぽい状態です。まるでバターを塗ったようにべたっとしていることから、体内に水分が充満している様子がうかがえます。

しかし興味深いことに、皮膚や髪の毛は乾燥しています。これは一見矛盾しているように思えますが、実は体の状態を非常によく表しています。

体の下部や中心部には水が充満しているものの、体の上部は乾いている状態なのです。なぜこのような状態になるのでしょうか?

なぜ下半身に水が溜まり、上半身は乾燥するのか?

体内の水分は、本来であれば体の芯部の熱によって温められることで巡っているものです。しかし、体が冷えていると水を循環させる力が弱くなります。

その結果、水分は自身の重さで下方へと落ちていき、上部には届かなくなるのです。このメカニズムによって、上部は乾燥し、下部は浮腫みという状態が生じます。

この方の場合、顔色が白っぽい、手足が冷える、寒がりといった特徴から、体が冷えている様子が感じられます。その冷えにより巡りの力が弱まり、水が下半身に落ち込んで浮腫みが発生しているのです。

気の巡りの滞りも影響している

また、座りっぱなしや立ちっぱなしになると短時間でも怠くなるという症状があります。同じ姿勢を続けることで気血の巡りが滞りやすくなりますが、もともとこの方は体の巡りの力が弱いため、状態が悪化しやすいのです。

さらに、イライラしやすい、怒りっぽい、ゲップやガスが出ると楽になる、食べると腹が張りやすいといった症状からは、気の巡りにも滞りがあることがわかります。

体の冷えと気の巡りの悪さが重なることで、これらの症状がより顕著になっていると考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質を改善するためには、まず水分の摂り方に注目したいと思います。喉の渇きをあまり感じないという点が気になります。

体内には動きの悪くなった水が充満しているので、喉の渇きを感じないのは当然かもしれません。しかし、もしかすると体が必要とする以上に水分を摂取している可能性も考えられます。

水分摂取の見直し

水分の摂り過ぎに心当たりがある場合は、次のような点に注意してみましょう:

  • 熱中症の危険がない季節は、喉の渇きを感じてから飲むようにする
  • こまめに少量ずつ水分補給する
  • 冷たい飲み物を控え、常温か温かい飲み物を選ぶ
  • カフェインの取りすぎに注意する(利尿作用で水分バランスが崩れる可能性がある)

適度な運動の習慣化

冷えや気の巡りの悪さから来る浮腫みやダルさに対しては、軽めの運動がおすすめです。激しいものでなくても、軽く汗ばむ程度の運動を習慣にすることで、体の熱が高まり気の巡りも良くなります。

運動不足に心当たりがある方は、以下のような運動を取り入れてみてください:

  • ウォーキング(できれば30分程度)
  • 軽いストレッチや体操
  • ヨガ(特に温める効果のあるポーズ)
  • 家事の合間の小さな動き(階段の昇り降りなど)

運動は無理なく続けられる範囲で行うことが大切です。少しずつ体を動かす習慣をつけていきましょう。

水滞体質改善に効果が期待できる漢方薬

この「上部乾燥・下部水滞」タイプの体質改善には、以下のような漢方薬が効果的と考えられます。ただし、これはあくまで一般的な水滞体質の改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の症状に完全に合致するとは限りません。

  • 五苓散(ごれいさん):水分代謝を改善し、むくみや頭痛、のぼせなどに効果が期待できます
  • 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう):冷えによる水滞を改善し、下半身のむくみに効果的です
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):水分代謝を促進しながら体力を補い、むくみを改善します

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が見られないこともあります。当店では漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:水滞タイプの体質改善のポイント

今回ご紹介した体質は、体の冷えと巡りの悪さから来る水滞タイプです。上半身の乾燥と下半身の浮腫みという一見矛盾する症状が特徴的です。

改善のポイントをまとめると:

  1. 水分摂取の見直し(喉の渇きを感じてから適量を摂る)
  2. 適度な運動習慣で体を温め、気血の巡りを促進する
  3. 同じ姿勢を長時間続けないよう工夫する
  4. 必要に応じて漢方薬などの自然療法を取り入れる

体質改善は一朝一夕にはいきませんが、日々の小さな習慣の積み重ねが大きな変化をもたらします。ぜひ継続して取り組んでみてください。

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ピヨ先生
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