夜布団に入ってもなかなか寝つけない、朝になっても眠れた気がしない。そんな夏の寝苦しさを、暑さのせいだけだと思っていませんか?
実は夏の不眠や寝苦しさは、体質によって原因がまったく異なることがあります。この記事では、夏の不眠に関係しやすい3つの体質タイプについて、セルフチェックとおすすめの食養生を紹介します。

こんにちは
どうなさいましたか?

不眠にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
うるおい不足タイプとは?夜に眠れない理由
うるおい不足タイプ(陰虚)は、夏の暑さによって体を潤す「陰液」そのものが消耗し、不足している状態です。寝つきは良くても眠りが浅いのが特徴です。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 疲労時や夜間に掌や足の裏が熱い
- 唇が乾燥して割れやすい
- 唾液が少なく喉が渇きやすい
- 夜間の睡眠中に寝汗をかく
- 尿の量が少なく色が濃い
例えるなら、冷却水が不足した車のようなものです。熱を冷ます水が足りないので、動かし続けるとどんどん熱がこもってしまいます。夜は本来、体が潤いを使って興奮を鎮め、眠りに入っていく時間ですが、うるおいが不足していると鎮める働きが追いつかず、疲れているのに脳だけが冴えてしまうことがあります。
疲れているからと熱いお風呂に長く浸かって汗を流そうとする方がいますが、汗をかきすぎるとさらに潤いを消耗し、逆効果になるケースがあります。また喉が渇くからと冷たい飲み物を一気に飲む方もいますが、体を冷やしすぎるとかえって巡りが悪くなることがあります。
うるおい不足タイプの食養ポイント:
- 白きくらげ:体の潤いを補う働きがあるとされ、スープや甘味に加えるのがおすすめです
- 卵:体のうるおいと血を補うとされ、茶碗蒸しなど優しい調理法にすると取り入れやすいです
- 百合:百合の根を乾燥させた生薬で、うるおいを補いながら気持ちを落ち着ける働きがあるとされ、お粥に入れたりお茶として煮出して飲まれます
この体質タイプの食材一覧(kampo.biz):


この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう):体のうるおいや栄養を補いながら、心を落ち着けて眠りを助けるとされる処方です
- 天王補心丹(てんのうほしんたん):陰液を補いながら精神を安定させ、寝つきの悪さや夢見の多さに用いられるとされる処方です
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
ストレス詰まりタイプとは?夜に目が冴える理由
ストレス詰まりタイプ(気滞)は、気の巡りが滞り、その滞りが熱に変わって上半身に向かって突き上がっている状態です。イライラして興奮し、なかなか寝付けないのが特徴です。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 几帳面で生真面目な性格でため息が多い
- 緊張やイライラすることが多い
- 脇腹や胸が張って苦しい
- 肩こりや頭痛になることがある
- 赤ら顔でのぼせやすい
たとえるなら、電気コードが折れ曲がってそこで異常な熱が生じているようなイメージです。気の流れが詰まった場所に熱が生まれ、その熱が頭に向かって突き上げてきます。夏は気が体の中で盛んになり、外へ一気に発散する季節です。もともと気が詰まりやすい方は、この盛んな勢いが余分な熱を生じさせ、頭にばかり熱がこもって興奮させてしまい、目が冴えてしまうことがあります。
気持ちを紛らわせようと寝る直前までスマートフォンで動画を見続ける方がいますが、頭を働かせ続けると気の巡りがさらに滞り、逆効果になるケースがあります。また汗をかけば発散できると寝る前に激しい運動をする方もいますが、かえって気持ちが高ぶって目が冴えてしまうことがあります。
ストレス詰まりタイプの食養ポイント:
- セロリ:気の巡りを助ける働きがあるとされ、さっと炒めたりスープに加えると香りごと楽しめます
- ソバ:気の巡りを改善するとともにリラックスを促してくれるとされ、そばとしてもお茶としても楽しめます
- 蘇葉:シソの葉を乾燥させた生薬で、発汗させて熱を冷まし胃腸の働きを改善し、気の巡りを改善する働きがあるとされ、ジュースにしたりサラダに入れると取り入れやすくなります
この体質タイプの食材一覧(kampo.biz):



この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 加味逍遥散(かみしょうようさん):気の巡りを整えながら、のぼせやイライラを和らげるとされる処方です
- 抑肝散(よくかんさん):気が高ぶって興奮しやすい状態を鎮め、寝つきの悪さに用いられるとされる処方です
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
ためこみタイプとは?眠いのに眠れない理由
ためこみタイプ(湿痰)は、冷たい飲食物の摂りすぎで胃腸の働きが落ち、余分な水分がお腹に停滞している状態です。体が重だるく、眠りたいのに眠れないのが特徴です。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 雨や湿度の高い日に体調が悪い
- お腹の膨満感がある
- 頭が重く感じられることが多い
- 体が重く感じられることが多い
- 口がネバネバすることが多い
たとえるなら、水はけの悪い庭に水がどんどん溜まっていくことで、庭の外へ出られなくなるイメージです。お腹は頭へ栄養を届ける中継地点となる役割を持っています。ここに余分な水分が溜まっていると、潤いが届きにくくなり頭が休まりきれず、眠気があるものの眠れなくなることがあります。
眠れないからと夜遅くに何か食べようとする方がいますが、就寝直前の食事は胃腸にさらに負担をかけ、かえって眠りを浅くするケースがあります。もちろん冷たいものをたくさん飲んでしまうことでも、お腹の働きが低下して寝苦しさが増すことがあります。
ためこみタイプの食養ポイント:
- 小豆:余分な水分を排出する働きがあるとされ、ご飯に混ぜて炊いたり、砂糖控えめの餡子にしたり、焙煎してお茶にするのもおすすめです
- 冬瓜:利水作用があるとされ、スープにして温かい状態でいただくと胃腸への負担も少なくなります
- 茯苓:余分な水分を体の外に出しながら気持ちを落ち着ける働きがあるとされる生薬で、煮出してお茶として飲んだり、スープに加えて使われることもあります
この体質タイプの食材一覧(kampo.biz):


この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):気の巡りを助けながら、お腹に停滞した余分な水分をさばくとされる処方です
- 温胆湯(うんたんとう):胃腸の働きを整え、余分な水分や熱を取り除きながら心を落ち着けるとされる処方です
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
夏の不眠の体質タイプを比較してみましょう
| タイプ | 主な特徴 | 症状の出方 | 養生の方向性 |
|---|---|---|---|
| うるおい不足タイプ(陰虚) | 手足のほてり、喉の渇き、寝汗 | 寝つきは良いが眠りが浅い | 体の潤いを補う |
| ストレス詰まりタイプ(気滞) | ため息、イライラ、のぼせ | 気持ちが昂ってなかなか寝付けない | 気の巡りを整える |
| ためこみタイプ(湿痰) | 体の重だるさ、頭重感、膨満感 | 眠いのに眠れない | 余分な水分を取り除く |
うるおい不足タイプは体を冷ます潤いそのものが減っている状態、ストレス詰まりタイプは気の巡りが滞って熱が頭にこもっている状態、ためこみタイプは余分な水分が停滞して頭に栄養が届きにくくなっている状態です。同じ「眠れない」という症状でも、整え方は全く違うことがあります。
まとめ
同じ夏の不眠でも、体質によって原因も整え方も違うことがあります。うるおい不足タイプ、ストレス詰まりタイプ、ためこみタイプ、それぞれの特徴を知ることで、自分に合った過ごし方を見つけやすくなりますね。
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