皆さんは冷たいアイスやジュースを飲んだ後、胃がキリキリと痛くなった経験はありませんか?時に冷え性の方にとって、冷たい食べ物は大敵となることがあります。
今回は、小さい頃から冷え性と胃弱に悩まされ、冷たいものを食べるとすぐに胃痛が起こるという方の症例をもとに、なぜそのような症状が起きるのか、そして自然療法でどのように改善できるかをご紹介します。
「胃が弱い」と諦めていた方も、この記事で根本的な原因と対策を知ることで、日常生活の質を向上させるヒントを見つけられるかもしれませんよ。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 小さい頃からの冷え性と胃弱
- 夏でも内臓が冷えた感じがする(お腹にカイロを当てるほど)
- 慢性的にみぞおちの左側に痛みを感じる
- 胃酸過多の症状あり
- 冷たいものや消化の悪いものを食べるとすぐに痛みが悪化
胃痛になる原因は何なのでしょうか?
胃痛にはさまざまな原因がありますが、この方の場合は「滞り」が大きく関係していると考えられます。小さい頃からの冷え性と胃弱があり、特に内臓の冷えがひどく、夏でもお腹にカイロを当てるほどだとのこと。
身体内部が冷えていることが原因で、消化器官の働きに滞りが生じているのです。東洋医学では、このような状態を「気滞」や「血滞」と呼び、痛みの原因になると考えられています。
冷えはなぜ痛みを引き起こすのでしょうか?
冷えが背景にあると、お腹の働きが弱くなります。私たちの消化器官は、食べ物を適切に消化し、栄養を吸収し、残りを排出するために常に動いていなければなりません。
しかし冷えによって胃腸の動きが低下すると、食べた物を上手に下へと降ろせず、停滞しやすい状態になります。そのため、冷たいものや消化の悪いものを食べると、たちまち痛みがひどくなるのです。
また、長期的な冷えはお腹周囲の気血(エネルギーと血液の流れ)を滞らせ、巡りを悪くします。この方が10年ほど前から慢性的にみぞおちの左側に痛みを感じているのは、このような冷えによる滞りが原因かもしれませんね。
胃酸過多はどうして起こるのでしょうか?
胃酸過多の症状も冷えと深い関係があります。お腹の動きが悪くなると、水分を適切に運ぶことができず、滞ってしまうことがあります。
この方の場合、滞った水分が逆流することで胃酸過多のような症状が現れているのかもしれません。胃酸の分泌と排出のバランスが崩れ、胃酸が食道に逆流したり、胃粘膜を過剰に刺激したりすることで、不快な症状を引き起こすのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
冷え性と胃弱による胃痛改善のために、以下のような自然療法がおすすめです:
- 温かい食事と飲み物を心がける
- 冷たい飲食物は完全に避ける
- 常温以上の温かい食事を心がける
- 生野菜よりも温野菜を選ぶ
- 消化に良い食事法
- よく噛んでゆっくり食べる(一口30回以上が理想)
- 食事の量を少なめにして回数を増やす
- お腹を温める習慣
- 腹巻やカイロでお腹周りを保温する
- 性質的に体を温める飲食物を摂る
- 胃を刺激する食品を避ける
- 辛い食べ物、酸っぱい食べ物、アルコール、カフェインなど
冷え性と胃弱の改善に効果が期待できる漢方薬
以下は特定の冷え性と胃弱の改善に効果が期待できる漢方薬です。ただし、これらは一般的な情報であり、この方に特定しておすすめするものではありません:
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きが弱く、食欲不振や胃もたれ、胃痛などの症状がある方に効果が期待できます。
- 安中散(あんちゅうさん):みぞおちの痛みや胃酸過多の症状がある方に用いられる漢方薬です。特に冷えによる胃痛に効果的とされています。
- 人参湯(にんじんとう):冷えによる胃腸の不調や、食欲不振、胃もたれなどに効果が期待できます。
なお、症状が複雑な場合には単独の漢方薬では効果が得られないこともあります。当店では専門的な漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
冷たい食べ物で胃痛になる原因は、多くの場合「冷え」による消化器官の機能低下と滞りにあります。特に生まれつき冷え性や胃弱の方は、冷たい食べ物や消化の悪いものを摂ると症状が悪化しやすいのです。
改善のためには、体を温める食事や生活習慣を心がけ、お腹を冷やさないようにすることが大切です。症状が続く場合は、自己判断せずに専門家に相談してみましょう。
適切な自然療法や漢方薬の力を借りることで、長年の胃の不調から解放される可能性がありますよ。諦めずに根気よく取り組んでみてください。
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