
こんにちは
どうなさいましたか?

捻挫の後遺症にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
捻挫をした後、痛みは引いたものの「なんとなく足首がこわばる」「動かすとうずく」という症状に悩まされていませんか?実はこれ、多くの方が経験する捻挫の後遺症なんです。西洋医学では「もう治った」と言われても、東洋医学的には気や水、血の流れに問題が残っていることがあります。
今回は、そんな捻挫後の不快な症状に対して、漢方薬がどのように効果を発揮するのか、そして体質に合わせた選び方についてご紹介します。「大防風湯」と「越婢加朮湯」、どちらが自分に合っているのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 数ヶ月前に足首を捻挫
- 痛みは大体おさまった
- 足首を曲げるとこわばりがある
- 浮腫やうずきを感じることがある
主な症状:
- 足首のこわばり
- 時折感じるうずき
- 動かした時の不快感
捻挫の後遺症で残るこわばりの正体は?
捻挫をして数ヶ月経っても、足首を動かすと「こわばり」や「うずき」を感じることがあります。これは一体どういう状態なのでしょうか?
東洋医学では、このような症状には明確な原因があると考えます。関節周囲の水の巡りが悪くなると、停滞している余分な水分が関節の動きを邪魔し、こわばりを引き起こします。この状態が「水滞(すいたい)」と呼ばれる状態です。
さらに、停滞している水によって血の動きも妨げられると、うずくような不快感が生じてきます。つまり、こわばりやうずきという症状は、単なる痛みの名残ではなく、体内の水分と血液の流れに問題があることを示しているのです。
ですから、こうした症状を改善するには、水と血の両方の巡りを良くすることが大切になってきますね。
捻挫の後遺症に効く漢方薬の選び方
漢方薬を選ぶ際には、このような症状と合わせて、あなたの体質も重要な判断材料になります。では、「大防風湯」と「越婢加朮湯」、どちらが捻挫の後遺症に適しているのでしょうか?
大防風湯と越婢加朮湯の特徴
大防風湯は、体の芯が冷えていて、それによりお腹の働きも弱り、気の働きも弱っているような方に向いています。全身的なサポートが必要な場合に効果的です。
一方、越婢加朮湯は、強制的に気や水を動かし、熱を冷ましてくれる作用があります。そのため、急性期で熱感があり腫れているような場合に使われることが多いのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
捻挫の後遺症にどちらの漢方薬が適しているかは、現在の症状の状態によって変わってきます。
身体全体の応援も必要で、体力が低下しているような場合には大防風湯が適しています。これは単に局所的な問題だけでなく、全身の状態を改善することで捻挫の後遺症も良くしていくアプローチです。
しかし、まだ熱感が強く、水や気の流れを強制的に動かす必要があるような場合には越婢加朮湯が適しているでしょう。
重要なのは、場合によっては両方を一緒に使うことも効果的だということです。症状の複雑さや体質によっては、単一の漢方薬では十分な効果が得られないこともあります。
捻挫後遺症改善に期待できる漢方薬
以下は、捻挫の後遺症改善に効果が期待できる漢方薬です。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた処方が重要です。
- 大防風湯 – 体の芯の冷えを改善し、気の流れを整える。慢性的な症状に有効。
- 越婢加朮湯 – 水の停滞を強力に解消し、熱を冷ます。急性〜亜急性期に有効。
- 桂枝茯苓丸 – 血の巡りを改善し、むくみやこわばりを和らげる。
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいことがあります。当店では漢方相談を承っておりますので、あなたの体質に合った最適な処方についてご相談ください。
捻挫後のこわばりとうずきの根本原因
こわばりやうずきの正体についてもう少し詳しく見ていきましょう。
関節周囲の水の巡りが悪くなると、余分な水分が停滞します。これが関節の動きを物理的に妨げることでこわばりを感じるようになります。
そして、この水の停滞が長引くと、今度は血の流れも悪くなり、うずくような不快感につながるのです。血の巡りが改善されないと、痛みやうずきといった症状は慢性化する傾向があります。
こうした状態を改善するためには、通りにくくなっている部位の流れを良くする必要があります。そのために、活血(かっけつ)作用のある生薬と共に、桂枝や桂皮といった血行を促進する成分を含んだ処方を用いることもあります。
まとめ
捻挫の後遺症として残るこわばりやうずきは、体内の水と血の流れの問題から生じている可能性が高いです。症状を改善するには、ご自身の体質や症状の状態に合わせた漢方薬選びが重要になります。
大防風湯は体全体のサポートが必要な方に、越婢加朮湯は強い水の停滞がある方に適しています。また、血の巡りも考慮して処方を選ぶことで、より効果的に症状の改善が期待できるでしょう。
漢方薬は一人ひとりの体質に合わせて選ぶことが大切です。自己判断が難しい場合は、ぜひ専門家に相談してみてください。あなたの体質に合った処方で、捻挫後の不快な症状から解放されましょう。
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