だるさが常にあって不眠でストレスなどで悪化する方の体質の特徴と自然療法

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

だるさと不眠にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

皆さんは「寝ても寝ても疲れが取れない」「いつも体がだるい」という経験はありませんか?現代社会では、こうした慢性的な疲労感やだるさに悩む方が増えています。

今回は、常にだるさを感じ、睡眠の質が悪く、胃腸トラブルにも悩む23歳女性の事例をもとに、漢方的な視点からこれらの症状の原因と改善方法についてご紹介します。

漢方では体の不調を「気・血・水」のバランスから読み解きます。特に「気の巡り」と「水の停滞」は現代人の多くが抱える問題。この記事を参考に、ご自身の体質改善のヒントを見つけていただければ幸いです。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 23歳・女性
  • 154cm
  • 52kg
  • BMI:21.93

主な症状:

  • 体が常にだるい
  • 睡眠がうまく取れない(すぐ眠くなるが眠れない)
  • 便秘(時に消化不良で下痢になることも)
  • 胃の調子が常に悪い
  • 朝起きた時の初動が遅い

その他:

  • キャッスルマン病は完治
  • 現在精神科に通院し、薬を服用中
  • 一度46kgまでダイエットしたが、ストレスで戻り過食嘔吐を経験
  • ストレスや精神不安が多い時、生理前・生理中に症状が悪化

この方の体質はどのようなものですか?

この方のお悩みの中心にあるのは「体のだるさが抜けない」という症状です。漢方的な観点からすると、だるさが生じる原因は主に二つ考えられます。

一つは「気」が量的に不足している状態。もう一つは「気の巡りが悪くて必要な場所に届いていない」状態です。

悪化要因として「ストレスや精神不安が多い時」「生理前や生理中」に症状が強くなるとのことから、「気の滞り(きのとどこおり)」が感じられます。

食欲には問題がなく、BMIも標準範囲内。顔色も普通で、舌や舌苔の様子にも大きな偏りが見られないことから、お腹の吸収機能には大きな問題はなさそうです。

しかし、便通の様子(4日以上出ない時がある一方で毎日出る時もある)、食べると腹が張る、月経前に胸が張るといった症状から、やはり「気の巡りが悪い」印象を受けます。

朝起きた時の初動が遅いという症状も重要なポイントです。漢方では「気」は午前中から午後にかけて少しずつ勢いが増していくと考えます。朝はまだ気の勢いが充実していない時間帯。

この時間に「気の動き」を邪魔するものがあると、エネルギーがスムーズに巡ることができず、疲れやだるさを感じやすくなります。

では、この方の場合、何が気の流れを邪魔しているのでしょうか?

顔や脚の浮腫み、自然に汗が出る、頭の重さ、雨の日の体調不良、胃のチャポチャポ感などから、体のあちこちに「動きの悪くなった水分」があると考えられます。

つまり「気の滞り」に「水の停滞」が組み合わさり、必要なものを必要な場所へ届けることができない状態。これが全身のだるさの原因になっていると推測できます。

さらに、脳を穏やかにする潤いが届けられないことで睡眠にも影響が及び、睡眠不足が余計にだるさを増幅させている可能性があります。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状緩和には、「気の巡り」と「水の停滞」を同時に改善することが大切です。

まず水分摂取の工夫について。喉の渇きを感じるという症状がありますが、これは気の滞りが喉周囲に熱を生じさせている可能性があります。

しかし同時に「胃の中がチャポチャポする」など、体のあちこちに動きの悪い水があるため、飲み方には工夫が必要です。

水分摂取のポイント

  • 少量ずつ頻繁に:喉が渇いたら一度に大量に飲まず、少し飲んで様子を見る
  • 適温の水を:冷たすぎる水は胃腸に負担をかけるため、常温〜ぬるめがおすすめ
  • 朝起きたらまず白湯:代謝を促し、停滞した水分の排出を助ける

また、気の滞りを解消し水の巡りを改善するためには、適度な運動も効果的です。無理のない範囲で体を動かすことで気血の巡りが改善されます。

おすすめの運動法

  • 気功や呼吸法:家の中でできる簡単な運動から始めましょう
  • ストレッチ:特に肩回りや腰回りのストレッチは気の巡りを良くします
  • 軽い有酸素運動:ウォーキングなど、自分のペースで続けられるものを選びましょう

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

気の滞りと水の停滞が組み合わさった体質には、以下の漢方薬が効果的とされています。ただし、これらは一般的な効能であり、個人の症状に合わせた処方が必要です。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):気の滞りを改善し、特に女性ホルモンのバランスを整える効果があります。ストレスや生理前の不調に用いられることが多い漢方薬です。
  • 五苓散(ごれいさん):水の巡りを良くし、むくみや頭重感の改善に役立ちます。停滞した水分の排出を促進する効果があります。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神的な不安を和らげながら、気の巡りを改善し、不眠症状にも効果が期待できます。

なお、症状が複雑な場合には、単一の漢方薬では十分な効果が得られないことがあります。当店では漢方相談も行っていますので、体質や症状に合わせた適切な漢方薬をご案内することも可能です。

まとめ

この23歳女性の事例から見えてきたのは、「気の滞り」と「水の停滞」が複合的に作用し、全身のだるさや睡眠障害、胃腸トラブルを引き起こしている可能性です。

改善のポイントは次の通りです:

  1. 水分摂取の仕方を工夫する(少量ずつ、適温の水を)
  2. 軽い運動や呼吸法で気の巡りを促進する
  3. ストレス管理を意識する(特に症状が悪化する生理前・中は要注意)
  4. 朝の起床後、体を徐々に活動モードに切り替える習慣をつける

これらの自然療法を日常に取り入れることで、体のだるさや睡眠の質、胃腸の調子が徐々に改善されていくことが期待できます。

体質改善は一朝一夕には進みませんが、小さな変化の積み重ねが大きな変化につながります。ぜひ無理のない範囲でお試しください。

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ピヨ先生
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