甲状腺機能低下症やパーキンソン病、パニック症でふわふわ眩暈などがある方の体質の特徴と自然療法

体調不良
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

甲状腺機能低下症にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

ご依頼の内容に基づき、漢方体質と症状についての記事をワードプレスブログ記事形式に編集しました。

高齢になると複数の疾患を抱えることが増え、さまざまな症状に悩まされることも少なくありません。西洋医学的な治療は重要ですが、同時に漢方的な体質改善アプローチを取り入れることで、全身のバランスを整えるサポートができる場合があります。

今回は、甲状腺機能低下症やパーキンソン病などの複数の疾患を持つ方の症例を通して、漢方的視点からの体質特徴と改善方法をご紹介します。複数の薬を服用している方も、体質改善を通して少しでも症状が緩和されることを願っています。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 70歳・女性
  • 160cm
  • 43kg
  • BMI:16.8(やせ型

外見的特徴:

  • 皮膚や髪の毛は乾燥気味
  • 舌の色が白っぽい
  • 舌に歯の跡がある

主な症状:

  • 甲状腺機能低下症(内科通院中)
  • パーキンソン病(脳神経内科通院中)
  • パニック症(以前診療内科で診断)
  • 昨年から回転性めまいが発生し、最近再び「ふわふわめまい」と「横になると回転めまい」が起きている
  • めまいが酷くなるとパニック症状(顔の火照り、手足の震え、不安感)が出現
  • 訪問リハビリやエネルギー療法も受けている
  • 鍼灸も試したが、現在は頓服薬を服用
  • パーキンソン病治療薬や甲状腺薬、安定剤なども服用中

このような状況で、漢方薬での体質改善を希望されてご相談いただきました。

この方の漢方的な体質特徴はどのように考えられますか?

この方は甲状腺機能低下症があります。漢方的には、甲状腺は体の中の熱源である陽気を支えていると考えられます。そのため、この機能が低下していると陽気の不足が考えられますが、冷えやすさや浮腫みなどの症状が特に見られないことから、陽気不足の影響はそれほど強くないようです。

一方で、舌の色が白っぽく、舌に歯の跡があるという点から、水の巡りにはやや影響が見られています。

パーキンソン病については、漢方的な観点から以下のように考えられます:

  1. 震えや筋肉の拘縮といった症状は、筋肉の調整に関わる肝気の潤いの不足の影響
  2. 脳の神経細胞の障害からは、腎陰の不足が考えられる

BMIが16.8と低く、皮膚や髪の毛の乾燥が見られることから、全体的に潤いの不足に傾いていると考えられます。また、体温が高くなくても熱っぽく感じたり、のぼせたりする症状があることから、潤いの不足が肝気の上昇を促し、熱が体の上部に集中している状態と考えられます。

パニック症状については、肝気の上昇過多に加えて、腎陰の不足によってバランスを崩した腎陽(腎の熱エネルギー)が適切な位置にとどまれず、激しく上昇することで心気(頭の働きを調整するエネルギー)が乱れる状態になっていると推測されます。

このように気の流れが乱れ、熱が上部に集中すると:

  • ふらつきやめまい
  • 吐き気
  • 喉の違和感
  • 水の停滞による回転性のめまい

などの症状が現れやすくなります。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

医師の治療やリハビリテーション、これまで受けてきた食事療法や生活改善法は今後も継続することが大切です。漢方薬に関しても、継続的に診察を受けることができる医師との相談が重要です。

ここでは、医療機関での治療に加えて、ご自宅で寝たままでもできる簡単な気功法をご紹介します。この方法は気の巡りを整え、上部に集中した熱や気を下に引き降ろす効果が期待できます。

寝たままできる簡単気功法

  1. まずは全身リラックス
    • 仰向けになり、両脇に腕や手の力を抜いて投げ出す
    • 身体全体をリラックスさせる
    • 顎の力みや眉間のしわなども意識して緩める
  2. 指先の動き
    • 鼻で軽く呼吸しながら
    • その呼吸のリズムに合わせて
    • 両手の指を軽く動かす
  3. 足首の動き
    • 踵を軸にして
    • 呼吸のリズムに合わせながら
    • 足を前後に軽く動かす
  4. お腹の動き
    • 仰向けのままでお腹に意識を向ける
    • リズミカルな呼吸に合わせて
    • へそを中心としたお腹を上下に軽く動かす

これらの動作をそれぞれ初めは30〜40回、慣れてきたら100回程度行えるように練習しましょう。座ることができる場合は、安全に配慮しながらベッドサイドに座って行うこともできます。

実践のポイント:

  • 手先や足先に温かい感じフワフワした感覚を感じたら、その感覚に意識を向ける
  • おへその下の部位に温かさや圧力感を感じたら、その感覚を味わうように続ける
  • 手足が動かしにくい場合は、呼吸だけに意識を集中する
  • 頭の中に余計な考えが浮かんでも、それに耳を貸さず呼吸に意識を向ける

これらを継続することで、気が末端部へと広がり、お腹の気の巡りも改善します。脳に上がって心気を乱している熱や気も引き降ろされ、次第に症状が緩和されることが期待できます。

普段から呼吸に意識を向ける習慣をつけると、心が穏やかな状態を維持しやすくなりますので、日常生活の中でも取り入れてみてください。

肝気上昇と腎陰不足の改善に効果が期待できる漢方薬

以下は、肝気上昇と腎陰不足の改善に効果が期待できる漢方薬の例です。ただし、これらはあくまで一般的な体質改善のための漢方薬であり、この方に必ず合うものではありません。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):精神不安や肝気上昇による不安感、のぼせなどに用いられます。
  • 六味地黄丸(ろくみじおうがん):腎陰不足を補い、乾燥感の改善に効果が期待できます。
  • 釣藤散(ちょうとうさん):肝陽上亢(かんようじょうこう)によるめまいや頭痛に用いられます。

症状が複雑な場合には、これらの漢方薬単独では効果が現れない場合もあります。当店では漢方相談も行っておりますので、ご希望の方はぜひご相談ください。

まとめ:バランスの取れた体質改善を目指して

甲状腺機能低下症やパーキンソン病などの複合的な疾患を持つ場合、医師の指導のもとでの治療がもっとも重要です。それに加えて、漢方的な視点から体質改善を行うことで、症状の緩和に役立つ場合があります。

今回ご紹介した方のケースでは、肝気の上昇過多腎陰の不足が組み合わさり、さまざまな症状を引き起こしていると考えられました。このような場合、気の流れを整え、上部に集中した熱を下に引き降ろす気功法が補助的な療法として役立つでしょう。

日常生活の中で呼吸法を取り入れ、リラックスする時間を作ることで、少しずつ体質改善を目指していきましょう。

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ピヨ先生
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