
こんにちは
どうなさいましたか?

頻尿について知りたいとの
質問をいただきましたよ。
年齢を重ねるにつれて、ふと感じる悩みの一つが「トイレが近くなった」という症状ではないでしょうか。特に仕事中や外出先で頻繁にトイレに行きたくなると、日常生活に大きな影響を与えることもあります。
今回は、「尿が我慢できない」というお悩みを抱える方からのご相談をもとに、漢方医学の視点から排尿のメカニズムと改善策についてご紹介します。年齢による体の変化を理解し、適切なケアを行うことで症状の改善が期待できますので、ぜひ最後までお読みください。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:高齢
- 職業:パートタイム勤務
主な症状:
- 最近特に尿を我慢できなくなってきている
- 仕事中に頻尿で困っている
尿はどのように膀胱に貯められているのですか?
尿の排出と貯留には、二つの重要な働きのバランスが不可欠です。
まず、膀胱に尿を溜めておく働きと、膀胱から尿を押し出して外へと排出する働きのバランスが排尿のメカニズムの中心となります。漢方医学では、これらの機能は以下のように考えられています:
- 尿を留めておく働き:腎気(じんき)によってコントロールされています
- 尿を押し出す働き:肝気(かんき)によって調整されています
これらの二つの力が適切にバランスを保つことで、私たちは尿を適切に溜め、必要なタイミングで排出することができるのです。
なぜ尿を我慢できなくなるのですか?
尿を我慢できなくなる状態には、主に二つのパターンが考えられます。
一つ目は、膀胱内の尿を押し出そうとする力が強すぎる場合です。膀胱の中に入った尿を溜めておく括約筋の働きを超えて押し出そうとする力が強いと、すぐに尿意を感じてしまいます。
二つ目は、尿を膀胱内に留めておく力が弱っている場合です。尿を押し出す力は普通、あるいは少し弱いくらいなのに、尿を膀胱の中に押し留めておく括約筋の働きが弱っていると、少量の尿でもすぐに尿意を催すようになります。
また、腎気の弱りも大きな影響を与えます。特に体の潤いの根源である腎陰(じんいん)が不足すると:
- 膀胱が硬くなって尿を貯めておく能力が低下する
- 肝気に影響を与え、尿を押し出す力が強まる
これらの要因が重なると、尿を我慢することが難しくなるのです。
どうしたら頻尿を改善できますか?
年齢が進むと腎気が弱り、尿を留めておく力が低下して我慢できなくなることは自然な変化の一つです。しかし、いくつかの対策で症状を和らげることができます。
漢方薬による対策: 以下のような漢方薬が効果的な場合があります:
- 八味丸(はちみがん):腎陽を補い、頻尿や夜間頻尿に効果が期待できます
- 六味地黄丸(ろくみじおうがん):腎陰を補い、体の潤いを改善します
- 猪苓湯(ちょれいとう):利尿作用があり、排尿障害の改善に効果的です
※これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。当店では個人の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方のように年齢とともに尿の我慢が難しくなっているケースでは、以下の自然療法がおすすめです:
- 適度な運動を取り入れる
- 腎気の状態を維持し、排尿の調整にも関わる骨盤底筋を鍛えることが効果的です
- 四股などの運動を取り入れて筋力維持と血流改善を図りましょう
- 体を冷やさない工夫
- 冷たい飲食物は控えめにしましょう
- 体を冷やす性質の食べ物も減らすよう心がけてください
- 質の良い睡眠を確保する
- 早めの就寝で十分な睡眠時間を確保しましょう
- 腎気の回復には良質な睡眠が不可欠です
まとめ
尿が我慢できなくなる症状は、腎気の弱りや肝気とのバランスの乱れから起こることが多いです。年齢とともに自然に起こる変化ではありますが、適切な対策で症状を和らげることは可能です。
漢方薬や自然療法を取り入れながら、日常生活では体を冷やさない工夫や適度な運動、良質な睡眠の確保を心がけましょう。特に骨盤底筋を鍛えることは、排尿コントロールに効果的です。
仕事中のお悩みでしたら、定期的にトイレに行く習慣をつけたり、水分摂取のタイミングを調整するなどの工夫も効果的かもしれません。
症状が改善しない場合は、専門医への相談も検討してください。体質に合わせた適切なアドバイスで、快適な日常生活を取り戻しましょう。
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