
こんにちは
どうなさいましたか?

手の湿疹にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
子どもの頃からずっと手の湿疹が治らない。ステロイドを塗ればその時は良くなるのに、何年経っても同じ場所がまた荒れてしまう。そんなお悩みが今回届きました。
皮膚は乾燥しているはずなのに、気づくと手のひらに小さな水ぶくれができている。そんな一見矛盾するような症状も、東洋医学の体質の視点から見ると一つのつながりとして説明できることがあります。
この記事では、繰り返す手足の湿疹に関係する体質と、今日から試せる食材や生薬、生活習慣の改善方法までお伝えしていきます。
外見的な特徴とお悩みの症状など
今回ご相談いただいた方のお悩みは以下の通りです。
主な症状:
・皮膚が乾燥しているのに、手のひらに小さな水ぶくれができる
・首や肩、背中、お腹まわりにカサつきがある
・同じ場所に痒みや水ぶくれを繰り返す
・お風呂に入るとくしゃみや目の痒みが出て、首や肩、背中、お腹のあたりまで痛痒くなることがある
・運動して汗をかくと全身が痒くなる
・最近になって足の裏にも新しく汗疱(かんぽう、汗腺付近にできる小さな水ぶくれ)ができ、歩くと痒くなる
なぜ同じ症状を繰り返してしまうの?
ステロイドは、一時的に症状を抑える方法としてとても役立ってくれます。ただ、繰り返して使用する場合は、皮膚の再生が抑えられてしまうなどの影響が出ることもあるとされています。
お医者さんとよく相談しながら、体質や生活習慣といった背景にも目を向けることが大切ですね。
今回のケースはどんな体質タイプが関係しているの?
私たちの体は、体質によって同じ症状でも整え方が変わることがあります。今回のケースは、複数の体質が組み合わさって起きていると考えられます。
・うるおい不足タイプ(体を潤す力が不足しやすい体質)
・こもり熱タイプ(余分な熱が体にこもりやすい体質)
・ストレス詰まりタイプ(気(き、体を巡るエネルギー)の巡りが滞りやすい体質)
この3つが重なっているケースかもしれません。 これらの体質の偏りがあることで、首や肩、背中、お腹まわりのカサつきや、繰り返す痒み・水ぶくれといった症状がみられることがあります。
3つも重なるというと珍しく感じるかもしれませんが、実は珍しくないケースなんですよ。
乾燥しているのに水ぶくれ?矛盾するような症状が起こる理由
東洋医学では、手のひらや足の裏は体の中でも特殊な場所と考えられていて、体の巡りが悪くなったときにその影響が現れやすい場所の一つとされています。
うるおいが不足するタイプだと、皮膚を潤すことができなくなるので皮膚が乾燥して痒くなりますし、体の熱をうまく冷ませなくなるので熱がこもりやすくなります。
さらに気の巡りが滞るタイプだと、その熱や余分な水分がうまく巡れず、手足の先に溜まりやすくなると考えられます。
手のひらや足の裏は、いわば川の一番下流のような場所です。体の中心から巡ってきたものが手足の先まで届き、そこで流れが切り替わってまた巡っていきます。川でも流れが悪くなると下流のほうに水や土砂が溜まりやすくなるように、体でも流れの悪さが手足の先に現れることがあるんですね。
また、手のひらや足の裏は体の一番端にありますが、ただの端っこではありません。木の枝の先まで元気なのは根っこがしっかりしているからであるように、手のひらや足の裏の状態には、体の奥にある体を支える力も関係していると考えられています。皮膚だけの問題として見るのではなく、体の中で何が起きているのかも一緒に考えていく必要があるんです。
お風呂上がりのくしゃみや運動後の痒みも関係あるの?
気の巡りには、気温や環境の変化に対応する働きがあります。巡りが滞っていると、その変化にうまく対応できず、くしゃみや目の痒みとして現れたり、もともと乾燥しやすい部位ほど痛みを伴うような痒みとして出やすくなることがあります。
運動で体に熱が生まれると、体はその熱を汗にのせて外に逃がそうとします。ですが皮膚の働きが乱れやすいタイプの場合、汗がうまく外に出ず皮膚の下にこもってしまい、熱を帯びた水分が停滞することで痒みにつながりやすくなると考えられます。
足の裏に新しく汗疱ができたのはなぜ?
足の裏も手のひらと同じく、巡りの影響を受けやすい場所です。体質の偏りが強くなってくると、これまで症状のなかった場所にまで新しく症状が現れてくることがあります。
歩くと痒くなるのは、歩くことで足の裏への刺激が増えることも関係しています。汗疱ができている部分は皮膚が敏感になっているため、歩くと刺激を受けて痒みを感じやすくなるんですね。
また東洋医学では、汗疱ができている部分に余分な水分が停滞しているため気血(きけつ、気と血の巡り)の巡りにも影響すると考えます。そのため歩くことで気血が動き始めると、その変化が痒みとして現れることもあるんです。
顔にはあまり症状が出ないため、傍から見ると普通に見えてしまうこともあります。見た目の重さと、本人のつらさは必ずしも一致しないことがあるので、周りからは分かりにくい分、余計にしんどく感じてしまう方も多いようです。
このタイプの方がやりがちなのが、乾燥しているからと保湿だけをひたすら頑張ることです。ですが、保湿だけではこもった熱や滞った気の巡りまでは整いません。乾燥の背景にある巡りの滞りにも目を向けることが大切ですね。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
このタイプの方におすすめの食材や生薬、生活習慣をご紹介します。
・梨:体を潤しながら余分な熱を冷ます働きがあるとされています。そのまま食べても、コンポートにしても取り入れやすい食材です
・薄荷(はっか):こもった熱を冷ましながら、爽やかな香りで気分もすっきりさせる働きがあるとされています。ハーブティーのようにお湯に浸して飲むこともできます
・陳皮(ちんぴ):みかんの皮を乾燥させた生薬で、気の巡りを助けながら胃の働きを整える働きがあるとされています。お茶として少量を煮出して飲む方法もあります



生活習慣で気をつけたいポイントは以下の通りです。
・早めに寝てしっかりと睡眠時間を取りましょう。体のうるおいを養うことにつながり、皮膚の症状がある場合は肌を整える時間としても睡眠が特に大切になってきます
・しっかり体を動かして汗をかくこと自体は気の巡りを助けるのでおすすめです。ただし汗をかいたまま長時間そのままにしてしまうと、かえって熱や湿気を皮膚の下にこもらせてしまうので、運動の後は早めにシャワーで汗を流したり、こまめに汗を拭き取ったりする工夫を挟むと良さそうです
・冷たい飲み物を摂りすぎると胃腸に負担をかけて、体の水はけを悪くしてしまうことがあります。運動の後などは常温か温かい飲み物を選んでみましょう
・お酒は体に熱を生じさせやすく、冷たいお酒は体を冷やして気血の巡りを悪くすることがあります。飲みすぎると体の中に余分な水分も生じやすくなるので、症状が強い時期は控えめにするのがおすすめです
・タバコも体に熱をこもらせやすいとされているので、症状が強い時期だけでも本数を控えめにしてみるのも一つの方法です
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
うるおい不足タイプ・こもり熱タイプ・ストレス詰まりタイプの改善に効果が期待できる漢方薬を3つご紹介します。あくまで今回の体質タイプ全般の改善が期待できる漢方薬であり、この方お一人に合う漢方薬をお伝えするものではない点にご注意ください。
・温清飲(うんせいいん):血の巡りを整えながら、皮膚の乾燥や炎症を鎮める働きが期待される漢方薬です
・加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスによる気の巡りの乱れや、こもった熱を和らげる働きが期待される漢方薬です
・当帰飲子(とうきいんし):体を潤しながら皮膚の痒みを鎮める働きが期待される漢方薬です
今回のケースのように、体質やお悩みの症状が複雑に絡み合っている場合は、漢方薬を単独で使用しても十分な効果を感じにくいことがあります。ピヨの漢方では、体質やお悩みに合わせた漢方相談を行っておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、うるおい不足タイプ・こもり熱タイプ・ストレス詰まりタイプが重なったケースを見てきました。手足は体質の乱れが表れやすい場所で、乾燥と水ぶくれのような一見矛盾する症状も、体質から見ると一つのつながりとして説明できることがあります。
ご自身の体質が気になった方は、概要欄のLINEから約30秒でできる体質クイズをぜひ試してみてください。
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