陰部の痒みが夜のお風呂上がりや就寝中にひどくなる方の体質の特徴と自然療法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

陰部掻痒にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

陰部の痒みは日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きい症状です。特に夜間や入浴後に症状が悪化する場合、睡眠の質も低下してしまいます。

今回は3年間にわたって陰部掻痒症に悩まれている36歳女性の症例をもとに、なぜこのような症状が起こるのか、そして効果的な改善方法について詳しくご紹介します。漢方的な体質の見方を理解することで、症状の根本原因に対処する手助けになれば幸いです。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 36歳・女性
  • 163cm
  • 54kg
  • BMI:20.32

身体的特徴:

  • 顔色が黄色い
  • 舌先に赤みが強い
  • 舌に歯の痕がある

主な症状:

  • 陰部掻痒3年目
  • 夜のお風呂上がり、就寝中(夜間・早朝)に症状悪化
  • 乙字湯服用で一時的に痒みは軽減するが完治せず

なぜ陰部の痒みに悩まされているのでしょうか?

この方の体質を漢方医学的に見ていくと、興味深い特徴が見えてきます。

BMIの数値からは、体全体としての血や潤いのバランスに大きな崩れはないようです。しかし、以下のような症状から水分の過剰さや気の滞りが感じられます:

  • 大便が軟らかすぎる
  • 舌苔(ぜったい)の上の水分が水っぽい
  • 動くと汗が多い
  • 自然に汗が出る
  • 舌に歯の痕がある(水湿の停滞を示す)

一方で、上半身では別の状態が見られます:

  • のぼせることが多い
  • 口唇が乾燥しやすい
  • 忘れっぽい
  • 舌先に赤みが強い

これらの症状は、体の上部における熱や乾きの状態を示しています。

また、次のような特徴も重要です:

  • 顔色が黄色い
  • 手足が冷える
  • 寒がりである

これらの症状から、水を巡らせるための熱源(陽気)の力が不足気味であり、必要な潤いや血を体内でうまく循環させられていない状態が推測できます。

さらに、ゲップやガスが出ると楽になるという点から、気の巡りに滞りがあり、上向きの力が強い状態も考えられます。この鬱滞した気は上部で熱の過剰な状態を作り出します。

結果として:

  • 夜間睡眠中に汗が出るなどの気と水のバランスの崩れた症状になる
  • 動きの悪い水分が上昇して、慢性の副鼻腔炎や後鼻漏の原因にもなりうる
  • 額の皮脂分泌過多にも関連している可能性がある

つまり、冷えや気の巡りの悪さが背景にあり、潤いや血の巡りが滞った状態にあるといえます。

こういった体質的な背景から、夜のお風呂上がりや夜間の就寝中に陰部の表層にこもった熱が留まってしまうために痒みが生じます。また、早朝になって気の勢いが増してくると、気と水のバランスが崩れることでも痒みが発生するのではないかと考えられます。

乙字湯で痒みが一時的に楽になる理由は?

乙字湯は痔などに使われることの多い漢方薬ですが、この方の症状に一時的な効果がある理由も理解できます。

乙字湯には以下のような働きがあります:

  • 体の下部の表層の熱を冷ます効果
  • 気や血の流れを促進する作用
  • エネルギーを下向きに引き込む働き

これらの作用によって、上昇してしまった熱や滞った気を正しい方向に導くことで、痒みが一時的に緩和されると考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質的な特徴から考えると、体の冷えや気の巡りの悪さが根本的な原因にあると考えられます。

そこでおすすめなのが、適度な運動です。近所を軽く散歩するなどして体を動かすことで、冷えによる巡りの悪さや気の滞りを解消していくことができます。

運動には以下のような効果が期待できます:

  • 血行促進による冷えの改善
  • 気の巡りを良くする
  • 代謝アップによる水分バランスの調整
  • ストレス軽減

もし運動不足かもと心当たりがありましたら、ぜひ試してみてください。無理なく続けられる範囲で、日常に少しずつ体を動かす時間を取り入れることが大切です。

陰部掻痒症に効果が期待できる漢方薬

この症例のような陰部掻痒症の改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これらはあくまで一般的な水分バランスの乱れや熱の停滞による痒みに対応する漢方薬であり、個人の体質や症状によって最適な漢方薬は異なります。

  • 黄連解毒湯:体の熱をとり、余分な水分は乾かします。
  • 竜胆瀉肝湯:下半身の熱や湿りを冷まし、尿路系の炎症や陰部の不快感を改善する効果があります。
  • 温清飲:体の熱を取り去り余分な水分を乾かしながら、不足した血を補充して巡らせます。

症状が複雑な場合には、これらの漢方薬単独では効果が現れない場合もあります。当店では漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

陰部掻痒症の症状には、体質的な背景が大きく関わっています。今回ご紹介した方のケースでは、冷えと気の巡りの悪さが根本的な原因となり、熱と水分のバランスが崩れたことで症状が発生していました。

乙字湯のような漢方薬は一時的な効果をもたらしますが、根本的な体質改善のためには適度な運動を取り入れるなどの生活習慣の見直しも重要です。

体質改善には時間がかかりますが、少しずつ取り組むことで症状の改善につながります。ぜひ参考にしてみてください。

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ピヨ先生
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