
こんにちは
どうなさいましたか?

慢性疲労にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
慢性的な疲れや立ちくらみに悩まされていませんか?特に朝起きた時の体調不良は、一日のスタートを憂鬱なものにしてしまいます。このような症状は、現代社会を生きる多くの方々が抱える悩みです。
東洋医学では、こうした症状の背景には「気」の流れの乱れや体内の水分バランスの崩れがあると考えます。今回は、22歳の男性からいただいた相談をもとに、慢性疲労や立ちくらみの原因と、自然な方法での改善策についてご紹介します。
どのような状態なのか?外見的な特徴とお悩みの症状
基本情報
- 22歳の男性
- 身長:170cm
- 体重:54kg
- BMI:18.69
主な症状:
- 慢性的な疲労感
- 立ちくらみが頻繁に起こる
- 栄養が吸収できない感覚
- 雨の日に症状が悪化
- 朝はほぼ毎日体調が悪い
また、舌には溝や割れ目があり、舌苔は水っぽく黒っぽい色をしており、量は少ないものの、べたっとした状態になっているそうです。
疲労はなぜ起こるのか?東洋医学的な見方
東洋医学では、健康な状態とは「気」が量的に足りており、かつ身体全体を順調に巡っている状態だと考えます。疲れを感じるのは、体のどこかで気が不足している証拠なのです。
これには大きく分けて2つのパターンがあります:
- 全体的な気の不足:車の燃料タンクにガソリンがほとんどない状態に似ています。体は少ないエネルギーを重要な部位に集中させるため、全身に行き渡らなくなります。この場合、朝は比較的調子が良く、夕方から夜にかけて疲労感が強くなり、休息で回復します。
- 気の巡りの悪さ:全体量は足りていても、うまく配れない状態です。この場合は逆に、朝がもっとも疲労感が強く、活動するうちに楽になっていきます。さび付いたドアのように、最初は動かし始めが重く、次第に軽くなるイメージです。
この方の体質分析:水と熱のバランス崩壊
この方の症状を分析すると、以下のような体質的特徴が見えてきます:
- 体内の水分停滞:舌の上の水分が水っぽい、雨の日に症状が悪化するなどから、体内に動きの悪い水分が滞っていると考えられます。
- 上半身の乾燥傾向:同時に喉の渇き、不眠、口唇や目の乾燥などから、体の上部では潤いが不足しています。
- 気の巡りの乱れ:全身の倦怠感、立ちくらみ、めまいなどは、気の巡りが順調でないことを示しています。
- 内部の熱の停滞:イライラや怒りっぽさ、喉の渇き、舌苔の黒さ、黄色い痰などから、体内にこもった熱があり、これが水分を煮詰めてドロドロとした状態にしていると考えられます。
特に注目すべきは舌苔の黒さです。現代医学では「黒毛舌」と呼ばれるこの状態は、体内の熱の過剰により起こります。この方の場合、激しく燃え盛るような熱ではなく、じわじわとこもった熱が体内に居座り、水分をドロドロに煮詰めている状態と考えられます。
慢性疲労と立ちくらみの根本原因
これらの分析から見えてきた根本的な原因は:
- ストレスによる気の滞りがこもった熱を生み出している
- その熱が体の上部へ向かい、必要な潤いを乾燥させている
- 喉の渇きから水を多く飲むことで、体内に動きの悪い水分が停滞する
- こもった熱によってその水分が煮詰められ、さらに動きが悪くなる
- この状態が脳の正常な活動を妨げるため、立ちくらみやめまいを引き起こす
- 朝は特に気血の巡りが悪いため、体調が優れない
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
1. 食事と水分摂取の工夫
体内のこもった熱を冷まし、余分な水分の停滞を防ぐために、以下のような食べ物・飲み物は控えめにしましょう:
- 辛くて熱いもの
- 揚げ物などの脂っこいもの
- 味の濃いもの
- 甘いもの
- アルコール類
これらは体内に余分な熱を生じさせ、喉の渇きを強めて水分摂取を増やし、気血の停滞を悪化させる可能性があります。代わりに、野菜を中心とした和食を摂り、適度にビタミン類を補給することをおすすめします。
2. 適度な運動で気血の巡りを改善
体を鍛えることよりも、気血の巡りを促進することを目的とした軽い運動が効果的です。特に広い場所でのんびりと散歩をするなど、リラックスしながらできる運動がおすすめです。お好きなスポーツがあれば、そちらでストレス発散するのも良いでしょう。
運動によって体内の水の巡りが良くなれば、異常な喉の渇きも和らぎ、余分な水分摂取も減らせるようになります。
3. ストレス発散のための書き出し法
イライラやストレスを解消するために、頭の中のモヤモヤをノートに書き出してみましょう。過去の出来事を思い出してイライラすることは、脳にとっては現在進行形のストレスと同じです。これが体の緊張を生み、気血の流れを妨げています。
書き出しの方法:
- 思い浮かぶ考えや感情をノートにただ書きなぐる
- 文章の形は気にしなくてOK
- ペンの色や種類を変えると効果的
- 手が勝手に動く感覚になるまで続ける
これにより、心に溜まっていた感情が解放され、無駄なエネルギー消費が減ることで、心身が軽くなっていきます。
慢性疲労に効果が期待できる漢方薬
以下は慢性疲労や気の巡りの悪さに効果が期待できる漢方薬です。ただし、これらはあくまで一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた処方が必要です。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):気虚(エネルギー不足)による倦怠感や食欲不振に効果があります。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):イライラやストレスによる不眠、動悸などに効果があります。
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):気血の巡りを改善し体内の水分代謝を整え、イライラしやすいお腹の働きが乱れやすい方に効果があります。
症状が複雑な場合には、単独では効果が出にくいこともあります。ピヨの漢方では、あなたの体質に合わせた漢方相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
慢性疲労や立ちくらみ、朝の体調不良には、東洋医学的に見ると「気の巡りの悪さ」や「こもった熱による水分の停滞」が関係していることがわかりました。
改善には:
- 余分な熱を生む食べ物を控え、野菜中心の食事に切り替える
- リラックスできる軽い運動で気血の巡りを促進する
- ストレスを解消するために感情を書き出す
- 必要に応じて体質に合った漢方薬を取り入れる
これらの自然療法を続けることで、体内環境が整い、慢性的な疲労感や立ちくらみ、朝の体調不良も徐々に改善していくでしょう。
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