
こんにちは
どうなさいましたか?

口臭にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
口臭の悩みは思春期から青年期にかけて多く見られるものです。特に学校や人前での緊張感から症状が悪化するケースも少なくありません。今回は18歳男性の方の口臭と鼻炎の悩みについて、東洋医学の視点から原因と対策を詳しく解説します。
口臭の原因は様々ですが、歯磨きやマウスウォッシュだけでは改善しないケースも多いのです。実は体の内部の状態が口臭として現れることがあります。今回のケースでは「気」と「水」のバランスが関係しているようです。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 18歳・男性
- 170cm
- 60kg
- BMI:20.76
- 舌の色が白っぽい
- 苔が白くて厚くべたっとしている
- 歯磨きやフロス、マウスウォッシュなどしても治らない口臭
- 後鼻漏、アレルギー性鼻炎の症状あり
- 学校では緊張からか特に口臭が酷くなる
なぜ口臭が発生するのでしょうか?
口臭の発生には複数の要因が関わっています。この方の場合、緊張によって体内の「気(体内エネルギー)」の巡りが悪くなり、それが胃に影響を与えていると考えられます。緊張のストレスにより胃に熱が生じ、口臭の一因となっているのです。
また、舌の状態から体質を読み解くと、舌苔(ぜったい:舌の表面に付着する苔状のもの)が白くて厚く、まるでバターを塗ったようにべたっとしています。これは体内の水分の流れが悪く、停滞して濃縮されている状態を示しています。
1日の排尿回数が8回で1回の量が多いこと、痰が白っぽいこと、口が粘る感じがするのに喉の渇きを感じないことなどから、体内の水の循環はある程度保たれていますが、一部が停滞している状態であることがわかります。
気と水のバランスが崩れている兆候
舌の色が白っぽいことから、体内の「熱」が不足していることも関連していると考えられます。また、以下のような症状も見られます:
- 立ちくらみしやすい
- 喉に何かが引っかかる感じがする
- 口唇が乾燥しやすい
これらの症状から、熱の不足に加えて「気」の滞りがあり、そのために水分の動きが悪くなって停滞している状態が推測できます。さらに、水分が上向きに巻き込まれて上昇した後、上部で流れが滞り、取り残されることで後鼻漏やアレルギー性鼻炎の症状が現れていると考えられます。
結果として、お腹の中には動きの悪い水分が停滞し、それがストレスによって濃縮されることで口臭を引き起こしているというメカニズムが考えられるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の体質を考慮すると、以下のような自然療法がおすすめです:
1. 水分摂取の見直し
喉の渇きがないという点が気になります。お腹の中に余分な水分が停滞していることで消化器への負担となり、口臭の原因になっている可能性があります。熱中症の季節以外では、「喉が渇いたと感じたとき」に適量の水分を取るようにしましょう。無理に水分を摂る必要はありません。
2. リラクセーション法
緊張が症状を悪化させているため、体の緊張を緩める習慣をつけることが大切です:
- 顎の力みをチェック:緊張すると無意識に顎を噛みしめていることがあります
- お腹の力みを解放:過度に力が入っていないか意識してみましょう
- 気づいたら緩める習慣:力みに気づいたら意識的に力を抜く練習をしてみてください
3. 呼吸法の実践
普段から呼吸に意識を向けるようにすると、頭の中で勝手に始まる「おしゃべり(雑念)」が鎮まりやすくなります。これにより緊張をさらに緩めやすくなりますので、ぜひ試してみてください。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
以下は、水の停滞と気の滞りがある体質の改善に効果が期待できる漢方薬です:
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の不調と水の停滞に効果があり、口臭や消化不良の改善に期待できます
- 香蘇散(こうそさん):気の巡りを良くし、ストレスによる体の緊張を緩和する効果があります
- 竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう):痰と水の停滞を改善し、精神的な不安も緩和します
これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬の例ですが、症状が複雑な場合には単独では効果が現れにくいこともあります。当店では専門の漢方相談も行っておりますので、より詳しいアドバイスが必要な場合はご相談ください。
まとめ
口臭と鼻炎の悩みは、東洋医学的に見ると「気」と「水」のバランスの乱れが原因となっていることがあります。特に緊張による気の滞りと水分の停滞が組み合わさると、様々な症状として現れます。
今回ご紹介した自然療法を実践してみて、体質改善に取り組んでみてください。適切な水分摂取とリラクセーション、呼吸法の組み合わせで、口臭や鼻炎の症状が改善する可能性があります。
体質は一朝一夕で変わるものではありませんが、日々の小さな習慣の積み重ねが大きな変化につながります。焦らず継続することが大切です。
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