
こんにちは
どうなさいましたか?

発熱にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
こんにちは、読者の皆さん。今回は、夜になると熱が上がり朝には下がる、という特徴的な症状でお悩みの方の体験談をもとに、東洋医学的な視点からその原因と対策についてご紹介します。
このような「時間帯によって変化する体調不良」は、実は東洋医学では重要な診断ポイントとなります。なぜ夜だけ熱が出るのか、なぜ食欲がないのか、その根本的な原因と自然な改善方法について一緒に見ていきましょう。
この方の外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:38歳
- 性別:女性
- 身長:139cm
- 体重:65kg
- BMI:33.64
主な症状:
- 夜になると熱が上がる
- 朝には熱が下がる
- 咳で困っている
- 食欲不振
- 下痢がある
- 喉が渇くが飲みたくない
- 風邪を引きやすく悪化しやすい
- 体温計の数値は高くないが熱っぽく感じる
なぜ夜だけ熱が出て朝には下がるのでしょうか?
この症状パターンは、東洋医学的に見ると**「気の持ち上げる働きの弱さ」**が原因と考えられます。
夕方から夜になると、日中の活動によって体内の「気」や潤いが不足してきます。気は体内のエネルギーや燃料となる気血を運ぶ働きがあり、これが弱っていると身体の上部へ十分に持ち上げられなくなります。
また、夕方から夜は「陰」の時間帯です。気血を上部へ持ち上げられないことにより、上半身では潤いの不足による相対的な熱が生じるため、夜になると熱が上がると考えられます。
朝になると熱が下がるのは、夜間の睡眠によって不足していた気が補充され、気血を持ち上げる力が回復することで、上半身の潤いも補充されて熱が下がるのでしょう。
ただし、「体温計の数値は高くないが熱っぽく感じる」とのことですので、これは実際の感染症による発熱ではなく、体内バランスの乱れによる「熱感」と考えられます。
咳の原因は体内の水分バランスの乱れかも
BMIの状態や「喉が渇くけど飲みたくない」「水を飲むとすぐにしゃっくりが出る」などの症状から、体の中には動きの悪くなった水分が充満している可能性があります。これが夜間になることでさらに動きが悪くなります。
体の中に余分な水分が充満しているため、のどは渇くものの、身体としては水分が必要ないので「飲みたくない」という矛盾した状態になっているのでしょう。
同様に、肺の周囲の水分の動きも悪くなることで、呼吸によって入ってきた空気がうまく運ばれずに鬱滞し、逆流することで咳が発生していると考えられます。
この方におすすめの自然療法を教えてください
適度な運動が特におすすめです。
この方のレーダーチャートの特徴(動画内にあります)を見ると、陽虚(陽の気が不足している状態)が目立っており、その他にも気虚、血虚、陰虚、湿熱、血瘀(けつお:血液の流れが滞った状態)にチェックがあります。
熱や気の不足により、身体全体の気血の巡りに力がないために、上記のような症状が現れていると考えられます。
運動によって熱を作り、それによって気血の巡りを良くすることが大切です。そうすることで、余分なものは体外へと排出され、必要なものは各部位に届けられるようになります。運動不足かもと心当たりがある方は、ぜひ適度な運動を始めてみましょう。
この体質の改善に期待できる漢方薬
特定の「陽虚」体質の改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、この方に特定の漢方薬をお勧めするものではありません。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):気虚の改善に役立ち、身体を温め、免疫力を高める効果が期待できます。
- 真武湯(しんぶとう):水分代謝を改善し、余分な水分を排出する働きがあります。
- 人参湯(にんじんとう):体を温め、消化機能を整える効果があります。
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では十分な効果が得られないこともあります。当店では漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
夜間に熱が上がり朝に下がる症状は、東洋医学的には「気の持ち上げる働きの弱さ」が原因と考えられます。体内の水分バランスの乱れも加わり、咳や食欲不振などの症状を引き起こしています。
適度な運動で体内の熱を作り、気血の巡りを改善することで、症状の改善が期待できます。また、生活リズムを整え、十分な休息をとることも大切です。
症状が長引く場合や改善が見られない場合は、専門家への相談をおすすめします。東洋医学の観点からは、体質改善のためのアプローチが効果的な場合が多いです。
YouTubeでも解説しています。

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