落花生は私たちの食卓でおなじみの食材ですが、実は漢方医学においても重要な生薬として扱われています。その栄養価の高さから落花生には、意外にも多くの薬効があるのをご存知でしょうか。
落花生は南アメリカ原産の豆科の一年草で、16世紀にポルトガル人によって中国に伝えられ、その後17世紀頃に日本へと伝わりました。特徴的なのは、地上で花を咲かせた後、小房柄が地中に伸びて地下で実を結ぶという珍しい生態を持っていることです。
今回は、日常的に食べられている落花生の漢方的な効能や活用法について詳しく解説します。健康維持や体質改善に役立つ情報ですので、ぜひ最後までお読みください。
落花生(ピーナッツ)とは?
性味・帰経
漢方医学における落花生の基本情報は以下の通りです:
- 性味:平、甘
- 帰経:肺、脾
落花生の漢方的効能とは?
落花生には主に以下のような漢方的効能があります:
1. 補血止血作用
落花生は血を補い、出血を止める作用があります。特に赤い皮には効果が高いとされ、以下の症状に効果的です:
- 貧血
- めまい
- 動悸(心悸)
- 不眠
- 皮下出血
- 鼻血
- 不正出血
- 喀血(咳と一緒に血が出る症状)
血を補う食材として、特に女性の方や貧血気味の方には積極的に取り入れたい食材ですね。
2. 補脾潤肺・和胃醒脾作用
落花生は脾(消化器系)を補い、肺を潤す効果があります。また胃の働きを調和させ、脾の機能を高める作用も持っています。次のような症状に有効です:
- 咳
- 食欲不振
- 便秘
食物繊維を含むため、便秘解消にも役立ちます。お腹の調子が気になる方は試してみる価値がありそうですね。
以下の方は落花生の摂取に注意が必要です
- 寒湿停滞証(体内に冷えや湿気がこもっている状態)の方
- 腸滑下痢(腸の機能が低下して起こる下痢)のある方
食物繊維を含むため、下痢気味の方は避けた方が良いでしょう。
落花生のその他の効果は?
中医学では、落花生には以下のような効果もあるとされています:
- 母乳分泌不足の改善
- 浮腫の軽減
- 高血圧の補助的ケア
- 腎炎、気管支炎への効果
- 心臓病の補助的治療
- 脚気の改善
- 老化の予防
中医学によると、落花生には補脾益気(脾を補い気を増やす)、潤肺止咳(肺を潤し咳を止める)、止血(出血を止める)などの作用があるとされています。ただし、一度に大量に食べることは避け、適量を守ることが大切です。
まとめ:落花生の漢方的活用法
落花生は日常的に食べられる食材でありながら、漢方的にも優れた効能を持っています。主な効果と用途をまとめると:
- 補血止血:貧血、めまい、出血症状の改善
- 補脾潤肺:消化器系の強化、肺の潤い、咳の緩和
- 母乳分泌促進
- 水腫の改善
- 高血圧の補助的ケア
- 便秘解消
ただし、下痢気味の方や寒湿体質の方は摂りすぎに注意が必要です。また保存方法に気をつけ、カビの生えたものは決して食べないようにしましょう。
落花生は手に入りやすく、日常的に摂取できる身近な健康食材です。その漢方的な効能を理解して、自分の体質や症状に合わせて上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献

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