【不眠】疲れがあって眠さはあるのに眠れない理由

仕事で疲れているのに、いざ布団に入ると眠れない。そんな経験はありませんか？

スマートフォンもいじっていないし、体はクタクタなのに、なぜか目が冴えてしまう。現代人に多いこの悩みを、東洋医学の視点から解き明かしていきましょう。

疲れているのに眠れないという一見矛盾した症状には、実は明確な原因があります。今回は、漢方の考え方を基に、この悩ましい不眠の仕組みと改善方法をお伝えします。

なぜ疲れているのに眠れないの？

疲れているのに眠れない理由について、漢方の視点から説明しますね。

睡眠に入るためには、脳の働きを穏やかにするための血や潤いが必要です。つまり、不眠がある場合は脳のある頭の周辺で血や潤いの不足、あるいはこもった熱があるのかもしれません。

体の中の血や潤いは、体の熱によって温められて軽くなることで脳まで届けられます。ところが体が冷えている方の場合、血や潤いを温める力が弱く、脳まで届けることができません。

そのため脳が穏やかな状態になることができず、眠れなくなってしまうのです。

体の冷えが引き起こす悪循環とは？

血や潤いの巡りが悪くなると、エネルギーがキチンと届けられない体になります。その結果として：

• 常に疲れてだるさを感じるようになる
• いざ眠ろうとしても眠れなくなる
• さらに疲労が蓄積される

このような悪循環に陥ってしまいます。

血不足による不眠のメカニズムは？

また、血の不足があっても同様の症状が起きることがあります。

血の不足があると、エネルギーが届けられずにだるくなります。その影響が脳の働きを穏やかにする部分に及ぶと、眠りたいのに眠れない状態になってしまうのです。

つまり、疲れているのに眠れない原因は：

• 体の冷えによる血や潤いの循環不良
• 血不足による脳への栄養不足

この2つのパターンが考えられますね。

どうしたら改善できるの？

改善方法について、漢方薬と生活習慣の両面からお伝えします。

漢方薬による改善アプローチ

冷えがある場合：熱を補う漢方薬を使用します 血の不足がある場合：血や潤いを補う漢方薬を考えます

それぞれの症状に合わせて、適切な漢方薬を選択することが重要です。

生活習慣での改善方法

体が冷えている方

• 軽く汗ばむくらいの適度な運動を心がける
• 体の熱を高める生活習慣を取り入れる

血の不足がある方

• 寝不足や過労の生活習慣を見直す
• 血を作り出すチャンスを逃さないよう、少しでも早めに寝ることを心がける

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

ここでは、体の冷えや血不足による不眠体質の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらはあくまで一般的な体質改善を目的としたもので、個人の症状に直接合わせたものではありません。

• 当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）：血を補い、体を温める効果があり、冷え性で疲れやすい方に用いられる
• 加味帰脾湯（かみきひとう）：血を補い、精神を安定させる作用があり、不眠や健忘に効果的
• 温経湯（うんけいとう）：体を温めながら血を補う働きがあり、冷えと血不足が併存する場合に使用される

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果がない場合があります。そのような場合は、個人の体質や症状に合わせた詳しい漢方相談をお受けしています。ピヨの漢方までお気軽にご相談ください。

まとめ

疲れているのに眠れない症状は、東洋医学では体の冷えや血不足が原因と考えられています。

脳の働きを穏やかにするために必要な血や潤いが不足していると、疲労感はあるのに質の良い睡眠を取ることができません。

改善のためには、漢方薬による体質改善と生活習慣の見直しが効果的です。特に適度な運動や早めの就寝を心がけることで、根本的な改善が期待できるでしょう。

睡眠の質を向上させ、疲労回復のサイクルを正常に戻していきましょうね。

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