
こんにちは。
どうなさいましたか?

早期満腹感にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
痩せたくても痩せられない人がいる一方で、「食べたいのにすぐお腹がいっぱいになってしまう」「もっと体重を増やしたいのに増えない」と悩んでいる方も少なくありません。特に季節の変わり目や疲れが溜まった時に体調が崩れやすい方は、単に食事量を増やすだけでは解決しないことがあります。
東洋医学では、このような症状を「気」や「陰陽」のバランスから考えます。今回は極度の痩せ型で胃腸の働きが弱い方の体質について、東洋医学的な視点から解説し、日常生活に取り入れられる自然療法をご紹介します。
季節の変わり目や疲れた時に体調を崩しやすいのはなぜ?
季節の変わり目には天候が大きく変化しますが、その変化に対応するのを担っているのが「肝気」(かんき)です。実は体内で作られるエネルギーの約7割は基礎代謝に使われており、そのほとんどが気温変化などの環境適応のために費やされています。
このエネルギーである「気」が不足したり、「肝気」の滞りによって巡りが悪化すると、環境の変化に適応できなくなり、様々な不調が現れるのです。
特に以下のような要因が影響します:
- 気の不足による適応力の低下
- 肝気の滞りによる巡りの悪化
- 外部環境への対応に気を配分できなくなる状態
体質はどのようなタイプ?
今回ご紹介するのは、以下のような特徴を持つ方の体質です:
- 24歳・女性
- 身長147cm、体重31kg
- BMI:14.35(かなりの痩せ型)
- 顔色が白っぽい
- 舌の色も白っぽい
- お腹が空いてもすぐ満腹になる
- 季節の変わり目や疲れた時に症状が悪化
このような方は東洋医学的に見ると、以下のような体質的特徴があります:
陰の不足
極度の痩せ型であることから、体の中の材料となる「陰」(いん)が不足しています。陰が不足すると、以下のような症状が現れやすくなります:
- 髪の毛が抜けやすい
- 目が疲れやすく乾燥しやすい
- 全体的に潤いが足りない状態
熱の不足
顔色や舌の色が白っぽいことからも、体内の「熱」が不足していることがわかります。熱不足の特徴としては:
- 手足が冷えやすい
- 寒がりである
- 体温調節が苦手
気の巡りの問題
気の巡りが順調でないと、次のような症状が現れやすくなります:
- 胸が張って苦しい感覚がある
- ゲップやガスが出ると楽になる
- 肩こりがある
このように、芯部の熱源不足と気の不足があるため、体のエネルギー生産と流れの両方に問題が生じています。これが「お腹は空いているのにすぐ満腹になる」という症状の原因と考えられます。
お腹の働きを支える熱が不足し、消化機能が低下。さらに吸収したものを運ぶ肝気の働きも順調ではないため、食べ物をうまく消化・吸収・運搬できないのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
食事の取り方を見直す
空腹感を感じてから食べる場合でも、腹八分目を心がけましょう。特に大切なのは「よく噛んで食べる」ことです。
食事をよく噛むメリット:
- 食べ物がトロトロの状態になってから飲み込むことで消化吸収の準備が整う
- お腹への負担が軽くなる
- 唾液の消化酵素が十分に作用する
- 満腹中枢が適切に刺激される
満腹になる前の腹八分目の状態にしておき、その軽い空腹感を次の食事まで持ち越すようにすると、お腹の回復の機会ができます。お試しになってみてはいかがでしょうか?
適度な運動を取り入れる
体力の状態に合わせて、無理のない範囲で適度に運動することをおすすめします。
運動がもたらす効果:
- 気の滞りの解消につながる
- 体の活動レベルが上がる
- エネルギー摂取を自然と要求するようになる
- お腹の働きが高まる
運動不足かもしれないと感じる方は、まずは軽いウォーキングや軽いストレッチから始めてみましょう。
おすすめの漢方薬
この方のような体質の改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります。ただし、これらはあくまでお腹の働きや水分代謝の改善に一般的に用いられる漢方薬であり、個人の症状に合わせた処方ではありません。
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを高め、食欲不振や胃もたれを改善する漢方薬です。気虚(ききょ)と呼ばれる気の不足状態に効果的です。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲れやすい、元気がない、食欲がないなどの症状を改善します。気を補い、中焦(胃腸)の働きを高める効果があります。
- 四君子湯(しくんしとう):胃腸の働きを助け、気を補う基本的な処方です。食欲不振や疲労感の改善に役立ちます。
当店では、あなたの体質や症状に合わせた漢方相談も行っております。お気軽にご相談ください。専門の漢方相談員が最適な漢方薬をご提案いたします。
YouTubeでも解説しています。
まとめ
極度の痩せ型で胃腸が弱い方は、単に食事量を増やすだけでなく、食べ方や生活習慣の見直しが大切です。東洋医学では「気」や「熱」のバランスを整えることで、体質改善を目指します。
日常生活では、よく噛んで食べること、腹八分目を心がけること、そして体力に合わせた適度な運動を取り入れることが重要です。また、体質改善には漢方薬も効果的ですので、専門家に相談してみることをおすすめします。
体質改善は一朝一夕にはいきませんが、少しずつ生活習慣を見直していくことで、季節の変わり目にも負けない健康な体づくりを目指しましょう。

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