
こんにちは
どうなさいましたか?

骨粗鬆症にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
骨粗鬆症は現代社会で増加している健康問題のひとつです。多くの方が健康診断で突然指摘され、不安を感じているのではないでしょうか。サプリメントなどの対策を続けていても、思うように改善が見られないケースも少なくありません。
東洋医学では西洋医学とは異なる視点から骨粗鬆症にアプローチします。今回は骨の健康を維持するための東洋医学的な考え方と、日常生活に取り入れられる自然療法についてご紹介します。
外見的な特徴とお悩みの症状など
- 健康診断で骨粗鬆症と指摘された
- 数年前からサプリメントを摂取していた
- 今年は骨密度が大幅に低下した
健康診断で骨粗鬆症と指摘されると、不安になるのは当然です。特に、サプリメントなどを摂取して改善に努めていたにもかかわらず、数値が低下してしまったという場合は、より効果的なアプローチが必要かもしれません。
東洋医学ではなぜ骨粗鬆症になるのか?
東洋医学では、骨の健康は単にカルシウムの摂取量だけでなく、体の内側のバランスが重要だと考えます。特に「腎気」という概念が骨の形成に大きく関わっています。
腎気はさらに**「腎陰」と「腎陽」**という2つの要素に分けられます。骨を作るためには、この2つのバランスが重要なのです。
- 腎陰:骨を作るための材料となる要素
- 腎陽:骨を作り上げるエネルギーとなる要素
さらに、食べたものを消化・吸収し、骨の材料として届ける「脾気(ひき)」という働きも重要です。つまり、以下の3つの要素がバランスよく機能することが大切なのです:
- 材料となる腎陰
- 骨を作る力である腎陽
- 栄養を吸収する脾気
例えば、いくら良い材料(カルシウムなど)を摂取しても、それを適切に吸収できなければ意味がありません。また、材料が吸収できても、それを骨として作り上げるエネルギーがないと、材料だけが体内に積み重なって「邪魔物」となり、結果的に骨が適切に形成されないのです。
このことから、**材料の摂取だけでなく、それを活用するエネルギー(腎陽や脾気)**がとても重要だということがわかります。
骨粗鬆症を予防する自然療法とは?
骨粗鬆症の予防と改善には、東洋医学的な観点から以下のような自然療法が効果的です。
食事の見直し
意外かもしれませんが、牛乳やヨーグルト、ビールや生ものなどの体を冷やす食品は控えめにすることが大切です。これらの食品は体を冷やし、腎陽や脾気の機能を低下させてしまいます。
「でも、牛乳はカルシウム摂取に必要ではないの?」と思われるかもしれませんね。確かに材料としてのカルシウムは重要ですが、体を冷やす食材によって骨を作る働きが低下すると、結果的に骨は作りにくくなってしまうのです。
特に、冷たい牛乳を大量に飲むことは、お腹への負担となり、腎陽や脾気の機能低下につながります。もし乳製品を摂りたい場合は、体を温める食材と組み合わせて調理し、温かい状態で摂取すると良いでしょう。
適度な運動
体をよく動かして体内に熱を作ることも大切です。そして、運動で疲れたら早めに休息をとりましょう。睡眠中に体の修復が行われるため、質の良い睡眠も骨の健康に欠かせません。
骨粗鬆症予防に「四股」がおすすめな理由
骨を強化するための効果的な運動として、相撲の「四股(しこ)」がおすすめです。四股には以下のような効果があります:
- 腎気と関係の深い下半身をバランスよく鍛えることができる
- 踵を地面に打ち付けることで、骨を作る指示を体に出す効果がある
- 足が鍛えられてバランス感覚が向上する
- 骨が丈夫になり、それを支える腱も強くなる
実際、四股をよく練習している力士は大きな怪我が少ないと言われています。これは四股によって骨や筋肉、腱が強化されるためと考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の場合、以下の自然療法がおすすめです:
- 食生活の見直し
- 冷たい飲食物を控え、温かい食事を心がける
- カルシウムは温かい調理法で摂取する
- 腎陽を強化する温性の食材(黒ゴマ、クルミなど)を取り入れる
- 適度な運動と休息のバランス
- 四股を中心とした下半身強化エクササイズ(1日5分から始めましょう)
- 無理のない範囲での全身運動
- 質の良い睡眠の確保
漢方薬によるサポート
- 独活寄生湯(どっかつきせいとう):腎を補い、骨を強くする働きがあります
- 六味地黄丸(ろくみじおうがん):腎陰を補う代表的な漢方薬で、不足しがちな材料を補います
- 八味地黄丸(はちみじおうがん):腎陽虚の改善に役立ち、エネルギー不足を補います
なお、上記の漢方薬はあくまで骨粗鬆症に関連する体質改善に効果が期待できるものであり、必ずしもこの方に合うとは限りません。症状が複雑な場合には、単独では効果が現れにくいこともあります。当店では個人の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
骨粗鬆症の改善には、単にカルシウムを摂取するだけでなく、東洋医学的な観点から体全体のバランスを整えることが大切です。特に腎陰・腎陽・脾気のバランスに注目し、食生活の見直しや適切な運動を取り入れましょう。
四股のような下半身を鍛える運動は、骨密度向上に効果的です。また、冷たい食べ物・飲み物を控え、体を温める食生活を心がけることも重要です。
日々の小さな習慣の積み重ねが、将来の骨の健康を支えます。ぜひ今日から取り入れてみてください。
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