
こんにちは
どうなさいましたか?

胃もたれにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
食べるとすぐにお腹がいっぱいになってしまう、一人前が食べられなくて苦しい…そんなお悩みが続いていませんか?さらに食後に水のような下痢が出る、体重が少しずつ減ってきているという方も少なくありません。
東洋医学では、同じ胃もたれでも体質によって原因が違うと考えます。エネルギーを作り出す力が弱い方、体が冷えてお腹の働きが落ちている方、ストレスで気の流れが詰まっている方では、整え方が全く変わってきます。
この記事では、胃もたれ・消化不良・食後の下痢に関係しやすい3つの体質タイプ(エネルギー不足タイプ・冷え体質タイプ・ストレス詰まりタイプ)について解説します。自分に当てはまりそうなタイプを確認してみてください。
エネルギー不足タイプ(気虚)とは?胃もたれや食後の下痢が出やすい理由
エネルギー不足タイプ(気虚)は、体のエネルギーを作り出す力、つまりお腹の力が弱っている状態です。食べ物から栄養を吸収してエネルギーに変える仕組みがうまく動かなくなっています。材料を入れることができず、しかも工場の機械が弱っていて加工もできないイメージです。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 全身のだるさがあって横になりたい
- 呼吸が浅くて息切れしやすい
- 風邪にかかりやすい
- 手のひらに汗をかきやすい
- 手足がだるくて重い
- 動くと汗をかきやすい
- 食べるとお腹が張りやすい
5つ以上当てはまる方は、エネルギー不足タイプ(気虚)の可能性があります。
お腹の力が弱まっているため、少し食べるだけでもすぐにお腹がいっぱいになってしまいます。吸収できないまま食べ物が下に流れると、水のような下痢になることがあります。そのため食べているのに体重が落ちやすく、疲れや倦怠感が午後以降に悪化しやすい傾向もあります。
このタイプの方がやりがちな間違いとして、「元気がないからしっかり食べなきゃ」と、お腹が空いていないのに時間が来たからと無理に食べてしまうことがあります。栄養のためにカロリーの高いものを選ぶ方もいらっしゃいます。しかしお腹の工場自体が弱っているため、無理に素材を押し込んでも加工しきれず、かえって負担になることがあります。それが続くとさらにお腹が弱ってしまう悪循環に陥りやすいです。
エネルギー不足タイプ(気虚)の食養ポイント:
- 空腹感が出てきたサインを待ってから食べる(お腹の「準備できた」というサイン)
- よく噛んで腹八分目を意識する
- 楽しい気持ちで食べる(お腹の動きを助けると考えられています)
- おかゆや温かいご飯がおすすめ(パンよりお米の方が水分と温かさを同時に届けやすい)
- かぼちゃや芋類(噛むほどに甘みが出て、体を作るエネルギー源として取り入れやすい)
- 山芋(消化を助ける性質があるとされ、お腹が弱い方に合いやすい。すりおろして温かいものに混ぜると食べやすい)
エネルギー不足タイプ(気虚)の食材一覧(kampo.biz)



この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 六君子湯(りっくんしとう):お腹の力を補いながら胃の動きを整える漢方薬です。食欲不振や胃もたれ、疲れやすさがある気虚タイプに広く用いられます。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):全身のエネルギーを補い、体力を高める漢方薬です。疲れやすく、食後に眠くなる・午後に倦怠感が出るといった方に合うことがあります。
- 参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん):お腹の力を補いながら水分代謝を整える漢方薬です。軟便・下痢傾向があるお腹の弱い方に向いています。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
冷え体質タイプ(陽虚)とは?胃もたれや消化不良が出やすい理由
冷え体質タイプ(陽虚)は、体の中に熱を作り出す力が不足している状態です。お腹の働きを維持するためにはある程度の温かさが必要で、ちょうど酵素が働くのに温度が必要なのと似ています。熱を作る力が弱いと、お腹を温める力も足りなくなり、消化の力が落ちて胃もたれが起きやすくなります。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 手足が冷えることが多い
- 寒がりで寒さに弱い
- 温かい食べ物や飲み物が好き
- 元気がなく疲れやすい
- 腰や膝にだるさを感じる
- 尿の量が多く夜間トイレが近い
- 冷たい汗をかきやすい
5つ以上当てはまる方は、冷え体質タイプ(陽虚)の可能性があります。
冷たいものを食べたり体が冷えるタイミングで、胃もたれや消化不良の症状が悪化しやすい傾向があります。飲み物の温度だけでなく、食材の性質としての「冷やす作用」にも注意が必要なことがあります。また、のどが渇いていないのに習慣で水をたくさん飲む方もお腹を冷やしてしまうことがあります。水分はのどの渇きを感じてから少しずつとるのが基本です。
冷え体質タイプ(陽虚)の食養ポイント:
- 体を温める性質の食材を意識して取り入れる
- 生姜は加熱して使う(生の生姜より加熱した生姜の方が温める力が出やすいとされています。温かいスープや煮込みに入れると取り入れやすい)
- ネギ類(お味噌汁の具材にすると日常的に取れます。ただし食べ過ぎには注意)
- ヨモギ(お腹や芯部を温めてお腹を助ける食材とされています。お浸しなどのように温かく食べるのが合っています)
- 冷たい飲み物・食べ物を避け、体を冷やす性質のある食材にも気をつける
- 水分は口が渇いたときに少しずつとる
冷え体質タイプ(陽虚)の食材一覧(kampo.biz)



この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 人参湯(にんじんとう):お腹を温めながらエネルギーを補う漢方薬です。冷えからくる胃もたれ・軟便・食欲不振がある方に向いています。
- 大建中湯(だいけんちゅうとう):お腹を強く温め、腸の動きを助ける漢方薬です。冷えによるお腹の張りや痛みがある方に用いられることがあります。
- 附子理中丸(ぶしりちゅうがん):冷えの強い陽虚タイプに対応する処方です。体の芯から温め、消化機能を立て直す助けになることがあります。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
ストレス詰まりタイプ(気滞)とは?胃もたれや胸のつかえが出やすい理由
ストレス詰まりタイプ(気滞)は、気の流れが詰まっている状態です。道路で言えば、車の渋滞で進めないイメージです。気が詰まるとお腹の上下の動きも乱れ、食べ物から吸収したものが上に運ばれにくくなり、胃もたれが起きやすくなります。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- ゲップやガスが出ると楽になる
- 緊張やイライラすることが多い
- 脇腹や胸が張って苦しい
- ため息が多い
- 体のいろいろな場所が痛む
- 几帳面で生真面目な性格
- 興奮して眠れないことがある
5つ以上当てはまる方は、ストレス詰まりタイプ(気滞)の可能性があります。
コーヒーのカフェインには一時的に気を動かす作用があり、飲むと緊張がほぐれる感覚を持つ方がいらっしゃいます。コーヒーが手放せないという方は、このタイプが関係していることがあります。ただしコーヒーには体を冷やす性質があるとされており、また腸の動きを活発にしてしまうため、食べたものが十分に吸収される前に流れて下痢になってしまうことがあります。缶コーヒーは糖分も多いので、弱っているお腹には負担になることがあります。気分転換にはコーヒー以外にも、散歩や深呼吸で気を動かす方法がこのタイプには合いやすいです。
ストレス詰まりタイプ(気滞)の食養ポイント:
- 気の流れを助ける食材を意識して取り入れる
- 大根(消化を助けながら気の流れを整える食材とされています。煮物や炒め物で取り入れると胃への負担が少なく、温めて使うのがおすすめ)
- キャベツ(胃腸を整える食材で、温かく調理すると胃もたれの助けになります。スープや炒め物で取り入れてみてください)
- 紫蘇(お腹の働きを整え、気の流れをほぐす作用があります。お茶として飲む方法もあります)
ストレス詰まりタイプ(気滞)の養生ポイント:
- 散歩や深呼吸など、体を動かして気の流れをほぐす
- コーヒーは空腹時・食後すぐを避け、飲むタイミングと量を見直す
ストレス詰まりタイプ(気滞)の食材一覧(kampo.biz)



この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):気の流れを整え、のどや胸のつかえ感を和らげる漢方薬です。緊張やストレスからくる胃もたれ・吐き気にも用いられます。
- 柴胡疎肝湯(さいこそかんとう):肝の気の流れを整え、ストレスによる胃腸症状や脇腹の張り感に向いています。
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):気・血・水など複数の詰まりを同時にほぐす処方です。気滞の症状が複合している方に合うことがあります。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
胃もたれの体質タイプを比較してみましょう
| タイプ | 主な特徴 | 症状の出方 | 養生の方向性 |
|---|---|---|---|
| エネルギー不足タイプ(気虚) | 全身のだるさ・疲れやすさ・息切れ | 少量でもすぐ満腹、水様性下痢、体重減少 | 作る力を休ませながら育てる |
| 冷え体質タイプ(陽虚) | 手足の冷え・寒がり・温かいものが好き | 冷えるタイミングで悪化しやすい | お腹を温めながら動かしやすくする |
| ストレス詰まりタイプ(気滞) | イライラ・ゲップで楽になる・ため息が多い | ストレス時に悪化、胸や脇腹の張り感 | 詰まった流れをほぐしていく |
まとめ
胃もたれや消化不良が続くとき、「何を食べたか」より「自分の体質に何が合っているか」が大切になってきます。同じ胃もたれでも、体質によって原因も整え方も全く違います。
今回ご紹介したように、エネルギーを補う整え方・体を温める整え方・気の流れをほぐす整え方では、食べ方も食材の選び方も変わってきます。また3つのタイプが重なっている方もいらっしゃいます。たとえば気虚と気滞が重なると、お腹の動きと気の流れが両方乱れてしまうこともあります。
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