
こんにちは
どうなさいましたか?

ヒステリー球にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
喉に何かつかえているような感じがするのに、検査では異常がない。そんな「ヒステリー球」でお悩みではありませんか?
半夏厚朴湯を飲んでいるけれど、なかなか良くならない。できれば薬以外の方法で治したい。そう感じている方も多いのではないでしょうか。
ヒステリー球の原因は、ストレスによる気の滞りに、余分な水分が巻き込まれてしまうことにあります。中医学では、この気と水の流れを整えることが改善への近道と考えます。
今回は、ヒステリー球と半夏厚朴湯の関係、そして日常生活でできる改善方法について、やさしく解説していきますね。
ヒステリー球の原因は何ですか?
ヒステリー球の原因は、ストレスなどによる気の滞りです。
喉に違和感を感じるのに、飲み込もうとしても吐き出そうとしても取れない。検査をしても何の異常もない。これがヒステリー球の特徴です。
原因の多くに、過度の緊張やストレスを感じることで、気の巡りが悪くなることが考えられています。緊張した時に喉が絞まったように感じて声がかすれる経験はありませんか?何度も咳払いをしたり飲み込んだりするのは、喉元の気の流れを良くしようとしているのです。
喉元は、急に車線が少なくなったかのように狭くなっています。本来は下向きに流れているはずの気や血が、ストレスや緊張による気の滞りで逆流すると、あらゆるものの通りが渋滞を起こします。
実体感を伴う理由
単なる気の滞りであれば、咳払いで解消されるはずです。しかし、まるで梅の種があるように感じるのは、気の滞りに余分な水分が巻き込まれているからです。
余分な水分が生まれる原因には以下のようなものがあります:
- 食べ過ぎや飲み過ぎ
- 食欲がないのに無理して食べている
- 喉の使い過ぎによる軽い炎症
特に炎症が起こると、周辺の水分が粘り気を持ち始め、喉の周辺での違和感につながることがあります。
**いずれにしても、気の滞りや水の滞りが喉の周辺で起こることで、ヒステリー球が生じています。**これら滞っているモノを排除することが解消するためのカギとなります。
半夏厚朴湯はどんな漢方薬ですか?
半夏厚朴湯は、お腹を中心に気の滞りを解消し、余分な水分を排除する漢方薬です。
5つの生薬で構成されています:
- 半夏(はんげ): ドロドロした水分を排除する
- 厚朴(こうぼく): 気を下向きに引き降ろす
- 茯苓(ぶくりょう): 水分の巡りを促す
- 蘇葉(そよう): 気を発散させて動きを応援する
- 生姜(しょうきょう): お腹の働きを応援する
半夏厚朴湯の働き方
半夏と厚朴が、身体の上の方で停滞している気やドロドロになった水分を下向きに引き降ろします。
茯苓は、停滞している水分の巡りを促しつつ、お腹の働きを応援して体の中の水の動きを良くします。
蘇葉で停滞している気を発散して動きを応援しながら、腸管の動きを下向きに動かします。
生姜でお腹の働きを応援し、停滞している水分を外向きに動かして、水分の動きに勢いをもたらします。
これらの働きによって、喉元に停滞している気とドロドロした水分によるヒステリー球が解消されます。
どうして半夏厚朴湯が効かないことがあるのですか?
半夏厚朴湯を飲んでいても、あまり良くならないという方もいらっしゃいます。その理由をご説明しますね。
喉に炎症がある場合
喉の使い過ぎなどで喉元に炎症が生じ、その熱によって周辺の余分な水分がドロドロになっている場合があります。
**半夏厚朴湯には、茯苓以外は全て体を温める成分で構成されています。**そのため、喉元の炎症による熱を解消してくれません。
それどころか、体を温める働きに加えて乾かす働きもあるため、熱の状態をさらに強めてしまうことになります。かえって治りにくい状態を作ることもあるのです。
このような場合には、炎症による熱を解消するような漢方薬を、原因に合わせて選択することが必要です。
過労や夜更かしが続いている場合
長い時間ストレスがかかっていることで、ヒステリー球になってしまう方もいらっしゃいます。
過労や夜更かしの生活が長く続くと、以下のようなことが起こります:
- 体の潤いが渇いてしまう
- 心の穏やかさを保つことが難しくなる
- ちょっとしたことでもストレスを感じやすくなる
- 体の中の水分が煮詰まってドロドロしやすくなる
そうなると、簡単に喉元に気や水分が停滞するようになり、ヒステリー球を感じるようになります。
このような場合にも、半夏厚朴湯だけで体を温めて乾燥させるだけでは、余計にヒステリー球を作る土台を強めてしまいます。
体の潤いを補充してくれる漢方薬を、気や水の滞りを解消する漢方薬と共に合わせて飲むことで解消することが必要です。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
半夏厚朴湯が向いているのは、以下のようなタイプの方です。
お腹の働きが弱く、余分な水分が停滞しやすい方に適しています。ストレスや緊張で気が逆流しやすく、喉に違和感を感じる方に向いています。
ただし、体質によっては注意が必要です:
- 喉に炎症がある方: 体を温める働きが強いため、炎症を悪化させる可能性があります。炎症による熱を解消する漢方薬が必要です。
- 過労や夜更かしで体の潤いが不足している方: 乾かす働きがあるため、単独では効果が十分でないことがあります。体の潤いを補充する漢方薬との併用が効果的です。
**症状が複雑な場合には、単独では効果がないこともあります。**当店では一人ひとりの体質に合わせた漢方相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。
生活習慣でヒステリー球体質を改善する方法はありますか?
ヒステリー球体質を改善するには、全身の筋肉の緊張を緩めるのをおすすめします。
緊張している状態では、体は無意識のうちに緊張して、あちこちに力が入っているはずです。全身がだらーんとした状態で、ストレスを感じられる方は少ないと思います。
ちなみに、精神的な症状に使われる合成薬の中には、筋肉の緊張を緩める作用が入っていることがあります。これは、身体の緊張を緩めることで、心の方の緊張もほぐそうとしているのです。
緊張しやすい場所
緊張が強い場所として良く見られるのは以下の部位です:
- 顎の噛みしめ
- 喉を締める癖
- 前腕の緊張
- みぞおちの張り
- 背骨の両脇の筋肉の突っ張り
- 下肢のスジの突っ張り(運動不足から)
具体的な改善方法
まずは簡単にできることから始めましょう。
**顎の噛みしめと喉を締める癖を緩めることを意識してみてください。**日中、気づいた時に顎の力を抜く練習をするだけでも効果があります。
さらに、お風呂に入って寝る前などに、前腕、足、みぞおち、背中などのうち、最も気になる部分をマッサージやストレッチで緩めていきましょう。
背中は自分ではマッサージできませんので、ストレッチをしたり、仰向けになってテニスボールなどを背中の下に入れる方法がおすすめです。体重のかけ方を調整して、ゆっくりと気持ちの良い所を無理せず押してみてください。
マッサージとストレッチのコツ
**一か所に時間をかけるように、ジワーと穏やかに緩めるようにしてください。**無理せず、気持ちのよさを感じながら続けることが大切です。
筋肉の緊張が、ヒステリー球の原因の一つともなっていますので、毎日少しずつ続けてみましょう。
まとめ
ヒステリー球の原因と改善方法についてお伝えしました。
**ヒステリー球は、ストレスや過度の緊張による気の滞りに、余分な水の停滞が巻き込まれてしまうことが原因です。**食べ過ぎなども含まれますし、喉の炎症や、過労・夜更かしによって生じた熱で煮詰まることで起こることもあります。
半夏厚朴湯は体を温めて乾かしてしまうので、原因によっては効果が十分でない場合もあります。その場合には、熱を冷ます漢方薬や体の潤いを補充する漢方薬が必要になることがあります。
ヒステリー球体質を改善するために、ご自分で簡単にできることとしては、マッサージやストレッチなどで筋肉の緊張を取り除くことをおすすめします。
気持ちのよさを感じながら続けていってくださいね。
YouTubeでも解説しています。

ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。


