補中益気湯を飲むと昼間から眠くなってしまう

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

補中益気湯で眠くなった方から
質問をいただきましたよ

漢方薬を服用していて「なんだか眠くなる」と感じたことはありませんか?特に補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲み始めて眠気を感じる方は少なくありません。

これは副作用ではなく、実は身体が本来の機能を取り戻そうとしている証拠かもしれないのです。今回は、補中益気湯がなぜ眠気を誘うのか、その背景にある漢方理論と身体のメカニズムについて詳しく解説していきますね。

補中益気湯の働きって何ですか?

補中益気湯には補中益気、昇陽の効能があります。

食べ物から摂取した栄養は、小腸で吸収された後、静脈を通って肝臓に入ります。そこから大静脈を経由して心臓へと運ばれていくのですが、この栄養を運び上げる過程で重要な役割を果たしているのが**脾気(ひき)**なのです。

脾気とは、中医学におけるお腹の働きを調整する概念です。この脾気の働きには、平滑筋の緊張を保つことで気血を体の上部へと持ち上げる重要な機能があります。

補中益気と昇陽とは、まさにこのお腹の働きを高めて、持ち上げる働きを助けることを意味しているのですね。

どうして補中益気湯で眠くなったのでしょうか?

不眠になる原因は様々ですが、その一つに脳を穏やかにするための潤いを届けられないことが挙げられます。

つまり、頭部のある身体の上部まで潤いを持ち上げることができないために不眠が起きる場合があるのです。

補中益気湯が潤いを持ち上げる働きを助けたために、眠れるようになった可能性が考えられます。

さらに興味深いのは、補中益気湯で眠れるようになった身体の反応です。それまで持ち上げられなかった体の状態を睡眠によって回復させたくて、身体が積極的に眠りを要求したのかもしれません。

実際の臨床現場では、補中益気湯に脳を穏やかにする漢方薬を合わせて不眠の解消に使うことは良くあります。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

脾気不足による昇陽機能の低下に対して効果が期待できる漢方薬をご紹介します。これらは特定の脾気虚弱体質の改善に効果が期待できる漢方薬として参考にしてください。

加味帰脾湯(かみきひきとう):脾気を補い、気血両虚を助ける代表的な処方。お腹の働きの弱さによる不眠に適用されます。

六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを整えながら水分代謝を改善し、痰湿を除く効果があります。食欲不振や胃もたれに適用されます。

人参湯(にんじんとう):胃腸の冷えを温めながら消化機能を高める処方。下痢や腹痛、食欲不振などに用いられます。

ただし、症状が複雑な場合には単独の漢方薬では十分な効果が得られない場合があります。ピヨの漢方では、お一人お一人の体質や症状に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

補中益気湯で眠くなる現象は、決してマイナスな反応ではありません。

むしろ、脾気の働きが改善され、身体の上部まで必要な潤いが届けられるようになった証拠と考えられます。身体が本来の機能を取り戻そうとする過程で、睡眠による回復を求めているのかもしれませんね。

漢方薬は一人ひとりの体質に合わせて選択することが大切です。気になる症状がある方は、専門家にご相談いただくことをおすすめします。

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ピヨ先生
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