
こんにちは
どうなさいましたか?

機能性ディスペプシアにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
食後にゲップが出やすい。
逆流するような感じがする。
食べても、なんだか満たされない。
それぞれ、別の問題のように感じてしまいますよね。
朝の下痢まで加わると、なおさらです。
でも東洋医学の視点で見ていくと、これらの症状が一つの体質としてつながって見えてくることがあります。
今回はそんなケースを、一緒に見ていきましょう。
今回のケースの主な症状
今回ご相談いただいた内容は以下の通りです。
- 食後にゲップが出やすい
- 逆流するような感じがある
- 食べても満たされにくい
- 朝に下痢をしやすい
- 横になったり、何かに集中していると症状があまり気にならない
また、以前は喉や胸のつかえ、息苦しさがありましたが、そちらは改善しています。
きっかけとして、去年の夏にコロナに感染したことが関係している可能性があります。
東洋医学では胃腸の働きをどう考える?
東洋医学では、食べたものを消化し、必要なものを取り込み、いらないものを下へ送っていく働きを大切に考えます。
この働きを支えているのが、体を巡るエネルギーである「気(き)」の流れです。
気の巡りがスムーズであれば消化の働きも滞りなく進みますが、巡りが乱れるといろいろな不調として現れることがあります。
同じ気の巡りの乱れでも、人によって出方はさまざまです。
今回のケースを紐解く3つの手がかり
- 体調を大きく崩したあとから胃腸の不調が続いている
- 以前は喉や胸のつかえ・息苦しさがあったが改善し、今は食後のゲップや逆流感が残っている
- 食べても満たされにくく、朝には下痢もしやすい
一つずつ見ていきましょう。
手がかり①:体調を崩したあとから続く胃腸の不調
今回の方は、去年の夏にコロナに感染しています。
体調を大きく崩したことや、その間の不安・緊張がきっかけとなって、気の巡りが乱れ始めることがあります。
もちろん、感染した方すべてにこうした変化が起こるわけではありません。
ただ、体調を崩したあとから胃腸の不調が長く続いているのであれば、その影響が残っていないかを見ることはできます。
手がかり②:喉のつかえから、胃の症状へ
以前は喉や胸のつかえ、息苦しさがありました。
それは改善したものの、今は食後のゲップや逆流するような感じが残っています。
喉や胸のつかえも、気の巡りが滞ることで起こることがある症状の一つです。
ここで大切なのは、症状が喉から胃に移動したと単純に考えることではありません。
気の巡りの乱れが、今は喉や胸ではなく、胃のあたりを中心に出ていると考えるほうが近いかもしれません。
ただし、横になると症状が楽になる点や、何かに集中していると気にならない点は、断定的な判断材料にはできません。
一般的に逆流症状は横になることで悪化することもあるため、これは今回の方特有の情報として見る必要があります。
手がかり③:満たされない感覚と、朝の下痢
食べても満たされないという感覚だけで、消化を支える力が弱っていると決めることはできません。
食欲そのものは強くなく、食べる量もそれほど多くないのに、食後の満足感が得にくい場合もあります。
これは、食欲と「食べて満足した」という感覚が、必ずしも同じものではないからです。
気の巡りが滞った状態が長く続くと、その滞りが熱を持ちやすくなることがあります。
胃のあたりに熱がこもったような状態になると、胃が必要以上に刺激されて、満足感が得にくくなることも考えられます。
もし気づかないうちに食べる量が増えているなら、朝の下痢も、前日に食べた量が胃腸の処理できる範囲を上回っていたためと考えることもできます。
ただし、今回の相談内容だけでは、実際に食べ過ぎているかどうかまでは分かりません。
3つの手がかりを1つにつなげると
体調を大きく崩したあとから胃腸の不調が続いている。
以前あった喉や胸のつかえは改善したものの、今は食後のゲップや逆流感が残っている。
食べても満たされにくく、朝には下痢もしやすい。
これらをまとめて考えると、今回のケースでは気の巡りが滞っていることが、一つの大きな手がかりになりそうです。
気の巡りは、道路の交通の流れによく似ています。
どこかで渋滞が起きると、車がスムーズに進めなくなって、あちこちで詰まりが生じますよね。
同じように、気の巡りがどこかで滞ると、食後のつかえや張り、ゲップ、逆流するような感覚として、出口を求めるように現れることがあります。
そして、渋滞が長く続くと車のエンジンが熱を持ってくるように、気の滞りも長く続くことで熱を持ちやすくなることがあります。
この、こもった熱が胃を刺激することで、食べても満たされにくい感覚や、消化のリズムの乱れにつながっていると考えることができます。
よくある誤解に注意しましょう
- ゲップが出る=胃の力が強すぎる、と考える
- 食べても満たされない=もっと食べたほうがいい、と考える
ゲップは、気の巡りが滞り、食後の流れがスムーズではないことで起こることもあります。
満足感が得にくい理由を確認しないまま食べる量を増やすと、胃腸に負担がかかり、食後の不快感が強くなることがあります。
ストレス詰まりタイプ(気滞)とは?今回のケースに当てはまる理由
気の巡りが滞っている状態を、東洋医学では「気滞(きたい)」、一般的にはストレス詰まりタイプと呼びます。
今回のケースでは、この気滞に加えて、その滞りが長引いて熱を持ちやすくなっている、いわゆる「こもり熱」的な要素が重なっていると考えられます。
- 体調を崩したあとから胃腸の不調が続いている
- 喉や胸のつかえが、食後のゲップや逆流感に移り変わってきた
- 食べても満たされにくく、朝の下痢もある
バラバラに見えていた症状が、こうして見ていくと一つのつながりとして見えてきます。
ただし、今回のケースはこの体質が関係していましたが、同じ症状でも人によって背景となる体質は異なります。
この体質の改善に効果が期待できる漢方薬・生薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる生薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 陳皮(ちんぴ):みかんの皮を乾燥させた香りのある生薬です。食後にお腹が張る、ゲップが出る、胃のあたりがつかえるように感じる場合に、気の巡りを整える目的で使われます。
- 蘇葉(そよう):香りのある生薬で、胸や喉、お腹などのつかえや、気持ちの緊張が関係して流れが乱れているような場合に使われます。
- 薄荷(はっか):気の巡りの滞りが長引いてこもった熱を、少し発散させるように働く生薬です。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の生薬では効果が出にくいことがあります。当店では漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
今日から意識したい養生ポイント
- 消化に負担をかけすぎない、おかゆや柔らかく煮た野菜をよく噛んで食べる
- 満足感が得にくいときも、すぐに食べる量を増やさず、少し時間を置いて様子を見る
- 満腹まで食べず、腹八分目を意識する
- 食後すぐに横にならず、無理のない範囲で軽く体を動かす
- 症状を気にし続けるより、食事や好きなことに意識を向ける
また、お腹の中央にある「中脘(ちゅうかん)」というツボも、胃腸の働きを整える目的で使われることがあります。
おへそとみぞおちの中間あたりを、気持ちよく感じる程度の強さで、3秒かけてゆっくり押し、3秒キープしてから3秒かけて離します。
これを無理のない範囲で3〜5分ほど繰り返してみてください。
痛みがある場合はやめておきましょう。
今回のような胃腸の不調は、病院では「機能性ディスペプシア」と診断されることもあります。
症状が続く場合は、自己判断で薬を中止したり変更したりせず、主治医に相談してくださいね。
まとめ
食後のゲップ、逆流するような感じ、食べても満たされない感覚、朝の下痢。
一見バラバラに見える症状も、気の巡りの滞り(気滞)とこもり熱という視点で見ていくと、一つのつながりとして見えてくることがあります。
今回のケースはこの体質が関係していましたが、同じ症状でも、人によって背景となる体質は異なります。
自分のタイプが気になった方は、LINEの体質チェックからご自身の状態を確認してみてくださいね。
YouTubeでも解説しています。

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