鼻炎や肌荒れがあって疲れやすい方の体質の特徴と自然療法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

鼻炎や肌荒れにお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

皆さんは「体の中に水が停滞している」という状態をご存知でしょうか?漢方医学では、この状態を「水滞(すいたい)」と呼び、様々な不調の原因になると考えられています。

今回は、鼻炎や肌荒れ、疲れやすさなどの症状を抱える41歳女性の事例から、水滞体質の特徴と改善法について解説します。一見すると関連性のない複数の症状が、実は同じ根本原因から生じていることがあるんですよ。

自分の体質を知ることは、健康への第一歩。この記事を通して、あなたの体のサインを読み解くヒントが見つかれば幸いです。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 41歳の女性
  • 身長は161cm
  • 体重は64.5kg
  • BMIは24.88

身体的特徴:

  • 皮膚は乾燥気味
  • 髪の毛も乾燥して細い
  • 舌の形が厚ぼったい
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌の苔が厚い
  • 舌の色が白っぽい

お悩みの症状:

  • 鼻炎
  • 肌荒れしやすい
  • 陰部の痒み
  • 疲れやすい
  • 生理前に症状悪化
  • 休日はダルくて動きたくない
  • 以前ファスティングで調子が良くなった経験あり
  • 現在はマグネシウムと亜鉛のサプリメントを時々摂取
  • 通院はしていない

この方の体質はどのようなものですか?

この方の体質を見ていくと、とても興味深いパターンが見えてきます。

まず注目したいのは、体の上部と内部の状態の違いです。皮膚や髪の毛が乾燥しているにも関わらず、舌の状態からは体内に水分が充満している様子が伺えます。

厚ぼったい舌に歯の痕があるということは、舌が膨らんでいて周囲の歯に押し付けられている状態です。これは体内に余分な水分が停滞している「水滞」の兆候といえます。

また、舌の苔が厚く白っぽい色をしているのは、体を温める力(陽気)が弱まっている証拠です。漢方医学では、このような状態を「陽虚(ようきょ)」と呼びます。

鼻炎はどうして起きるんですか?

鼻炎は、体の上部、特に鼻の周辺に水の鬱滞(うったい)があることで起こります。実は、この方の体には興味深い矛盾があるんです。

体の上部では乾燥が目立つ一方で、舌の状態を見ると体のあちこちに水が停滞している様子があります。つまり、体の中には水が充満しているのに、上部だけが乾燥しているという状態なのです。

どうして、上だけが乾燥しているんですか?

これには二つの要因が考えられます。

まず一つ目は、「熱源の冷え」です。手足が冷えやすく、舌の色が白っぽいことから、水を巡らせるための原動力となる体の熱源が冷えていると考えられます。

二つ目は、「気の巡りの滞り」です。月経前に胸が張ったり、食後に腹部が張りやすいという症状は、気(エネルギー)の巡りがスムーズでないことを示しています。

体が冷えることで水を動かす力が弱まり、さらに気の巡りが悪いために必要な部位に水分を届けることができなくなっているのです。これが「上部の乾燥と内部の水滞」という一見矛盾した状態を生み出しています。

この方はどうして鼻炎や肌荒れになったのですか?

水を動かす力が弱く、体内に水が充満し、気の巡りも悪いことで、水分は適切な流れを作ることができません。その結果、鼻の周辺で水分が滞りやすくなり、鼻炎の症状として現れます。

また、夜間の発汗や手足の熱感から、体には「潤い不足」の状態も併存していることがわかります。この潤い不足がさらに体の上部の乾燥を促進し、鼻炎を悪化させています。

肌荒れについても同様で、皮膚の周囲で停滞した水分がこもり、吹き出物などとして現れると考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状改善には、以下の自然療法がおすすめです。

1. 睡眠の質を高める

投稿された時間が夜中の1時と遅い時間帯であることから、睡眠不足の可能性があります。睡眠不足が続くと体の潤いが不足し、水の巡りも悪くなります。

これにより「こもった熱」が生じて鼻炎や肌荒れの土台を作ってしまうのです。同時に、エネルギー補給も十分にできなくなるため、日中の疲れやすさや休日のだるさにつながります。

実践ポイント:

  • 5分でも早く就寝する習慣をつける
  • 就寝前のブルーライト(スマホ、PC)を控える
  • 寝室の温度と湿度を快適に保つ

2. 水分摂取の工夫

「喉が渇いて水を飲みたい」という感覚があるにも関わらず、体内には水が充満している状態です。この矛盾は、体が水分を有効活用できていないことを示しています。

実践ポイント:

  • 一度にたくさん飲まず、少量をこまめに摂る
  • 冷たい飲み物より常温か温かい飲み物を選ぶ
  • 朝起きてすぐと就寝前の大量の水分摂取は控える

3. 気の巡りを良くする軽い運動

気の巡りを改善することで、停滞した水を動かす手助けになります。激しい運動である必要はなく、体を軽く動かす程度で効果があります。

実践ポイント:

  • 朝のストレッチや軽いヨガ
  • 腹式呼吸を意識した深い呼吸法
  • 天気の良い日の短時間の散歩

この体質に合う漢方薬について

水滞体質の改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります。ただし、これはあくまで一般的な水滞体質に対する漢方薬であり、この方に必ず合うというわけではありません。

  • 五苓散(ごれいさん): 体内の余分な水分を排出し、水の巡りを良くする漢方薬です。むくみや頭痛、めまいなどにも用いられます。
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう): 不安や緊張からくる動悸やめまい、頭痛などに効果的で、水の巡りも改善します。
  • 猪苓湯(ちょれいとう): 水分代謝を促進し、排尿障害や浮腫みの改善に役立ちます。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では漢方相談も行っていますので、個別の体質に合わせた漢方薬の処方についてご相談ください。

まとめ

今回ご紹介した41歳女性の事例のように、鼻炎や肌荒れ、疲れやすさなどの症状は、体内の「水滞」という状態が根本原因になっていることがあります。

水滞体質の特徴は、体の上部が乾燥している一方で、内部には水が充満しているという矛盾した状態です。これは「熱源の冷え」と「気の巡りの滞り」によって引き起こされます。

改善のためには、睡眠の質を高め、水分摂取を工夫し、気の巡りを良くする軽い運動を取り入れることが効果的です。漢方薬も上手に活用することで、より効果的に体質改善につなげることができるでしょう。

あなたも体の声に耳を傾け、根本的な体質改善に取り組んでみませんか?

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ピヨ先生
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