全身に湿疹や水ぶくれが熱でヒリヒリする方の体質の特徴と自然療法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

湿疹にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

皮膚トラブルは見た目の問題だけでなく、日常生活の質にも大きく影響します。特に全身に広がる湿疹や水ぶくれは、痛みや痒みを伴い、精神的な負担も大きいものです。

こうした肌トラブルに対して、西洋医学では主に症状を抑える対症療法が中心となりますが、東洋医学では「なぜその症状が起きているのか」という根本的な体質の問題に着目します。

今回は、全身湿疹に悩む30代女性の事例から、東洋医学的視点で体の不調のメカニズムを解明し、自然な方法で改善していく方法をご紹介します。表面的な症状だけでなく、体の内側から健康を取り戻すヒントを一緒に見ていきましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 32歳の女性
  • 身長は164cm
  • 体重は60kg
  • BMIは22.31

主な症状:

  • 髪の毛は細く抜けやすい
  • 皮膚は乾燥している
  • 舌の苔は少なく水分も乾燥している
  • 全身にできた湿疹、水ぶくれ
  • 熱を持つとヒリヒリ痛む

この方の体質はどのような特徴があるのでしょうか?

湿疹の正体は、実は皮膚の下に気の滞りによってこもった気と水が停留している状態です。本来なら体の内側へと回収されるはずの気や水が、気の巡りの乱れによって皮膚の下にこもってしまうと、湿疹などの皮膚トラブルが起こりやすくなります。

この方の場合、髪の毛は細く抜けやすく、皮膚は乾燥し、舌の苔は少なく水分も乾燥しているなど、体には乾燥の症状が目立っています。一見すると、体の熱が旺盛なために水分を飛ばして乾燥しているように思えますが、実はそうではありません。

注目すべき点として、手足が冷える寒がりの傾向があります。また、喉が渇いて水を飲みたいという症状がありますので、水分は摂っているようです。しかし、尿の回数が1日1回で普通量とのこと。

食欲がない・多く食べられないとありますが、大便は1日1回で普通の便が出ており、BMIも正常範囲内ですので、食べたり飲んだりしたものは体の中に入ってきています。

ところが、尿の回数が少ないということは、体の上部まで行った水分がそこで留まってしまい、下へ通りてこられない状態にあるように考えられます。自然に汗が出るという症状も、上部に停滞している水分によって、汗の調節をする肺気(はいき)が乱されていることを示しています。

なぜ水は下へと降りてこられなくなっているのでしょうか?

手足が冷える、寒がりなどの症状から、水を巡らせる力の不足があると考えられます。また、吐き気を感じる、肩こりがあることから、気の巡りは上部へと向かって偏っている様子が感じられます。

勢いがないまま上へと連れられて行った水分は、気の滞りによって上へと巻き上げられたままになって降りてこられないために、尿の回数も増えないでいて、取り残されるように体の上部に居座ることになります。

さらに、水や血を上へと持ち上げる力がないために、体に必要な潤いなどは上部で不足するため、乾きやこもった熱を生じさせます。それにより、不眠になりやすい、皮膚が乾燥しやすい、髪の毛が抜けやすい、不安感が強いなどの症状が現れます。

そして上部では、停滞している水と役に立たないこもった熱が結びついて、ドロドロした状態になり、湿疹を作り出します。こもった熱や乾きがあるために熱を持ちやすい状態になって、ヒリヒリと痛むのだと考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質改善には、以下の自然療法がおすすめです:

  1. 適度な運動で水の巡りを促進する
    • 水を巡らせる原動力を作り、気の巡りを順調にするために、適度な運動が効果的です
    • 痺れを感じやすい、シミ・そばかすや皮膚が黒ずみやすいなど、血行の悪さを感じさせる症状もあるため、運動不足の可能性があります
    • 軽く汗ばむ程度の運動から始めてみましょう
  2. 休息と睡眠の質を高める
    • 適度に運動をして体が疲労を感じたら、眠れなくても早めに布団に入ってゆっくりと休むことが大切です
    • リラックスした状態で体を休めることで、気の巡りも整いやすくなります
  3. 水分摂取の方法を見直す
    • 喉が渇いて水を飲みたいという症状は、水の巡りが悪いことで喉を潤せないことが一因かもしれません
    • 一度にたくさん飲まず、少量ずつこまめに水分を摂ることをお試しください

漢方薬による体質改善について

この方のような水分代謝の乱れがある体質の改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これは特定の体質に対する一般的な情報であり、この方に必ず合うというものではありません。

  • 五苓散(ごれいさん):水分代謝を改善し、余分な水を排出する働きがあります。上半身に水分がたまりやすい方に適しています。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血行を改善し、冷えや乾燥を緩和する効果があります。女性の体質改善にも用いられます。
  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):皮膚の炎症を抑え、熱を取り除く作用があります。皮膚トラブルが熱を持つ方に向いています。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では専門の漢方相談も行っておりますので、より詳しいアドバイスをご希望の方はぜひご相談ください。

まとめ

今回ご紹介した事例は、見た目には乾燥肌でありながら、体の内部では水分の巡りが滞っているという、一見矛盾するように思える状態でした。これは東洋医学的に見ると、気と水の巡りの乱れによって引き起こされる典型的な症状です。

このような体質の改善には、症状を抑えるだけでなく、体の根本的な巡りを整えることが大切です。適度な運動、質の良い休息、そして適切な水分摂取法などの自然療法を日常に取り入れることで、徐々に体質改善が期待できます。

皮膚トラブルは外からのケアだけでなく、内側からのアプローチも大切です。ぜひ今回ご紹介した方法を参考に、健やかな肌と体を取り戻していきましょう。

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ピヨ先生
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