
こんにちは
どうなさいましたか?

朝動けないことにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
朝起きたときに体が重く、やる気が出ないという悩みを抱える方は意外と多いものです。特に季節の変わり目や低気圧の時期には、そんな症状が悪化することもあります。
今回は、60歳女性の方から寄せられた「朝起きてから動けない」という悩みについて、東洋医学の視点から原因を探り、効果的な自然療法をご紹介します。単なる「怠け癖」ではなく、体の中の「気」の巡りが関係していることも多いのです。
この方の外見的な特徴とお悩みの症状
外見的な特徴:
- 60歳の女性
- 身長は156cm
- 体重は49kg
- BMIは20.13(標準範囲内)
主な症状:
- やる気が出ない、特に朝起きてから動けない
- 肩や背中のコリがある
- 足に冷えを感じる
- 肩関節の痛み(ほぼ治っているが、寒いと急に痛む)
- 低気圧、花粉症の時期、朝の時間帯に症状が悪化する
また、舌の色は白っぽく、舌に溝や割れ目があり、舌の苔は水っぽい状態で一部剥れている状態です。更年期から髪の毛が抜けやすくなったというお悩みもあります。
やる気が出ない理由とは?東洋医学からの視点
やる気が出るとはどういう状態なのでしょうか?それは、体が健康で疲れを感じず、体中にエネルギーが満ち溢れている状態です。そうなると、自然と活動したくなるものです。
東洋医学では、この状態を「気」が量的に足りていて、身体全体をスムーズに巡っている状態と考えます。逆に、やる気が出ない状態は、体のどこかで「気」が不足していると考えられます。
「気」の不足には大きく2つのパターンがあります:
- 全体的な気の不足:車の燃料タンクにガソリンが少ない状態のようなもので、体は少ないエネルギーでやりくりしなければならず、疲れを感じやすくなります。
- 気の巡りの悪さ:全体量は足りていても、うまく配ることができない状態。一部の場所では過剰になり、別の場所では不足します。
この方の場合、どんな体質なのでしょう?
この方の場合、朝起きてから特に動けないという症状から、気の全体量の不足というよりも、気の巡りの悪さが主な原因と考えられます。食欲不振や消化不良の訴えがないことから、お腹の働きが弱くエネルギー不足になっているわけではなさそうです。
以下のような症状から、体質的な特徴が見えてきます:
- 舌の色が白っぽい、寒がり、足の冷え:気や水を巡らせる原動力となる「芯部の熱」が弱い
- 中性脂肪やコレステロールが高い、雨の日の体調不良:体内に余分な水分が充満
- 舌の苔が水っぽい:これも水分代謝の問題を示唆
- 肩や背中のコリ:気の滞りが上向きに巡りを過剰にし、肩や背中に充満
- 舌に溝や割れ目、髪の毛が抜けやすい:血の不足も関与
お風呂の例で表現すると、お風呂の火力(芯部の熱)が弱いのに、お風呂には水(余分な水分)が充満していて、しかも湯かき棒(気の巡り)で上手く混ぜられないため、水の循環が悪く、温かいお湯が必要な部位に届いていない状態と言えるでしょう。
では、この方におススメの自然療法を教えて下さい
1. 適度な運動を取り入れる
まず最も重要なのは、適度な運動です。体の中の気や水の巡りが悪いことが症状の根本原因ですので、運動によって停滞しているものを動かすことが効果的です。
無理にジムに通う必要はありません。日常生活の中で以下のような工夫をしてみましょう:
- 自宅の周りを少し散歩する
- エレベーターではなく階段を使う
- 朝起きたら軽いストレッチをする
広い場所で体をのびのびと動かすだけでも、ストレス解消になり、気や水の巡りが改善します。これにより体内に充満している余分なものも少しずつ排出され、体が軽くなってくるでしょう。
2. 食事・水分摂取の見直し
BMIは標準範囲内ですが、中性脂肪やコレステロールが高い、1日の尿回数が10回、喉が渇かないなどから、体が必要とする以上に食べ物や飲み物を摂取している可能性があります。
以下のような点を意識してみましょう:
- 喉が渇いたと感じてから水分を取る
- 空腹感を感じてから食事をする
- 腹八分目を心がける
体に余分なものを入れないようにすることで、先ほどのお風呂の例で言えば、「お風呂の中の余分な水を減らす」ことにつながります。
漢方薬による体質改善
この方のような気の巡りが悪く、水分代謝に問題がある体質に効果が期待できる漢方薬としては以下のようなものがあります:
- 当帰芍薬散:血の不足を補い、水分代謝を調整する働きがあります
- 五苓散:余分な水分を排出し、水分代謝を改善します
- 柴胡加竜骨牡蛎湯:気の巡りを整え、特に上半身の気の巡りを改善します
※これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬の紹介であり、この方に合う漢方薬ではありません。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。ピヨの漢方では漢方相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
朝起きてから動けない、やる気が出ないという症状は、単なる「怠け」ではなく、体の中の「気」の巡りの問題が関わっていることが多いのです。特に東洋医学の視点からは、「気の巡りの悪さ」「余分な水分の充満」「芯部の熱の弱さ」などが原因となっています。
適度な運動を取り入れること、食事・水分摂取を見直すこと、そして必要に応じて漢方薬を活用することで、徐々に体質を改善していくことができます。継続的な取り組みが大切ですので、無理せず少しずつ生活習慣を見直していきましょう。
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