
こんにちは
どうなさいましたか?

疲れにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
少し動いただけで汗が止まらなくなり、そのあと体がだるくて何もしたくなくなる。そんな経験はありませんか。
「汗をかくのは健康にいい」とよく言われますが、汗をかいたあとにぐったりしてしまう場合は、体質によって汗による疲れの原因が違うと考えられています。
この記事では、汗による疲れやすさに関連する体質タイプとして、エネルギー不足タイプ・うるおい不足タイプ・こもり熱タイプの3つを解説します。
エネルギー不足タイプ(気虚)とは?汗が止まらなくなる理由
体を動かすエネルギーである気そのものが不足している状態です。気には汗が漏れ出さないように調節する働きもあるとされていて、エネルギーが少ないところにそのブレーキ役まで弱くなってしまいます。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 動くと汗をかきやすい
- 全身の倦怠感があって横になりたい
- 呼吸が浅くて息切れしやすい
- 食欲が少なく多く食べられない
- 手足がだるくて重い
これは、収入が少ないのに支出ばかりかさむ家計に似ています。もともとエネルギーという収入が少ないところに汗という支出までかさんでしまい、赤字が続いている状態です。朝は気が最も充実している時間帯ですが、このタイプは朝からすでにエネルギーが少ないため、日中の活動でさらに消耗し、昼間くらいにはエンプティになってしまうことがあります。
このタイプの方が体力をつけなきゃと汗をたくさんかきながら無理に運動をすることがあります。ですが汗をかけばかくほど気も一緒に漏れ出してしまうため、かえって疲れを強めてしまうケースもあります。
エネルギー不足タイプの食養ポイント:
- 山芋:消化を助け、エネルギーを養う働きがあるとされていて、すりおろしてご飯にかけたり煮物にするのも良い
- 鶏肉:気を補う食材とされていて、蒸し鶏やスープにすると消化への負担も少なくなる
- 生薬の黄耆:気を補い拡げて表の働きを充実させることで汗の漏れを防ぐ働きがあるとされていて、煮出してお茶として飲んだり、山芋や鶏肉と一緒にスープやお粥、煮込み料理に使われることもある


この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):気を補い、胃腸の働きを高めて全身の倦怠感を整えるとされる漢方薬です。
- 玉屏風散(ぎょくへいふうさん):気を補いながら、汗が漏れ出るのを防ぐ働きがあるとされる漢方薬です。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
うるおい不足タイプ(陰虚)とは?寝汗や喉の渇きが出やすい理由
体を潤し熱を鎮める働きを持つ潤いが不足している状態です。汗をかいて水分がさらに失われると、この冷ます力がますます弱まり、熱の勢いだけが相対的に強くなってしまうことがあります。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 夜間の睡眠中に寝汗をかく
- 唾液が少なく喉が渇きやすい
- 唇が乾燥して割れやすい
- 中途覚醒することがある
- 尿の量が少なく色が濃い
これは、冷却水が減ってオーバーヒートしてしまう車のエンジンに似ています。もともと冷やすための水が少ないところに汗でさらに水分が減ってしまうため、熱だけが空回りしてこもりやすくなります。特に夜、体を休める時間帯にこの傾向が出やすく、寝汗や中途覚醒として現れることがあります。
このタイプの方が喉の渇きを感じて冷たい飲み物を一気にたくさん飲んでしまうことがあります。ですが冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけ、かえってうるおいを作る力を弱めてしまうこともあります。
うるおい不足タイプの食養ポイント:
- 豆腐:体に潤いを与える働きがあるとされていて、冷やしすぎない温度で汁物や冷奴にしていただくのが良い
- 梨:喉や肌を潤し熱を冷ます働きがあるとされていて、そのまま食べても、コンポートにしても取り入れやすい
- 生薬の枸杞子:肝や腎の潤いを補う働きがあるとされていて、お茶に浮かべたり、スープや炊き込みご飯に加えて使われることもある



この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 六味丸(ろくみがん):体の潤いを補い、ほてりや乾燥感を和らげるとされる漢方薬です。
- 知柏地黄丸(ちばくじおうがん):うるおいを補いながら、寝汗や熱感を鎮める働きがあるとされる漢方薬です。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
こもり熱タイプ(湿熱)とは?汗をかいてもすっきりしない理由
余分な水分と熱が結びついた湿熱を体の中に抱えている状態です。この湿熱が気の通り道を塞いでしまうため、汗をかいても熱がうまく外へ逃げてくれず、こもったまま重だるさとして残ることがあります。
このタイプに当てはまる方の特徴:
- 顔や鼻がベタベタする
- 口が苦く感じることが多い
- 尿の色が濃く頻尿
- 体臭や口臭がつよい
- 吹き出物ができて膿やすい
これは排水口が詰まったお風呂のような状態です。お湯は流れているのに出口が狭いので、熱も水分も中にたまってしまいます。体でも湿熱が通り道をふさぐことで、汗をかいても熱が抜けきらず、重だるさや暑苦しさが残ってしまうのです。湿度の高い日本の夏は、この詰まりをさらに強めやすいタイミングと言われています。
このタイプの方が気分がだるいからと脂っこいものやシュワっとした甘い飲み物で気分転換しようとすることがあります。ですが脂っこいものや甘いものは湿熱を助長しやすいとされていて、かえって重だるさが増してしまう可能性があります。
こもり熱タイプの食養ポイント:
- 冬瓜:余分な水分と熱を排出する働きがあるとされていて、スープや煮物にして温かい状態でいただくのが良い
- 緑豆:体の熱を冷まし余分な水を排出する働きがあるとされていて、ご飯と一緒に炊いたりスープにして食べるのもおすすめ
- 生薬の茵蔯蒿:こもった熱と湿気を取り除く働きが生薬の中でも強いとされていて、天ぷらやおひたし、和え物として食べたり、煮出してお茶として飲まれることがある


この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 茵蔯蒿湯(いんちんこうとう):体にこもった湿熱を取り除き、すっきりとした状態に整えるとされる漢方薬です。
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):こもった熱と湿気を排出し、重だるさやベタつきを和らげる働きがあるとされる漢方薬です。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。
汗による疲れの体質タイプを比較してみましょう
| タイプ | 主な特徴 | 症状の出方 | 養生の方向性 |
|---|---|---|---|
| エネルギー不足タイプ(気虚) | 気そのものが不足し、汗を抑えるブレーキ役も弱い | 動くとどっと汗が出て、そのあと倦怠感が強い | 気を補うこと |
| うるおい不足タイプ(陰虚) | 体を冷ます潤いが不足し、熱だけが空回りしやすい | 夜間の寝汗や喉の渇き、中途覚醒として出やすい | 潤すこと |
| こもり熱タイプ(湿熱) | 余分な水分と熱が結びつき、通り道をふさいでいる | 汗をかいても熱が抜けず、重だるさが残る | 巡らせて冷ますこと |
同じ汗による疲れでも、体質によって整え方が全く逆になることがあります。エネルギー不足タイプは補うこと、うるおい不足タイプは潤すこと、こもり熱タイプは巡らせて冷ますことが、それぞれ整え方の方向性になります。
まとめ
同じ症状でも、体質によって原因も整え方も違います。汗による疲れをただ我慢したり、なんとなくの対策で乗り切ろうとするよりも、まずはご自身がどのタイプに近いのかを知ることが、心地よく過ごすための第一歩になります。
複数のタイプに当てはまる場合は、特に当てはまる項目が多かったタイプを優先して整えていくと良いことがあります。また、冷房の効いた部屋で過ごしていても、室内外の温度差で自律神経に負担がかかり、同じような疲れが出ることもあるとされています。
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