【思春期ニキビ】イライラしやすい人のニキビ原因と効果的な改善法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

ニキビにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

思春期のニキビは単なる「肌トラブル」ではなく、体の内側からのサインであることをご存知でしょうか?特に、イライラしやすい方や睡眠に問題を抱える方のニキビには、東洋医学的に見る特徴があります。

今回は、13歳の男性から寄せられた貴重な体験談をもとに、ニキビの原因と改善方法について東洋医学の視点から詳しく解説していきます。特に「逆上せることが多い」という心身の状態がどのようにニキビに結びつくのか、その仕組みを理解することで、効果的な対策が見えてきます。

13歳男性のニキビに関する相談内容とは?

まずはこの方の外見的な特徴とお悩みの症状をご紹介します。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 13歳の男性
  • 身長:155cm
  • 体重:42kg
  • BMI:17.48

主な症状:

  • ニキビに悩んでおり、現在は薬を塗って対処している
  • 舌の色が赤っぽく、舌の苔は水っぽいが少なめでベタつきがある
  • 皮膚の状態は時にベタベタ、時にカサカサする
  • 髪の毛は乾燥気味
  • 声が大きい
  • のぼせることが多い
  • 不眠になりやすい
  • 夜間睡眠中に汗が出る
  • 食欲がなく多く食べられない
  • 喉が渇いて水を飲みたくなる
  • 肩こりがある
  • 鼻血が出やすい

ニキビはどのように発生するのか?皮膚のメカニズムを理解しよう

ニキビの原因を理解するには、まず皮膚の構造と働きを知ることが大切です。

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。特に表皮は5つの層に分かれており、最も深い基底層で作られた細胞が表面に押し上げられ、最終的に角質層となって垢として剥がれ落ちます。この新陳代謝のサイクルを「ターンオーバー」と呼び、通常30〜50日かけて行われます。

皮膚の最外層である角質層には血液が流れていません。これは外部からの侵入物から体を守るためのバリアとしての役割があるからです。このため、角質層の栄養は体の内側からの「不感蒸泄」と呼ばれる目に見えない分泌物によって供給されています。

さらに、皮膚には常在菌が存在し、外部からの刺激や感染から体を守る働きをしています。これらの菌はバランスを保ちながら共存しており、そのバランスが崩れると肌トラブルが発生します。

例えば、ニキビの原因となるアクネ菌は通常、肌を弱酸性に保つ役割を果たしていますが、酸素が少ない環境(毛穴が詰まった状態)で急激に繁殖し、炎症を起こしてニキビを形成します。

東洋医学から見るニキビの発生メカニズム

東洋医学では、皮膚の健康は体の内側の状態と密接に関連していると考えます。特に以下の「気」の働きが重要です:

  1. 脾気(ひき):皮膚の基となる細胞に栄養を供給
  2. 腎気(じんき):細胞分裂を推進
  3. 肝気(かんき):作られた細胞を表層に押し上げる
  4. 肺気(はいき):毛穴や汗腺の調整を行う

東洋医学では、ニキビの原因を体の内側と皮膚との間の巡りの悪さと考えます。

具体的には、以下の3つの要因が重なることでニキビが発生します:

  1. 毛穴の詰まり:過剰なターンオーバー(腎気と肝気の乱れ)
  2. 皮脂の過剰分泌:食事の偏りとストレス(脾気と肝気の乱れ)
  3. アクネ菌の繁殖:上記の結果、毛穴内で無酸素状態になる

特に**腎陰(じんいん)**と呼ばれる潤いや鎮静の働きが不足すると、細胞分裂の制御がうまくいかず、角質が厚く硬くなって毛穴を塞いでしまいます。また、ストレスによって肝気が煽られると、さらにターンオーバーが加速します。

この13歳男性の体質はどうなっているのか?

この方の症状から体質を分析すると:

  1. 水分バランスの乱れ:舌の苔が水っぽくベタついている一方で、喉の渇きや夜間の発汗があることから、体内の水分が正しく循環していない
  2. 熱の偏り:声が大きい、舌が赤い、のぼせるなどの症状から、体の上部に熱が偏っている様子がうかがえる
  3. 上向きの気の流れ:のぼせ、不眠、髪の乾燥、鼻血などから、気が上方に偏っている
  4. 潤いの不足:夜間の発汗は、体を修復する材料となる潤い(腎陰)が不足し、エネルギー(気)が熱となって放出されていることを示している

まとめると、体の鎮静役となる潤いが少なく、肝気や腎気の働きが煽られている状態。これによってターンオーバーが過剰になり毛穴が塞がり、同時に上向きの気の流れが水分バランスを崩して皮脂分泌を過剰にし、アクネ菌の繁殖を促進しているようです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

東洋医学的な観点から、以下の点に注意することでニキビの改善が期待できます:

1. 食生活の見直し

控えるべき食品

  • 脂っこいもの
  • 味の濃い食品
  • 甘いお菓子
  • 炭酸飲料や甘い飲み物

食欲がないからといって、手軽な甘いスナックやジュースで済ませると、体内にニキビの材料を注ぎ込むことになります。

取り入れたい食品

  • セロリ
  • 春菊
  • 百合の根
  • 白瓜
  • シソ
  • 蕎麦

これらの食品はストレスによる肝気の滞りを解消したり、熱を冷まして潤いを補充したりする効果があります。和食中心の食事を良く噛んで食べることを心がけましょう。

2. 睡眠環境の改善

不眠の症状がある場合は、就寝前の習慣を見直しましょう:

  • 寝る前にスマホやパソコンなど強い光刺激を避ける
  • 早めに消灯する
  • 規則正しい睡眠リズムを作る

お勧めの漢方薬

以下は特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬です(ただし、この方に合う漢方薬というわけではありません):

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体の余分な熱を冷まし、のぼせやイライラを鎮める効果があります
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):肝気の巡りを良くして、ストレスによる肌荒れに効果があります
  • 六味地黄丸(ろくみじおうがん):腎陰を補い、体の潤いを増やす効果があります

症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。当店では漢方相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:バランスの取れた体内環境がニキビ改善の鍵

ニキビ治療では、外側からのケアだけでなく、体の内側からのアプローチが重要です。特に思春期のニキビは、成長に伴うホルモンバランスの変化も大きく影響しますが、食生活やストレス、睡眠の質を整えることで、体内環境を改善できます。

東洋医学の観点では、肝気の滞りを解消し、潤い(腎陰)を補うことが、ニキビ改善の鍵となります。これによって皮膚のターンオーバーが正常化し、皮脂分泌のバランスも整います。

今回ご紹介した自然療法を日常生活に取り入れ、継続的に実践してみてください。効果は個人差がありますが、体の内側からのケアを続けることで、肌環境は必ず変わってきます。

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ピヨ先生
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