
こんにちは
どうなさいましたか?

湿疹にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
手の熱さや湿疹でお悩みの方は多いのではないでしょうか。特に掌蹠膿疱症や主婦湿疹といった症状に悩まされている方にとって、その原因がわからず困っていることも少なくありません。
これらの症状は見た目の問題だけでなく、日常生活にも大きな影響を与えることがあります。東洋医学の観点から見ると、こうした手の症状には「気血」のバランスが深く関わっていることがわかります。
今回は、手の熱さや湿疹の原因を東洋医学の視点から解説し、自然な方法で改善するためのヒントをご紹介します。
どうして手が暑くて手に湿疹ができるの?
手が熱く感じたり、湿疹ができたりする症状には、気血のバランスの乱れが大きく関係しています。東洋医学では、体内のエネルギーである「気」と血液の流れである「血」のバランスが崩れると、様々な不調が現れると考えます。
特に手の場合、体の末端にあるため、気血の巡りが滞りやすい部位です。気の巡りが悪くなると、熱がこもったり水分バランスが崩れたりして、湿疹などの皮膚トラブルが発生しやすくなります。
このように手の症状は、表面的な問題というよりも、体全体のバランスの乱れが手という末端部分に現れたサインとも言えるのです。
掌蹠膿疱症って?
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏などに無菌性の水や膿がたまった水ぶくれが繰り返し現れる症状です。初期段階では小さな水疱として始まり、次第に紅みを生じてカサブタ状になり、最終的にはボロボロと剥がれ落ちていきます。
東洋医学では、手のひらや足の裏の特徴をこう捉えています:
- 皮膚の中でも握ると裏に隠れる部位
- 四つ足の動物では地面に接する部位
- 「表ではあるものの裏に位置する」特殊な場所
このような部位の症状は、体の芯部の働きの乱れ、特に「巡らせる力の不足」が大きく関わっていると考えられます。
また、手のひらや足の裏は末端部にあるため、気の折り返し地点となります。そのため、気の巡りを調整する肝気がこもりやすく、水の回収が乱れて水泡になることもあります。
掌蹠膿疱症の本質的な原因
- 巡らせる力の不足による気のこもり
- 水の停滞による水泡の形成
- 欝熱(うつねつ)のような形で熱を生じやすい体質
主婦湿疹って?
主婦湿疹は手にできる湿疹のことで、水仕事の多い主婦に多く見られることから「主婦湿疹」と呼ばれています。水や洗剤など、皮膚に対する外部刺激が引き金となって湿疹を生じます。
東洋医学的には、これも局所において気血が停滞し、過剰になっている状態と考えられます。つまり、気の巡りが悪く滞りやすい方に起こりやすい症状なのです。
掌蹠膿疱症と主婦湿疹は、見た目や直接の原因は異なりますが、東洋医学的に見れば、どちらも気の巡りの滞りという共通の背景があると言えるでしょう。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
手の熱さや湿疹の改善には、体質改善のアプローチが効果的です。症状に合わせて以下のような対策が考えられます:
生活習慣の改善ポイント
- 食事の見直し:辛いもの、脂っこいもの、甘いもの、冷たいものを避ける
- よく噛んで食べる:腹八分目を心がける
- 適度な運動:気血の巡りを促進する
- 早めの就寝と十分な睡眠:体の回復力を高める
こうした基本的な生活習慣の見直しが、手の症状改善の土台となります。特に、食事内容と睡眠は体質改善に大きく影響しますので、意識してみましょう。
おすすめの漢方薬
以下は特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬の例です(この方の症状に特化したものではありません):
- 四物湯(しもつとう): 血の巡りを改善し、血虚(けっきょ:血の不足状態)を改善する漢方薬。皮膚の栄養状態を整えます。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう): 気の巡りを整え、イライラを抑え、熱を冷ます効果があります。
- 温清飲(うんせいいん): 血熱(けつねつ:血の中の熱)を冷まし、皮膚の炎症を抑える働きがあります。
※症状が複雑な場合には、単一の漢方薬では効果が出にくいことがあります。当店では個々の症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
手が熱く感じたり湿疹ができたりする症状には、東洋医学的には気血の巡りの乱れが関係しています。掌蹠膿疱症も主婦湿疹も、表面上は異なる症状ですが、気の巡りの滞りという共通の背景があります。
改善には、体質に合った漢方薬の服用と、日々の生活習慣の見直しが効果的です。特に食生活の改善と適切な睡眠は、症状改善の基本となります。
皮膚の症状は体からのSOSサインと捉え、根本的な体質改善を目指してみてはいかがでしょうか。一時的な対症療法ではなく、長期的な視点で体のバランスを整えていくことが大切です。
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