頭痛やめまいは日常生活の質を大きく下げてしまう症状です。特に「疲れると悪化する」というパターンに心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
このようなパターンの症状には、単なる疲労だけでなく、体質的な要因が隠れていることがあります。東洋医学の視点から体全体のバランスを見ることで、根本的な改善策が見えてくることもあるのです。
今回は、55歳女性の方の症例をもとに、疲れると悪化する頭痛・めまいの原因と、自然療法による改善方法について詳しく解説していきます。
この方の体質はどうなっている?
この方の基本情報を見てみましょう:
体重から見ると標準範囲に収まっていますが、いくつかの症状から身体のバランスが崩れていることがわかります。
まず、肌や髪の乾燥、舌に溝や割れ目があることから、身体の上部が乾燥している可能性があります。不安感や舌の色が白っぽい、口唇が乾きやすいという症状からは、体内の血や潤い(体を潤す要素)が不足していることが考えられます。
これらの症状は、身体の上部に必要な栄養が届きにくくなっている状態を示しています。
胃腸機能の低下が全身に影響?
食後にお腹が張る、胃がもたれる、柔らかい便が何度も出るなどの症状は、胃腸の働きが弱っていることを意味します。この状態では、食べ物から十分な栄養を吸収できていません。
栄養吸収が十分でないと、体全体を支えるための栄養がうまく作られず、上半身への供給も滞ってしまいます。栄養不足は様々な症状の根本原因となることがあるのです。
水分バランスの乱れと気の流れの停滞
頭が重い、足にむくみがある、頻繁に小便が出るという症状は、水分の巡りが悪く、下半身に水分がたまりやすい状態を示しています。手足の冷えや腰痛、夜間尿の量が少ないことからは、体内の熱源が不足していて、水の巡り(体内の水分循環)が弱い可能性が高いです。
さらに、肩こりや夜間に汗をかく、体の痛みがあるという症状は、気の巡り(エネルギーの流れ)が滞り、気が上へと偏って流れることで、身体のバランスが崩れやすくなっていることを示しています。
なぜ疲れると頭痛・めまいが悪化するのか?
これらの体質の偏りがあるために、日中の活動が続くと、気や血が不足しがちになります。その結果、水分の巡りがうまくいかず、体内の気や熱だけが上昇してしまいます。
これが、熱が上半身にこもり、頭痛やめまいを引き起こす原因となるのです。つまり、疲労によって体のバランスがさらに崩れ、症状が悪化するというメカニズムが考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
このような症状を改善するためには、体内の気や血の流れを整え、潤いを補い、消化を助けることが大切です。特に以下のポイントに注目して生活習慣を見直していきましょう:
- 生活習慣の見直し
- 食事の改善
- ストレス管理
食べるとお腹が張ったり、胃がもたれたり、何度も軟らかい便が出るといった症状は、お腹の働きが低下している証拠です。また、舌の色が白っぽい状態からは、食べたものから体に必要な栄養を十分に吸収できていないことがわかります。
消化機能を高める具体的な方法
- 空腹感を感じてから食事を摂る
- しっかり噛んで食べる(一口30回以上が理想的)
- 腹八分目を意識する
- 食事の時間を規則的にする
- 温かい食べ物を中心にする
よく噛んで食べることは特に重要です。これにより、胃や腸が食べ物を処理しやすくなり、消化不良や胃の負担を軽減できます。また、噛むことで唾液が分泌され、消化酵素が活性化し、胃腸の働きもスムーズになります。
「あまり噛んで食べていないかも」と感じたことがあれば、ぜひ意識的に取り組んでみてくださいね。少し意識するだけで、消化の改善が期待できます。
YouTubeでも解説しています。
まとめ:体のバランスを整えて頭痛・めまいを改善しよう
頭痛やめまいが疲れると悪化する原因は、体質的な偏りにあることがわかりました。特に胃腸機能の低下による栄養吸収の問題と、気・血・水のバランスの乱れが大きく影響しています。
自然療法のアプローチとしては、まず消化機能を高める食習慣の改善から始めることをおすすめします。よく噛んで食べる、規則正しい食事時間を心がける、温かい食べ物を選ぶなど、日常生活の中で少しずつ取り入れられる方法から始めてみましょう。
体のバランスを整えることで、疲れても頭痛やめまいが起こりにくい体質へと改善していくことが期待できます。

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