
こんにちは
どうなさいましたか?

子宮筋腫にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
女性のカラダは年齢とともに様々な変化を経験します。特に40代になると、ホルモンバランスの変化や長年の生活習慣の積み重ねから、子宮筋腫や生理痛、冷えなどの症状に悩まされる方が増えてきます。
西洋医学では対症療法が中心になりがちですが、東洋医学では体質を見極め、根本から改善するアプローチが特徴です。今回は子宮筋腫と冷えに悩む40代女性の事例を通して、漢方的な視点からの体質分析と自然療法による改善法をQ&A形式でご紹介します。
お悩みを抱える方の参考になれば幸いです。それでは、実際の相談事例を見ていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:46歳女性
- 身長:157cm
- 体重:54kg
- BMI:21.91
主な症状:
- 子宮筋腫15cm、生理痛、貧血
- 喉の乾き、声のかすれ、日中の眠気
- 生理後のイライラ
- 黄色いおりものが多い
- 舌に歯形がつく
- 下半身の冷え
- 皮膚や髪の毛の乾燥
- 舌の色は白っぽく歯の痕あり
- 舌苔は白くて奥の方にかけて厚く水っぽい
- 舌の裏の静脈は太く膨らんでいる
この方の体質の特徴は?
この方の場合、体の下部を中心に血液の巡りが悪い状態が見られます。下半身の冷えや舌に歯形が付くなどの症状から、冷えが背景にあり、気血の巡りの勢いが弱っていることがわかります。
子宮筋腫や生理痛は、血液の滞り(血瘀:けつお)という状態に加えて、出血を留めておく腎気や脾気の働きが弱っている可能性があります。
舌の苔が奥にかけて厚いこと、ふくらはぎやもものむくみ、おりものが多いことなどから、体の下部に余分な水分が充満している(水滞:すいたい)様子がうかがえます。
喉の周辺にはこもった熱があり、それが水分摂取を要求するため飲水をしますが、その水分が体の下部に停滞し、水や血の巡りをさらに圧迫している状態です。
興味深いのは、体の上部と下部でのアンバランスです。体の上部では乾燥症状(皮膚の乾燥、髪の乾燥など)が目立ちますが、これは巡りの勢いがなく下部に水が停滞しているため、上部に水分が届かず乾燥している状態なのです。
また、イライラや体のあちこちの痛みは気の滞りの症状であり、勢いのないこもった熱が上部へ向かうために「のぼせ」を感じることもあるでしょう。
このような体質では、体温は高くなくても熱っぽく感じたり、疲労時や夜間に手のひらや足の裏が熱くなったりします。また、体の下部では血瘀(けつお)の状態になるため生理痛が起こり、こもった熱と動きの悪い水分が結びついて**湿熱(しつねつ)**となり、黄色いおりものが多くなるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の場合、「お風呂に入ると痛みが消える」とのことですので、足浴などが特におすすめです。時間のある時には、気持ちよく感じる温度のお湯で足をじっくり温めてあげると、体は喜ぶでしょう。
食事面では、冷たい食べ物や体を冷やす性質のあるものは控えめにするのが良いでしょう。もちろん全く摂らないというわけではありませんが、バランス的に体を温める食べ物をちょい足しした方が体調改善に役立ちます。
冷たいものを摂り過ぎているかもしれないと心当たりがある場合は、少し意識して調整してみてください。温かい食事や飲み物を意識的に増やすだけでも、体質改善につながることがあります。
この体質に効果が期待できる漢方薬
この方の体質のような方に対して、一般的に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これはあくまで特定の体質改善に効果が期待できる代表的な漢方薬であり、個人の症状や体質に合わせたものではありません。
- 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう):血の巡りを良くし、出血を止める働きがあり、子宮筋腫や過多月経に用いられます
- 折衝飲(せっしょういん):血流の改善を促し、下腹部の痛みをはじめとした不快感を和らげます
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血虚と水滞の両方に働きかけ、冷えや生理痛、むくみに効果があります
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が得られないこともあります。当店では漢方相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
この事例から分かるように、東洋医学では表面的な症状だけでなく、体全体のバランスや気・血・水の流れに注目して体質を診ていきます。この方の場合、下半身の冷えと水滞、上半身の乾燥、そして気血の巡りの停滞が複合的に絡み合って様々な症状を引き起こしていることがわかりました。
自然療法として足浴などで体を温めることや、冷たい食べ物を控えめにすることで、体質改善の第一歩を踏み出せるでしょう。
漢方薬による治療も効果的ですが、自分の体質を知り、日常生活での小さな改善を積み重ねることも大切です。あなたも自分の体質を知って、根本から健康を見直してみませんか?
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