
こんにちは
どうなさいましたか?

手指のこわばりにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
朝起きると指が動かしにくい、物を握りづらい…そんな手指のこわばりでお悩みではありませんか?
この症状、単なる年齢のせいと諦めていませんか?実は東洋医学的に見ると、体内の水分バランスや血の巡りに原因があることが多いのです。
今回は、手指のこわばりに悩む59歳女性の体験談をもとに、東洋医学の視点から原因と対策を探っていきましょう。抗がん剤治療後に手指のこわばりが始まった方の事例は、多くの方の参考になるはずです。
外見的な特徴とお悩みの症状
今回ご相談いただいた方の特徴をまとめると:
- 59歳の女性
- 身長:158cm
- 体重:51kg
- BMI:20.43
主な症状:
- 手指のこわばり
- 指の関節の腫れと拡大
- むくみが継続
- 高血圧(時々薬を服用)
この方は2010年に子宮筋腫を患い、2017年に白血病を発症。抗がん剤治療を受けた後、2018〜2019年に再発し一度は余命宣告を受けるものの奇跡的に回復されました。その後、椎間板ヘルニアの手術を受け、抗がん剤の影響で脊髄にカビが付着した状態に。
そしてその頃から手指のこわばりが始まり、2020年頃からリウマチと思われる症状が出現し、現在は指の関節が腫れ、むくみも継続しているとのことです。
関節の健康を維持する仕組みとは?
まずは関節の構造と働きについて理解しましょう。
私たちが体を自由に動かせるのは、関節が適切に機能しているからです。関節は骨と骨の接合部ですが、単に接合しているだけではありません。
骨は硬いため、直接ぶつかり合うと徐々に損傷してしまいます。そこで、骨と骨の間には軟骨が存在し、クッションとなって衝撃から骨を守っています。
しかし、軟骨には神経や血管がないため、一度破壊されると再生が難しいのが特徴です。また、関節を外部から保護するために関節包が包み込んでおり、その内側には滑膜と呼ばれる膜があります。この滑膜から、関節の動きを滑らかにする関節液が分泌されています。
滑膜には神経や血管が豊富にあり、ここから分泌される栄養によって関節内の組織が維持されています。つまり、関節の健康維持には関節液の流れが重要なのです。関節液の流れが滞ると、軟骨の栄養が不足し、関節の摩擦が増大するなど様々な問題が発生します。
東洋医学から見た関節の問題
東洋医学には「不通則痛・通則不痛」という考え方があります。これは、痛みが起きる原因を気や血液などの流れが滞っているからだとし、逆に流れが良ければ痛みは生じないという考え方です。
関節周囲に余分な水分が溜まると、気血の流れが阻害され痛みとなって現れます。この場合、水分の性質により重だるい痛みを感じることになります。
また、気血の滞りによって滑膜が熱く硬くなったり、関節周囲の腱や筋肉が硬くなると、関節が拘縮して動かしづらくなります。これがこわばりの正体です。
さらに、水分の流れが滞ると「痰飲」と呼ばれる粘り気のある状態が生じ、関節が動かしにくくなります。そして栄養供給が不足すると、最終的には骨にも影響が及びます。
この方の体質の特徴は?
この方の症状と体質を分析してみましょう。
こわばりという特徴から、体内の水分停滞と血の異常が関わっていると考えられます。舌の状態(厚ぼったく歯の痕があり、苔は白くて厚い)や手首・足首のむくみから、水分が停滞していることがわかります。
BMIは正常で、皮膚や髪は乾燥しているため、水分の過剰というよりも水分の流れが停滞していると考えられます。
体内の水分を巡らせるには、体の芯部の熱源によって軽くなった水分が、肝気の働きによって導かれていく必要があります。この方の場合、手足の冷えや舌の色が白いといった症状はあるものの、全体的な寒がりはないため、腎気不足による熱源不足は軽度と考えられます。
一方で、皮膚の乾燥、髪の乾燥、不眠傾向、眼の乾燥などから、潤いや血の不足が感じられます。さらに、シミやそばかす、皮膚の黒ずみなどから、血の巡りの悪さも存在していると思われます。
この体質の形成要因は?
この方の病歴として、子宮筋腫、白血病の治療のための抗がん剤、椎間板ヘルニアの手術などがあります。東洋医学では、これらの外科的・内科的な介入が腎気に大きな負担をかけると考えます。
腎気の働きが乱されることにより、水を巡らせる機能にも影響が出て、水分の停滞や血の巡りの悪化につながったと考えられます。
まとめると:
- 背景として、腎気の乱れによる熱源への影響で水の巡りが悪化
- 局所的な水分の停滞が存在
- 血の不足と血の運行力低下により、関節の健康維持に必要な栄養供給が不足
- 結果として関節にこわばりが生じている
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
体質改善のために、以下の自然療法がおすすめです。
1. 適度な運動で熱源を高める
体の熱源を高めて水の巡りを改善するために、適度な運動が効果的です。無理のない範囲で階段や坂道を散歩するなど、重力に対抗する動きは腎気を鍛えるのに有効です。
もし環境的に難しければ、相撲の四股を踏むような動きも腎気強化に役立ちます。そして、適度に体を疲れさせ、夜は早めに床につくことで体のリズムを整えましょう。眠れなくても、体を休める意識で横になることが大切です。
2. 食事と水分摂取の工夫
16時間断食を実践されているとのことで食事管理はされていると思いますが、脂っこいもの、甘いもの、味の濃い物は体内の水の巡りを悪化させるため控えめにすることをお勧めします。
また、喉の渇きを感じない程度に水分摂取をされているようですが、熱中症の危険がある季節以外は、喉の渇きを感じてから水分を摂るようにしてみてください。コーヒーやお茶なども含め、過剰な水分摂取は避けましょう。
黒豆、よもぎ、ハトムギなどは、関節の機能をサポートしつつ余分な水分を排出する効果があります。喉の渇きを感じた際の水分補給に、これらのお茶を活用するとよいでしょう。
3. 温熱療法の活用
アメリカ在住とのことでコンニャクが手に入りにくい可能性がありますが、棒灸などを使って肝臓、腎臓、下腹部を温めた後、痛みのある部位を温めることで気血の巡りが改善します。
もし、お灸が入手できない場合は、生姜湯のシップも効果的です。方法は次の通りです:
- 厚手のタオルかバスタオルを2枚、ひね生姜と布袋を準備
- 使う直前にひね生姜を皮ごとすりおろし、布袋に入れる
- 大きめの鍋で70℃くらいのお湯を沸かす
- お湯に生姜の布袋を浸して成分を出す
- 生姜のお湯にタオルを浸し、固く絞る
- やけどに注意しながら、肝臓や腎臓、下腹部を温める
- タオルが冷めたら交換し、20〜30分程度温め続ける
- 最後に水で濡らしたタオルでお腹をさっと拭く
※お湯は沸騰させないように注意し、空腹時に行うことがポイントです。違和感を感じる場合は中止してください。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この体質の方には、以下のような漢方薬が効果的と考えられます。ただし、これらはあくまで一般的な「水滞・血虚」体質の改善に期待できる漢方薬であり、個人の症状によって効果は異なります。
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう): 水の代謝を促進し、関節周囲のむくみを改善する効果が期待できます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 血の巡りを改善し、栄養を関節に届ける働きを助けます。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん): 血の巡りを促進し、体内の余分な水分を排出する効果があります。
なお、症状が複雑な場合には、単一の漢方薬では効果が出にくいこともあります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:手指のこわばりを改善するために
手指のこわばりの改善には、体内の水分の流れを整え、血の巡りを良くすることが重要です。
主に以下のポイントを意識して生活習慣を見直してみましょう:
- 適度な運動で腎気を高め、体の熱源を活性化する
- 食事と水分摂取を適切に管理し、体内環境を整える
- 温熱療法で気血の巡りを促進する
- 必要に応じて漢方薬を活用する
手指のこわばりは、一朝一夕で改善するものではありませんが、継続的なケアで少しずつ良くなっていきます。体質改善に取り組みながら、無理のない範囲で実践してみてください。
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