シミ・そばかす・ほくろが気になる方へ:東洋医学からの解決法

疲れやすい
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

過敏性腸症候群にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

年齢を重ねるにつれて、気になり始めるのが「シミ」や「そばかす」ではないでしょうか。特に女性にとって、顔に現れる色素沈着は大きな悩みの種となります。

今回は、33歳女性の方から寄せられた体験談をもとに、東洋医学の観点からシミやそばかすが生じる原因と、その改善方法についてご紹介します。この記事を読むことで、単なる美容上の問題だけでなく、あなたの体全体の健康状態との関連性についても理解が深まるでしょう。

この方の外見的な特徴とお悩みの症状は?

まずはこの方の特徴とお悩みについて見ていきましょう。

  • 年齢:33歳 女性
  • 身長:158cm
  • 体重:38kg
  • BMI:15.22

主な症状:

  • 皮膚や髪の毛が乾燥している
  • 顔色は白っぽいものの、黄色みもある
  • 舌は白っぽく薄い形状で、舌苔は水っぽく白い
  • 皮膚が薄く、シミ・そばかす・ほくろが顔、首、胸、手など全身に増加
  • 生理前後は意欲も体力もなく動けなくなる
  • 体重が増えにくく疲れやすい
  • 唇が1年を通して乾燥・荒れる(特に乾燥する時期にひどくなる)
  • 疲れて食べられなくなると、さらに全体が悪化する

シミやそばかすはなぜできるの?西洋医学的な視点

まずは、シミやそばかすができる仕組みについて簡単に説明しましょう。

シミは皮膚の最も深い部分にある「基底層」のメラニン細胞が関わっています。皮膚が日焼けなどで刺激を受けると、紫外線による炎症から細胞を守るためにメラニンが放出されます。

通常、メラニンはメラノサイトという細胞によって作られ、紫外線を浴びることで活性化します。しかし、皮膚への刺激が強すぎて炎症が長引くと、表皮が壊れ、メラニンが過剰に放出されてしまいます。

この過剰なメラニン色素が真皮まで落ち込むと、シミとして残ってしまうのです。軽い日焼けであれば、お肌のターンオーバーで新しい皮膚に置き換わる際に垢となって消えますが、真皮にまで達したメラニンは貪食細胞による処理を待つしかなく、時には年単位の時間がかかることもあります。

東洋医学ではシミやそばかすをどう考える?

東洋医学では、メラニン細胞や貪食細胞は「腎気(じんき)」と深い関わりがあると考えます。

腎気とは体の土台を支える働きを担っており、生命の危機に際して活発に働きます。腎気は成長や発育にも関連しており、幼児期には勢いが強く、壮年期にピークを迎え、老年期には次第に弱まっていきます。

これは髪の毛の状態にも表れています。幼児期のふわふわした髪から、青年期・壮年期の黒々としたツヤのある髪、そして老年期の弾力を失いパサついた白髪混じりの髪へと変化していくのは、腎気の変化が反映されているのです。

腎気は生命の危機に対して大きな役割を果たします。例えば、日焼けの際の紫外線はDNAに直接ダメージを与えるため、体は命の危機と判断。腎気の機能が活性化し、侵入した異物を固めることでダメージを無害化しようとします。この過程で色素沈着が起こり、シミとして残るのです。

また、腎気を正常に機能させるためには、気血の正常な巡りが不可欠です。血流が悪くなると、皮膚に栄養が届かず、不要物も回収されなくなります。その結果、皮膚のターンオーバーにも不具合が生じ、古い角質が残って皮膚の状態が悪化します。

ちなみに、そばかすとシミは少し異なります。そばかすは遺伝的要因が強く、思春期頃から40代前後まで発症しやすいのに対し、シミは加齢によって50代頃に最も発症しやすいとされています。また、そばかすは鼻から両頬にかけて小さく左右対称に散らばりますが、シミは耳の前やこめかみなどに大きく目立って現れます。

いずれにせよ、遺伝的な要因も加齢による変化も、東洋医学では腎気に関わると考えられています。

この方の体質はどのようなものでしょうか?

ご相談者の方の症状から、体質を探っていきましょう。

BMIの低さや顔色、舌の様子から判断すると、気も血も不足している状態と考えられます。特に血の様子を見ると、皮膚と髪の乾燥、黄色っぽい顔色、唇の乾燥などから、**血の不足(血虚)**が見られます。

また、全身の倦怠感や無力感、手足の冷え、食欲不振などから、お腹の働きを調整する「脾気(ひき)」の弱さも感じられます。

顔色が黄色く強いという点は、身体の冷えに血虚が加わると目立つ症状です。これは重い血を持ち上げられず、血の赤い成分だけが抜けてしまうために起こります。

舌の色が白いことから冷えの存在も推測され、血の不足に加えて血を持ち上げる働きの低下もあるようです。そのため、不眠や多夢といった症状が現れています。また、血が持ち上がらず潤いが足りないことで、唇の乾燥や喉の渇きにつながっていると考えられます。

さらに、腰痛や耳鳴りがあることから、体の熱の根源である「腎陽(じんよう)」の不足によって水分を巡らせる働きも弱くなり、水分が下に集まって浮腫みとなっていると推測されます。

これらをまとめると、血の不足によって皮膚に栄養が届かず、腎陽の低下による冷えで血液や水分の巡りが悪くなっている状態です。血流が妨げられることで皮膚の基底層に栄養が届かず、腎気の働きの調整もできなくなり、結果としてシミやそばかすが増えていると考えられます。

月経前後に体力がなくなる症状については、この時期に体中の気血が子宮に向かって注ぎ込まれますが、気血や腎気の不足があると、体は急いで血を作ろうとして気の配分が体の下部に集中するため、だるさや眠気として現れるのです。

このケースから見える体質的な特徴

全体として、この方の体質的な特徴をまとめると:

  • 気や血の不足がある
  • 腎陽も不足している
  • その結果、血の巡りが悪化している
  • 血の不足と血が持ち上がらないことで、唇の乾燥や顔色の変化、睡眠障害などが起きている
  • 血の不足で皮膚の材料が足りず、気の不足で皮膚の生成も弱まるため、皮膚は乾燥し、ターンオーバーも弱まってシミやそばかすになりやすい状態になっている

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

このような体質の方には、以下の自然療法がおすすめです:

  1. 無理のない範囲での運動:体の熱を作るために、散歩などの軽い運動から始めましょう。特に階段や坂道など重力がよりかかる場所での運動は腎気の鍛錬になります。
  2. 早めの就寝と十分な睡眠:たとえ脳がすぐに眠れなくても、体を休める時間を確保することが大切です。夜更かしが続くと、特に月経後の血液補充が十分に行われず、血の不足が進んでしまいます。
  3. バランスのとれた食事:血を補う食品は有効ですが、食べ過ぎるとお腹に負担がかかります。よく噛んで腹八分目を心がけましょう。運動によってお腹の働きが高まれば、栄養の吸収力も向上します。
  4. 相撲の四股や気功法:運動が難しい場合は、体を動かす気功法や四股を取るなどの方法も効果的です。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

このような「気血両虚(きけつりょうきょ)」と「腎陽虚(じんようきょ)」の体質改善には、以下の漢方薬が効果的と考えられます:

  • 四物湯(しもつとう):血虚を改善する基本的な漢方薬で、血を補い巡りを良くします。血の不足による乾燥肌、シミなどに効果が期待できます。
  • 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう):気と血の両方を補う漢方薬で、疲れやすい体質や抵抗力の弱さ、冷えなどに効果があります。
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):腎陽虚を改善する代表的な漢方薬で、腎の働きを高め、冷えや水分代謝の改善に役立ちます。

なお、これらはあくまで一般的な「気血両虚」「腎陽虚」の体質改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果が見られないこともあります。漢方薬の選択については、ピヨの漢方での漢方相談をおすすめします。

まとめ:シミ・そばかす改善の鍵は内側からのケア

シミやそばかすは単なる美容上の問題ではなく、体内の気血のバランスや腎気の状態を反映しています。特に今回のケースでは、気血の不足と腎陽の低下が根本的な原因と考えられます。

外側からのケアも大切ですが、血の巡りを改善し、腎気を高める内側からのアプローチが長期的な改善につながります。無理のない範囲での運動、十分な睡眠、バランスのとれた食事を心がけ、必要に応じて漢方薬を取り入れることで、シミやそばかすの改善だけでなく、全身の健康状態も向上するでしょう。

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ピヨ先生
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