【月経前不快気分障害】生理前に気持ちが塞ぎお腹の不調になる方の体質の特徴と自然療法

生理の不調
ピヨ先生
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にゃんたろう
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月経前不快気分障害にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

思春期に入った女性の多くが生理前のつらい症状に悩まされることがあります。特に「生理前になると感情が不安定になる」「体調が優れない」といった症状は、単なる生理前症候群(PMS)ではなく、より重度の「月経前不快気分障害(PMDD)」かもしれません。

PMDDは生理前に現れ、生理が始まるとスッキリ消える特徴を持つ症状群です。ホルモンバランスの変化だけでなく、東洋医学では体内の「気」や「水」の巡りの問題として捉えています。

今回は、13歳の女性から寄せられた相談をもとに、PMDDの症状と東洋医学的視点での対策について解説します。特に10代からできる自然な改善法に焦点を当てていきますので、同じような悩みを持つ方はぜひ参考にしてみてください。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 13歳・女性
  • 身長:170cm
  • 体重:74kg
  • BMI:25.61

外見的特徴

  • 髪の毛は乾燥気味
  • 顔色が白っぽい
  • 舌の色も白っぽい
  • 舌の苔はべたっとしている

主な症状:

  • 生理前になるとPMDD(月経前不快気分障害)の症状が出現
  • 突然悲しくなる
  • 過眠・不眠
  • 死にたい気持ちになる
  • 不安感
  • お腹が張る
  • 吐き気
  • 生理が始まると症状がすべて消失

どうして生理前になると様々な症状が出るのでしょうか?

生理前は、体中の気血(エネルギーと血液)が子宮へと集中して流れる時期です。普段より濃厚な気血が狭い部位へと向かって降りてくることになるため、もともと「気の滞り」がある方の場合、症状が悪化しやすくなります。

この方の場合、いくつかの東洋医学的な特徴が見られます。

「月経前に胸が張る」「腹が張って苦しい」「ゲップやガスが出ると楽になる」などの症状から、気の巡りがあまり順調ではなく、滞りがちであることがうかがえます。

また、「尿の量は普通」「起きた時にまぶたに浮腫みがある」という点から、水の巡りもスムーズではない様子です。さらに「寒がり」「顔色や舌の色が白っぽい」ことから、水を巡らせる原動力の弱さも感じられます。

舌の苔がべたっとしていて、頭が重く感じられ、雨の日は体調が悪くなるのに、髪の毛は乾燥し、のぼせることが多いという状態は、動きの悪い水分が下の方に停滞して上に届けられていない状態を示しています。

生理前の精神症状はなぜ起こるの?

生理前になると濃厚な気血が下へ集中してくるため、もともとある気の滞りが一層顕著になります。この状態で脳の働きを調整する「心気」に、十分な血や潤いが届かなくなると、さまざまな症状が現れるのです。

具体的には:

  • 気の乱れ→睡眠障害や精神状態の乱れ(突然の悲しみ、死にたい気持ち、不安)
  • 気の滞り→お腹の働きの障害(腹部膨満感、吐き気)

これらの症状が生理が始まると消えるのは、気血の流れが変化し、一時的な滞りが解消されるためです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状には、水の巡りと気の滞りを改善する方法が効果的です。

適度な運動がとても重要です。体が軽く汗ばむくらいの適度な運動を行うことで、体内の気血の巡りが改善されます。運動不足かもしれないと心当たりがある方は、ぜひ日常的な運動習慣を取り入れてみましょう。

例えば:

  • ウォーキング(20〜30分/日)
  • ストレッチ(朝晩10分ずつ)
  • 軽いジョギング
  • ヨガ(特に気の流れを意識するポーズ)

これらの運動は無理なく続けられるものを選ぶことが大切です。

また、食生活の改善も有効です:

  • 温かい食べ物や飲み物を意識的に摂る
  • 消化に良い食事を心がける
  • 冷たい飲食物を控える
  • 十分な水分摂取で代謝を促進する

PMDDに効果が期待できる漢方薬

気滞と水滞の改善に効果が期待できる漢方薬としては以下があります:

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスによる気の滞りを改善し、イライラや不安感を和らげる効果が期待できます
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の巡りを良くし、水の停滞を改善する働きがあります
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):気血両虚と水滞に効果があり、全身の巡りを改善します

ただし、これらはあくまで一般的に気滞や水滞の体質改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の症状に合った漢方薬ではないことをご理解ください。症状が複雑な場合には、単独では効果が現れない場合もあります。

13歳と若い年齢の方の場合、市販の漢方薬を自己判断で服用するのではなく、まずは専門医や漢方の専門家に相談されることをおすすめします。特に成長期のお子さんは、体質や症状に合った適切なアドバイスを受けることが大切です。

まとめ:PMDDと上手に付き合うために

PMDDの症状は東洋医学的には「気の滞り」と「水の巡りの悪さ」から生じていることが多いです。若いうちから適切な対策を取ることで、症状を緩和し、快適な毎日を過ごすことができます。

自然療法としては:

  1. 適度な運動で気血の巡りを改善する
  2. バランスの良い食事と十分な休息を心がける
  3. ストレス管理を意識する
  4. 必要に応じて専門家に相談する

症状が重い場合は無理せず医療機関を受診しましょう。漢方や自然療法は西洋医学と併用することで、より効果的な場合もあります。

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ピヨ先生
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