暑い夏が近づくと店頭に並ぶようになる苦瓜(にがうり)、沖縄ではゴーヤーとして親しまれているこの緑の野菜をご存知ですか?あの特徴的な苦味が苦手という方も多いかもしれませんが、実はこの苦味こそが健康への鍵なのです。
東洋医学では古くから薬膳として重宝されてきた苦瓜は、現代の研究でもその効能が次々と明らかになっています。夏バテ防止から美肌効果まで、日常の食卓に取り入れたい理由がたくさんあるんですよ。
この記事では、薬膳の視点から見た苦瓜の基本情報や効能、注意点までを分かりやすくQ&A形式でご紹介します。苦瓜を知って、おいしく食べて、健康な夏を過ごしましょう!
苦瓜(ゴーヤ)とは?その基本情報を教えてください
苦瓜(にがうり)は、ウリ科ツルレイシ属の一年生つる性植物で、沖縄では「ゴーヤー」として親しまれています。その表面にはイボイボがあり、独特の苦味が特徴です。
性味と帰経
- 性味: 寒、苦
- 帰経: 心、脾、胃
東洋医学では「寒」性の食材として分類され、体内の熱を冷まし、解毒作用をもたらすとされています。また心と脾、胃に作用し、体のバランスを整えます。
苦瓜に含まれる栄養素は非常に豊富です。特筆すべきは、ビタミンCが加熱してもほとんど壊れないという特徴があること。また、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類も豊富に含まれています。
さらに苦味成分であるモモルデシンには、解熱作用や血糖値を下げる効果があると言われているんですよ。
苦瓜にはどんな薬効・効能があるの?
苦瓜は東洋医学の観点からも、現代栄養学の観点からも多くの効能が認められています。主な効能をご紹介します。
主な効能
- 清暑止渇(せいしょしかつ)作用:
- 熱病の発熱を抑える
- 熱射病の予防・回復
- 喉の渇きを潤す
- 過度の発汗を調整
- 清肝明目(せいかんめいもく)作用:
- 肝機能を助け、目の健康を守る
- 口の苦みや目の充血を改善
- 熱毒による腫れものを和らげる
- 血糖値の調整:
- 糖尿病の予防・改善に効果的
- インスリン様作用で血糖値を下げる
- 美肌効果:
- 皮膚の炎症を抑える
- ニキビや吹き出物の改善
- 皮膚の新陳代謝を促進
古来から「苦瓜の果実には悪い熱を取り除き疲れを癒す」と古典に記載されており、また「視力を回復させる」効果もあるとされています。また、食べ過ぎでニキビや口角炎が多くなった時、苦瓜で治したという記録も残されているんですよ。
苦瓜を食べる際の注意点はありますか?
苦瓜は素晴らしい効能を持つ食材ですが、以下のような注意点もあります。
食用における注意点
- 寒い時期や冷え症の場合:
- 苦瓜は「寒」性の食材なので、体が冷えやすい方は摂取量を控えましょう
- 冬場の多量摂取は避けるのがおすすめです
- 低血糖の方:
- 苦瓜には血糖値を下げる効果があるため、低血糖の方は多食を控えましょう
- 血糖値が下がりすぎる可能性があります
- アレルギーのある方:
- 苦瓜にアレルギーがある方は使用を避けてください
- 初めて使用する際は少量から試してみることをおすすめします
まとめ:苦瓜の魅力と上手な取り入れ方
苦瓜(ゴーヤ)は独特の苦味を持つ食材ですが、その苦味こそが健康への鍵となります。東洋医学では「寒」性、「苦」味の食材として、体内の余分な熱を冷まし、解毒作用をもたらすとされています。
苦瓜の主な効能まとめ
- 夏バテ防止と体力回復
- 糖尿病の予防・改善効果
- 美肌効果と肌トラブルの改善
- 視力の回復と目の健康維持
- 解熱作用と熱中症対策
日常生活では、チャンプルーや炒め物、スープなどさまざまな料理に取り入れることができます。また、美肌効果を期待して苦瓜ジュースを肌に塗布する方法も注目されています。
寒性の食材であることを理解し、体質や季節に合わせて摂取量を調整することが大切です。特に冷え症の方や低血糖の方は注意が必要ですが、適切に取り入れることで、その素晴らしい効能を存分に活用することができます。
苦瓜の苦味に慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、その健康効果を考えれば、ぜひ食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。特に暑い夏には、体を冷やし、元気を取り戻す強い味方になってくれますよ。
参考文献

ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。
