納豆が持つ驚きの健康効果:東洋医学と現代栄養学の観点から

薬膳手帳

皆さんは納豆をどれくらいの頻度で食べていますか?日本の伝統的な発酵食品である納豆は、独特のネバネバとその香りで好き嫌いが分かれる食品ですが、その健康効果は古くから知られてきました。

実は納豆には、現代栄養学だけでなく東洋医学的にも非常に価値のある効能が隠されています。普段何気なく食べている納豆が、私たちの体と心にどのような影響を与えているのか、東洋医学の観点から詳しく解説していきましょう。

納豆は「甘」「温」の性質を持ち、主に「脾」と「肺」に作用する食品です。毎日の食卓に取り入れることで、健康維持に役立てることができるのです。

納豆とは何ですか?その基本情報と起源は?

性味/帰経】温,甘/脾,肺

納豆は大豆を納豆菌によって発酵させた伝統的な日本の食品です。ご飯にのせて食べるのが一般的ですが、チャーハンやオムレツに加えても美味しいですよね。

納豆の起源については諸説あります。聖徳太子が馬の餌として与えていた煮豆がわらに包まれたまま残っていたところ、自然発酵して美味しくなったという説があります。また、戦時中に兵糧として持ち運んでいた煮大豆がわらの中で発酵し、偶然美味しく食べられるようになったという説も伝えられています。

どちらにしても、納豆は偶然の発見から生まれた発酵食品であり、適切な環境と材料があれば家庭でも作ることができます。大豆の栄養素に加え、発酵過程で生まれるネバネバ成分には、健康維持に役立つ様々な物質が含まれているのです。

納豆にはどんな健康効果がありますか?【活血化瘀】

血液サラサラ効果とは?

納豆の代表的な効能の一つが「活血化瘀(かっけつかお)」です。これは東洋医学の用語で、血液の巡りを改善し、停滞したドロドロ血液を取り除く効果を指します。

納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という酵素は、血栓を溶かす働きがあります。血液の流れが悪くなると、冷えや肩こりなどの症状が現れますが、さらに深刻な場合は脳梗塞や心筋梗塞などの危険性も高まります。

ナットウキナーゼの血液サラサラ効果によって、これらの疾患リスクを軽減できる可能性があるのです。

美肌効果

納豆には大豆の状態では少なかったビタミンB2も豊富に含まれています。このビタミンB2には脂質代謝を助ける働きがあります。

東洋医学的に考えると、脂っこい食事を多く摂る方は体内に余分な熱が生じ、「湿熱(しつねつ)」と呼ばれるドロドロした状態になりやすいとされています。この状態が皮膚の下に停滞すると、皮膚の乾燥や過剰な脂の分泌を引き起こし、肌荒れの原因となります。

ビタミンB2は脂質代謝を促進するだけでなく、皮膚や粘膜、髪の毛や爪などの細胞再生にも役立ちますので、肌荒れ改善効果も期待できるのです。

納豆の活血化瘀効果まとめ

  • ナットウキナーゼによる血栓予防効果
  • 血液をサラサラにして循環を改善
  • ビタミンB2による脂質代謝促進作用
  • 肌荒れ改善や美肌効果
  • 冷えや肩こりの緩和

納豆は心の健康にも効果がありますか?【安神】

納豆のもう一つの重要な効能が「安神(あんじん)」です。これは精神状態を安定させる働きを指します。

東洋医学では、精神活動をコントロールする働きを「心気(しんき)」と呼びます。心気の機能が正常で気血が満ち巡っていれば、意識ははっきりとして思考も穏やかになるとされています。

心気の働きは大脳の機能と密接に関係しており、記憶、判断力、言語機能など、物事を考えたり決めたりする機能を担っています。この心気の働きに不具合が生じると、感情のコントロールが難しくなり、穏やかな状態を保てなくなります。

また、ストレスを感じやすい方は「幸せ物質」と呼ばれるセロトニンが不足していることがあります。セロトニンは主に腸内で生成されるため、腸内環境が悪いと脳にまで届かず、不安やイライラを感じやすくなります。

納豆のネバネバ成分には腸内環境を整える働きがあり、さらにセロトニンの材料となるトリプトファンも含まれています。これらの作用により、納豆は疲労回復や精神の安定に役立つのです。

納豆の安神効果まとめ

  • 腸内環境を整え、セロトニン生成をサポート
  • トリプトファンによる心の安定効果
  • ポリグルタミン酸によるカルシウム吸収促進
  • 興奮した気を静め、心を落ち着かせる作用
  • 疲労回復や精神安定に貢献

納豆を食べる際の注意点は何ですか?

納豆の健康効果は多岐にわたりますが、いくつかの注意点もあります。

まず、納豆には尿酸値を上げるプリン体が多く含まれています。痛風の方や尿酸値が高めの方は、食べ過ぎには注意が必要です。

また、納豆の血液サラサラ効果を最大限に活用するなら、摂取するタイミングも重要です。人間の血液は夜間、睡眠中に固まりやすい傾向があります。そのため、納豆は夜に食べることで血液サラサラ効果を効率よく得られるでしょう。

納豆の摂取における注意点

  • プリン体が多いため、食べ過ぎに注意
  • 痛風や高尿酸血症の方は摂取量を控えめに
  • 血液サラサラ効果を活かすなら夜に食べるのがおすすめ
  • 抗凝固剤を服用している方は医師に相談を

納豆の効能まとめ:日常に取り入れたい発酵パワー

納豆は単なる食品ではなく、私たちの健康を様々な側面からサポートしてくれる優れた発酵食品です。

東洋医学的観点から見ると、納豆には血液の流れを改善する「活血化瘀」と心を穏やかにする「安神」という二つの主要な効能があります。現代栄養学的にもその効果が裏付けられており、ナットウキナーゼによる血栓予防効果や、トリプトファンによる精神安定作用などが明らかになっています。

納豆を毎日の食事に取り入れる際は、夜に食べることで血液サラサラ効果を上手に活用できます。ただし、プリン体が多く含まれるため食べ過ぎには注意しましょう。

私たちの身近にある納豆。その粘り気のある糸を引く姿には、実は私たちの健康を支える様々な栄養素と効能が詰まっているのです。健康維持のために、ぜひ納豆を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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