
こんにちは
どうなさいましたか?

むくみにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
むくみは多くの女性が悩まされる症状のひとつです。特に1日の終わりには足が重く感じる、朝起きると顔がパンパンに感じるなど、日常生活の質を下げてしまう厄介な症状です。
むくみの原因は様々ですが、東洋医学では「水」の巡りの問題として捉えます。今日は26歳の女性から寄せられたむくみの悩みについて、東洋医学の観点から原因を探り、自然療法による改善策をご紹介します。
むくみに悩んでいる方、「なぜ私だけがこんなにむくむの?」と思っている方の参考になれば幸いです。一緒に体質改善の道を探っていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
今回ご相談くださったのは26歳の女性の方です。まずは基本情報と症状をご紹介します。
- 年齢:26歳(女性)
- 身長:158cm
- 体重:49kg
- BMI:19.63
主な症状:
- むくみが気になる(顔、足、お腹)
- 一日の後半にかけて足が重くなる
- 寝る時ジンジンと痛む
- 酷い時は浮腫が痛くて眠れない
この方は特に病気はなく、むくみ改善のために湯船に浸かる、マッサージやストレッチをする、カリウムを摂るなどの対策をされているとのことです。
むくみはなぜ起こるのでしょうか?
東洋医学的に見ると、体内の水分は自分では動けません。水分が体内を巡るためには、体の芯部の熱(腎陽)によって温められ、軽くなることで動く力が生まれます。
この水分の動きには主に3つの要素が関わっています:
- 腎陽:体の中心にある熱源で、水分を温めて動かすエネルギー源
- 肝気と脾気:水分を運搬する役割を担う気の働き
- 肺気:体の上部で水分を管理し、必要な水分は外に出し、残りを体内に戻す役割
これらが連携することで、飲み物や食べ物から取り入れた水分は体の上部へと運ばれ、そこから「雨が降り注ぐように」全身を潤しながら巡っていきます。
この働きのどこかが乱れると、水分は正しく巡ることができなくなって停滞し、むくみとなって現れるのです。
この方の体質はどのようなものでしょうか?
ご相談者の方の情報から体質を分析すると、いくつかの特徴が見えてきます。
まず、BMIから全身的な水分過剰ではないものの、舌の状態(白くて厚ぼったく、バターを塗ったようにべたっとしている)から、体内に動きの悪い水分が充満していることがわかります。
一方で、皮膚や髪の毛は乾燥しているとのことから、体の上部には乾燥傾向があるようです。これは水分の分布が偏っている状態と言えるでしょう。
また、気の動きにも問題がありそうです。腹部の張り、月経前の胸の張り、生理不順などは気の滞りを示し、肩こりは気が上向きに偏っていることを表しています。
同時に、立ちくらみやめまいの症状からは、気血を持ち上げる働きの不足も感じられます。腰や膝の疲れ、脱力感、腰痛などは、水分を巡らせる原動力や運び上げる力の不足を示しています。
これらの症状が合わさって、夕方になると足が重く感じられ、夜には痛みを伴うむくみが生じているのでしょう。エネルギーとしての気が不足すると、水を動かす力が低下し、体の上方へと持ち上げられなくなった水分が下へと降りてきて浮腫むという悪循環が起きているのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
まず気になったのは、ご相談の投稿時間が夜中の1時半頃だったことです。体の中の水分は「気」によって巡っていますが、その「気」は夜間の質の良い睡眠によって補充されます。
睡眠不足は気の不足を招き、特に夕方になると水を運ぶ力が低下して水分が停滞し、体の下部へと沈み込んでむくみとなります。
東洋医学では、夜は「陰」の時間帯であると考えます。本来ならば体の潤いを回復させる夜間に起きて活動していると、腎陰(体の潤いの源)は消耗が激しくなります。
そこで、以下の自然療法をおすすめします:
- 早めの就寝を心がける
- 可能であれば23時までに就寝し、7〜8時間の質の良い睡眠をとりましょう
- 寝る前のスマホやパソコンの使用は控えめにしましょう
- 継続されている良い習慣を大切に
- 湯船につかって体を温める習慣は素晴らしいです
- マッサージやストレッチも気の巡りを良くするのに効果的です
- 食事の工夫
- カリウムを含む食品を摂取するのは効果的です
- 塩分の取りすぎには注意しましょう
- 温かい食べ物や飲み物を意識的に摂りましょう
- 水分摂取のタイミング
- 喉の渇きがない時の大量の水分摂取は避けましょう
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この方のような体質改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これらは一般的な情報であり、この方に必ず合うものではありません。
- 五苓散(ごれいさん): 水分代謝を促進し、むくみの改善に効果が期待できる漢方薬です。特に一時的なむくみに対して使われることが多いです。
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう): 体質的に水分を溜めやすい方のむくみに効果が期待できます。特に下半身のむくみに対して用いられます。
- 猪苓湯(ちょれいとう): 利尿作用があり、水分代謝の改善に役立ちます。むくみに加えて尿の悩みもある方に使われることが多いです。
症状が複雑な場合には、これらの漢方薬を単独で使用しても十分な効果が得られないことがあります。ピヨの漢方では、あなたの体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は26歳女性のむくみの悩みについて、東洋医学の観点から原因と対策を考えてみました。むくみは単なる見た目の問題ではなく、体内の水分代謝と気の巡りの問題です。
この方のケースでは、生活習慣、特に睡眠の質と時間が大きく関わっていると考えられます。まずは早めの就寝を心がけ、体内の「気」を十分に補充することが大切です。
また、現在続けられている湯船に浸かる習慣やマッサージ、ストレッチなどは非常に効果的です。これらの習慣を続けながら、就寝時間を少しずつ早めていくことで、むくみの改善が期待できるでしょう。
むくみは一朝一夕で改善するものではありませんが、生活習慣を少しずつ整えていくことで、確実に体質は変わっていきます。ぜひ無理のないペースで続けてみてください。
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