
こんにちは
どうなさいましたか?

頻尿にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
現代社会ではストレスや不規則な生活習慣により、自律神経の乱れを抱える方が増えています。特に睡眠時無呼吸症候群から自律神経に影響が出て、さまざまな体調不良に悩まされるケースが少なくありません。
今回は、50代女性の方の症例をもとに、自律神経の乱れが引き起こす頻尿や胃痛などの症状について、東洋医学の観点から解説していきます。同じような症状でお悩みの方の参考になれば幸いです。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:50歳・女性
- 身長:156cm
- 体重:80kg
- BMI:32.87
主な症状:
- 睡眠時無呼吸症候群から自律神経の乱れ
- 頻尿、血尿
- 激しい胃痛(休職中)
- 既往歴:胃潰瘍、食道潰瘍、胆石、子宮筋腫、卵巣嚢腫
自律神経の乱れと頻尿の関係とは?
自律神経の乱れが頻尿を引き起こすメカニズムをご存知でしょうか?
尿を押し出そうとする働きが強まると、すぐに尿意を感じるようになります。この機能には自律神経の働きが深く関わっています。特に交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、膀胱の機能にも影響が出てくるのです。
この方の場合、以下のような特徴が見られます:
- イライラしやすく怒りっぽい
- 腹部の張りや不快感
- ゲップやガスが出ると楽になる
これらの症状は東洋医学でいう**「気の巡りの滞り」**を示しています。気の滞りは自律神経の乱れとも密接に関連しており、様々な不調を引き起こします。
また、以下のような特徴も見られます:
- のぼせることが多い
- 頭痛を起こしやすい
- 顔色が赤っぽい
これは気の滞りによって熱が生じている状態です。この熱が尿の通り道に影響し、血尿などの症状を引き起こしている可能性があります。
胃痛と気の滞りの関係について
胃痛の症状も気の滞りと深い関係があります。この方の場合:
- 食べると腹が張りやすい
- 腹部の不快感や鈍痛が多い
- 食後の胃もたれ
これらは典型的な気の滞りが引き起こす症状です。気の巡りが悪くなると、消化器系の機能が低下し、様々な不快感をもたらします。
さらにBMIの高さや、胃の中でチャポチャポ音がする、全体的な浮腫みなどから、食事の乱れも関与していると考えられます。身体が必要とする以上に飲食物を摂取することで、体内のバランスが崩れ、不要なものを尿から排出しようとして頻尿になっている可能性もあります。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
睡眠時無呼吸症候群と自律神経の乱れの改善には、まず根本的な生活習慣の見直しが重要です。
特に注目すべきは、肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係です。体重過多により脂肪が気道を圧迫し、呼吸を妨げることで睡眠時無呼吸症候群が悪化する傾向があります。そのため、食生活の改善が第一歩となります。
具体的な自然療法としては:
- 食事改善法
- 本当に空腹を感じたときだけ食べる
- 食べ物の味を楽しみながら良く噛む
- 食べ物がトロトロの状態になったら飲み込む
このような食べ方を続けると、自然と食事量が減り、健康的に体重が減少していきます。
- 適度な運動習慣
- 軽く汗ばむ程度の散歩を日課にする
- 気や水の巡りが改善される
- 体内の不要物質の燃焼を促進する
運動不足を感じていらっしゃる方は、まずは無理のない範囲で散歩から始めてみましょう。
漢方薬によるアプローチ
気滞(きたい)タイプの体質改善に効果が期待できる漢方薬としては:
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラや怒りっぽさ、のぼせなどに効果的
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神不安や不眠、動悸などの症状を緩和
- 香蘇散(こうそさん):気の巡りを良くし、胃腸の不調を改善
※これらは特定の体質に対する一般的な漢方薬であり、個人の症状の複雑さによっては単独では効果が現れにくい場合があります。当店では個別の漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:自律神経の乱れと東洋医学的アプローチ
自律神経の乱れから生じる頻尿や胃痛などの症状は、東洋医学では「気の滞り」と「熱の発生」という観点から説明できます。
この方の場合、睡眠時無呼吸症候群が自律神経に影響を与え、さらに食生活の乱れも加わって複合的な症状を引き起こしていると考えられます。
改善のためには:
- 食生活の見直し(よく噛んでゆっくり食べる)
- 適度な運動(軽い散歩など)
- 必要に応じた漢方薬の活用
これらの自然療法を無理なく続けることで、徐々に症状の改善が期待できます。ぜひ試してみてください。
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