多くの方は「マコモダケ」を秋の食材として知っているかもしれませんが、実はこれ、薬膳では貴重な薬効を持つ食材として古くから重宝されてきました。
若い筍のような食感で、かすかな苦みを持ち、スープ、炒め物、煮物など様々な調理法に適しています。日本では古くから食用として親しまれてきた食材で、特に秋の味覚として市場に出回ります。
日本で親しまれているこの食材について、その効能から正しい選び方、保存方法まで詳しくご紹介します。今回は特に、健康に関心のある方に知っていただきたい情報をQ&A形式でまとめました。
マコモダケとは何ですか?
マコモダケは、多年生植物であるマコモの茎に寄生した黒穂菌(くろぼきん)により、新芽が肥大したものです。マコモの実は「ワイルドライス」として知られています。
マコモダケの性味と帰経
- 性味:寒、甘
- 帰経:肺、脾
マコモダケにはどのような効能がありますか?
マコモダケには、薬膳的観点から見て多くの優れた薬効があります。特に夏から秋にかけての季節に活用したい食材です。
主な効能
- 解熱解毒作用:体内の熱を取り除き、のぼせやイライラ感を解消します
- 除煩止渇(じょはんしかつ)効果:暑さによる喉の渇きを潤し、精神的な焦りを鎮めます
- 二便を促進する作用:尿と便の排出をスムーズにします
- 血圧効果:豊富なカリウムとビタミンにより、血圧を下げる働きがあります
- 美容効果:低カロリーで水分が豊富なため減量に役立ちます
- 利尿作用:四肢の浮腫みや排尿困難を改善し、夏の暑さによる不快感を和らげます
マコモダケの栄養価は?
マコモダケは栄養バランスに優れた食材です。主な栄養成分には以下のものがあります:
- 糖質
- 脂肪(少量)
- タンパク質
- 食物繊維
- ミネラル
- ビタミンB群
これらの栄養素がバランスよく含まれているため、日常の食事に取り入れることで健康維持に役立ちます。
マコモダケを食べる際の注意点は?
マコモダケを安全においしく食べるためには、いくつかの注意点があります。
注意すべきポイント
- 禁忌となる体質・疾患:
- 脾胃虚寒(消化機能が弱く冷えやすい体質)の方
- 胃腸虚寒の方
- マコモダケにアレルギーのある方
マコモダケの活用法や調理のコツは?
マコモダケは多様な調理法で楽しめる万能食材です。
おすすめの調理法
- 天ぷら:シャキシャキとした食感と甘みを存分に楽しめます
- 炒め物:他の野菜や肉と一緒に炒めることで、料理にアクセントを加えます
- スープや味噌汁:煮込むことでマコモダケの風味が汁全体に広がります
- 漬物:薄くスライスして塩漬けにすると、独特の風味の漬物に変身します
- 煮物:じっくり煮込むことで旨味が増します
食べると良い症状
- のぼせやイライラ感がある時
- 熱性の便秘でお困りの時
- むくみが気になる時
便秘気味のお子さんにも食べさせると良いでしょう。
まとめ:マコモダケを生活に取り入れるコツ
マコモダケは、単なる食材を超えた「食薬」としての価値を持っています。その寒性と甘味の性質から、特に体内の熱を冷まし、のどの渇きを潤す効果が期待できるため、夏から秋にかけての季節には特におすすめです。
健康維持や特定の症状の緩和に役立つ一方で、体質や持病によっては避けるべき方もいらっしゃいます。ご自身の体調や体質に合わせて取り入れることが大切です。
新鮮なマコモダケを選び、適切な調理法で楽しむことで、その栄養価や薬効を最大限に活かすことができます。ぜひ旬の時期に、この古くから愛されてきた食材を取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献

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