
こんにちは
どうなさいましたか?

後鼻漏にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
後鼻漏でお悩みの方は少なくありません。特に季節の変わり目や湿度の変化が激しい時期には症状が悪化することも。今回は、長年後鼻漏に悩まされている方の体質分析を通して、東洋医学の視点から見た原因と効果的な自然療法をご紹介します。
白い泡状の粘液が口にたまって飲み込めない、いくつもの漢方薬を試しても改善しないという状況は、とても辛いものですよね。このブログでは、そんな悩みを抱える方に向けて、体質の特徴を理解し、根本から改善するためのアプローチを解説していきます。
外見的な特徴とお悩みの症状
この方の基本情報と症状をまとめると:
- 63歳・女性
- 身長:157cm
- 体重:41kg
- BMI:16.63(痩せ型)
外見的特徴:
- 皮膚や髪の毛は乾燥している
- 舌の形は厚め
- 舌の色は白っぽい
- 舌の苔は厚く、上部は水っぽい状態
主なお悩み:
- 後鼻漏で悩んでいる
- 鼻がかめず、白い泡状のおかゆのような粘液が口に溜まる
- 飲み込めないため吐き出している
- 漢方薬を飲むと軟便になり、体重も2kg減少した
- 9月頃から痰がへばりつく症状が始まった
- 特に嵐の日に後鼻漏がひどくなる
この方の体質はどのようなものなのでしょうか?
まず気になるのは、症状が9月頃から始まったという点です。この時期は夏から秋への移行期で、気候の変化が体調に影響を与えやすい時期です。真夏の「外側主体の気」から「体の内側主体」へと変化する時期であり、高湿度から乾燥へと環境も変わってきます。
この方の体質的特徴を見ると、BMIは痩せ型で皮膚や髪の毛は乾燥しており、「潤いの不足」が見られます。体温は高くないものの熱っぽく感じることがあるようです。
しかし興味深いことに、舌の状態は厚く、苔も厚く水っぽい状態。また雨の日に体調が悪化するという症状からは、「体内に停滞した水分」があることも推測できます。
手足が冷えやすく舌の色が白っぽいことから「水を巡らせる力の不足」、イライラしやすさや肩こりからは「気の巡りの滞り」があると考えられます。
このような体質の方では、水分を適切に巡らせる力が弱いために、本来なら全身に潤いをもたらすべき水分が停滞し、気の滞りによって上部へと押し上げられ、鼻の周囲で白い泡状の粘液となって現れるのでしょう。
特に嵐の日に症状が悪化するのは、外の湿度の高さが体内の水分代謝にも影響を与え、もともと弱っている「水を動かす力」にさらに負担をかけるためと考えられます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の症状を見ると、「水を飲みたいと思わない」という特徴があります。これは漢方薬をお湯で飲んでいるからかもしれませんが、口が粘る、雨の日は体調が悪い、胃の中でチャポチャポ音がするといった症状から、体内に動きの悪くなった水分が停滞していることがうかがえます。
東洋医学では、鼻とお腹は密接な関連があると考えられています。つまり、お腹の水の巡りの悪さが後鼻漏にも影響している可能性が高いのです。
そこでおすすめしたいのが、水を巡らせる原動力となる「体の冷え」を改善するための適度な運動です。食欲不振や腹部の不快感、軟便などのお腹の問題も、運動によって改善が期待できます。
具体的には:
- 近所を軽く散歩する
- 家の中でヨガや気功などの軽い運動を行う
- 軽く汗ばむ程度の運動を日常に取り入れる
これらの運動は、体内の水分代謝を活性化し、停滞した水を適切に巡らせる効果が期待できます。運動不足を感じる方は、ぜひ試してみてください。
体質改善に効果が期待できる漢方薬
この方のような体質の改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります:
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう) – 水の停滞を改善し、めまいや頭痛などの上部症状に効果が期待できる漢方薬です。
- 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう) – 水分代謝を改善し、痰や咳などの呼吸器症状に効果的とされています。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん) – 気の巡りを整え、イライラや不安感の改善に役立つ漢方薬です。
ただし、これらは一般的な体質改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の症状や体質に合わせた処方ではありません。症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくい場合もあります。当店では、お一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
後鼻漏の症状は、体質的な特徴と密接に関連しています。特に今回ご紹介した方のように、体内の水分代謝の不調と気の巡りの滞りが影響している場合も少なくありません。
症状改善のためには:
- 適度な運動で体の冷えを改善する
- 水分代謝を整える
- 気の巡りを促進する
これらのアプローチを生活に取り入れることで、根本的な体質改善を目指しましょう。個々の体質に合わせた漢方薬の活用も効果的ですが、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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