
こんにちは
どうなさいましたか?

帰脾湯と加味帰脾湯の違いを知りたいとの
質問をいただきましたよ。
現代社会では多くの方が不眠や不安感に悩まされています。漢方薬の世界では、こうした症状に対して「帰脾湯」と「加味帰脾湯」という二つの処方が知られていますが、どちらを選べばよいのか迷われる方も多いでしょう。
この記事では、これら二つの漢方薬の違いと、あなたの体質や症状に合わせた選び方をわかりやすく解説していきます。漢方の考え方を理解して、あなたの不眠改善に役立ててください。
不眠と漢方薬の関係とは?
頭の使い過ぎが続くと、脳から体へ適切な指令が届かなくなることがあります。漢方医学では、これにより「脾気(ひき)」の働きが低下すると考えます。脾気とは、主に消化機能や栄養の吸収を担当する働きです。
脾気の低下により、以下の二つの問題が生じます:
- 気血(きけつ)を作る作用の低下
- 気血を上部へ持ち上げる働きの低下
その結果、脳の働きを調整する「心気(しんき)」が正常に機能できなくなり、不眠や不安感などの症状が現れるのです。まさに心と体のバランスが崩れた状態といえますね。
帰脾湯と加味帰脾湯はどう違うのですか?
帰脾湯の特徴
帰脾湯は、心気に気血を届けるために、お腹の働きを調整する処方です。具体的には:
- 脾気を盛り立てる
- 気血を作る働きを応援する
- 作られた気血を体の上部へと運ぶ
つまり、消化機能を改善して栄養の吸収・運搬を促進する漢方薬と言えるでしょう。
加味帰脾湯の特徴
加味帰脾湯は、帰脾湯の基本処方に以下の成分を加えたものです:
- 気の滞り(きのとどこおり)を解放する成分
- 上部の熱を冷やしながら引き降ろす成分
つまり加味帰脾湯が適している方は、気の滞りがあり、体の上部に熱がこもっていて、気血の流れも悪い状態の方と考えられます。
どのような症状のときにどちらを選べばよいですか?
それぞれの漢方薬が適している症状の特徴は以下の通りです:
帰脾湯が適している場合
- 考えすぎでお腹が弱っている
- その結果、気血が届けられなくなっている
- 心気が乱れている状態
加味帰脾湯が適している場合
- ストレスを強く感じている
- イライラしやすい
- 気の滞りが強い
ただし、加味帰脾湯は帰脾湯よりも乾かす作用が強くなります。特に体の上部(頭部や喉など)で乾きの症状が目立つ方の場合は、帰脾湯のほうが適している可能性が高いでしょう。
乾きの症状には以下のようなものがあります:
- 喉の渇き
- 口内の乾燥感
- 皮膚の乾燥
- ドライアイ
使う際の注意点
漢方薬を使用する際は、以下の点に注意しましょう:
- 自己判断だけでなく、医師などの専門家に相談することをおすすめします
- 効果は個人差があり、即効性を期待するものではありません
- 継続して服用することで徐々に体質改善が期待できます
- 他の薬との飲み合わせにも注意が必要です
- 症状が複雑な場合は、単独では効果がない場合もあります
まとめ
帰脾湯と加味帰脾湯は、不眠や不安感に効果的な漢方薬ですが、体質や症状によって使い分けることが大切です。
帰脾湯は主に消化機能の改善を通じて気血を補うのに対し、加味帰脾湯はさらに気の滞りを解消し、上部の熱を冷ます効果があります。あなたの症状が「考えすぎによる消化不良からの不眠」なら帰脾湯、「ストレスによるイライラや気の滞りからの不眠」なら加味帰脾湯が適している可能性が高いでしょう。
ただし、漢方薬は個人の体質に合わせて選ぶことが重要です。症状が改善しない場合や複雑な症状がある場合は、ぜひ専門家に相談してみてください。
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