デリケートゾーンの痒みに漢方薬は効く?竜胆瀉肝湯の効能と体質別アドバイス

漢方メモ
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

陰部の痒みにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

「デリケートゾーンの痒みが長引いて、何を試しても良くならない…」

そんなお悩みを抱えていらっしゃいませんか?

実は、漢方の世界では、体の内側から痒みの原因にアプローチする方法があります。今回ご紹介する「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」は、体の中に生じた余分な熱や水分を尿から排出してくれる漢方薬です。

特に、ジメジメした季節や、ストレスがたまりやすい時期に症状が悪化しやすい方には、ぜひ知っていただきたい漢方薬ですね。

デリケートゾーンの痒みはなぜ起こるのですか?

東洋医学では、痒みは「気血(きけつ)」など体の中を流れるものが滞ることで起きると考えています。

私たちが痒い時に掻くのは、その滞りを流そうとする自然な反応なのです。

では、デリケートゾーンではなぜ痒みが起きやすいのでしょうか?

陰部は体の下の方に位置し、尿の出口にもなっています。そのため、体の中で正常な流れから外れてしまった水分が下へ降りてきて、陰部の周辺で停滞しやすいのです。

この停滞によって気血の流れが滞ると、痒みとなって現れます。

ドロドロしたモノができる主な原因:

  • 甘いものや脂っこい物の食べ過ぎ
  • 乳製品やアルコールの飲み過ぎ
  • ストレスを感じやすい生活
  • 過労や夜更かしの習慣

これらの習慣が続くと、お腹の働きが低下して食べた物が停滞します。そこへ体の熱が加わることで、まるで煮詰められるようにドロドロしたモノに変わってしまうのです。

このドロドロしたモノは、熱の「上に昇る性質」と水の「重だるい性質」を兼ね備えています。そのため、深い部分からにじみ出てくるような、独特の痒さを感じさせるのが特徴です。

竜胆瀉肝湯(一貫堂)はどんな漢方薬ですか?

一貫堂の竜胆瀉肝湯は、16種類の生薬の働きによって、余分な熱を冷まし、停滞している水分を排除してくれる漢方薬です。

竜胆瀉肝湯に含まれる生薬:

  • 竜胆(りゅうたん): 興奮した神経の熱を鎮める
  • 黄連(おうれん): 体内の熱を冷ます
  • 黄芩(おうごん): 上半身の熱を冷ます
  • 黄柏(おうばく): 下半身の熱を冷ます
  • 山梔子(さんしし): 熱を冷まして排出する
  • 連翹(れんぎょう): こもった熱を発散する
  • 薄荷(はっか): 表面の熱を発散する
  • 当帰(とうき): 血を補い巡りを良くする
  • 芍薬(しゃくやく): 血を養い痛みを和らげる
  • 川芎(せんきゅう): 血の巡りを促す
  • 地黄(じおう): 血を補い潤いを与える
  • 木通(もくつう): 余分な水分を尿から排出する
  • 車前子(しゃぜんし): 尿の排出を促す
  • 沢瀉(たくしゃ): 余分な水分を排出する
  • 浜防風(はまぼうふう): 皮膚に潤いを与える
  • 甘草(かんぞう): 諸薬を調和させる

どうしてデリケートゾーンの痒みが良くなるのですか?

竜胆瀉肝湯の働きを、順を追ってご説明しますね。

まず、熱を冷まして余分な水分を排除します。

黄連・黄芩・黄柏・山梔子が体全体の熱を冷ましながら、余分な水分を排除します。さらに連翹・薄荷が、こもって固まっている熱を表面から発散させてくれます。

次に、尿から余分なモノを排出します。

竜胆・木通・車前子・沢瀉が、膀胱や尿管周辺の熱と水を尿から排出します。これによって、陰部周辺に停滞していたドロドロしたモノが体の外へ出ていくのです。

そして、傷ついた部位を修復します。

当帰・芍薬・川芎・地黄が新鮮な血液を全身に送り届けます。浜防風・甘草がキレイな潤いを補充することで、熱によって乾燥した部位が潤され、ダメージを受けた皮膚の補修が進みます。

このように、余分な熱や水分を取り除きながら、同時に必要な栄養と潤いを補うという、二つの働きが組み合わさることで、デリケートゾーンの痒みが改善されていくのです。

また、膀胱や尿道にドロドロしたモノが悪さをしている場合の排尿時の痛み、頻尿、膀胱炎などにも効果が期待できます。

どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント

甘いものや脂っこい物が好きな方には、竜胆瀉肝湯がおすすめです。これらの食べ物はお腹の働きを低下させ、ドロドロしたモノを作りやすくします。食生活の見直しと合わせて服用すると、より効果的ですね。

ストレスを感じやすい方にも向いています。ストレスは体の中に余分な熱を生じさせ、潤いを乾燥させてしまいます。竜胆瀉肝湯は興奮した神経の熱を鎮める働きがありますので、イライラしやすい方にも合います。

過労や夜更かしが続いている方は要注意です。このような生活習慣は体内に熱がこもりやすく、食べた物が煮詰まりやすい状態を作ります。まずは生活リズムを整えることが大切ですが、竜胆瀉肝湯でサポートすることもできます。

アルコールや乳製品を多く摂る方にもおすすめです。これらはドロドロしたモノの材料になりやすいため、控えめにしながら竜胆瀉肝湯を活用してみてください。

まとめ

今回は、デリケートゾーンの痒みや尿トラブルを解消する漢方薬として、竜胆瀉肝湯をご紹介しました。

竜胆瀉肝湯は、体の中の熱を冷まし、余分な水分を尿から排出してくれる漢方薬です。デリケートゾーンの痒みは、体の中に停滞しているドロドロしたモノで起こっていることが多いため、竜胆瀉肝湯によって尿から余分なモノが排除されると、痒みの改善につながります。

ちなみに、同じ竜胆瀉肝湯でもメーカーによって生薬構成が異なるものがあります。今回ご紹介した16種類の生薬を使っているものは、連翹や薄荷、浜防風が含まれているため、皮膚の痒みにより効果が出やすいのが特徴です。

効果的に使うコツとして、食生活や生活習慣の見直しが大切です。どんなに良い薬を使っていても、痒みの材料が後から後から体に入ってきては、なかなか良くなりません。濃い味付けに慣れてしまっている方は、月末に「塩断ち日」を設けるなど、少しずつ味覚を戻してみるのもおすすめですよ。

症状が複雑な場合や、なかなか改善しない場合には、竜胆瀉肝湯単独では効果が出にくいこともあります。そのような場合は、ぜひ当店の漢方相談をご利用ください。お一人おひとりの体質に合わせたアドバイスをさせていただきます。

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