陰部の痒みが夜に悪化する体質とは?東洋医学に基づく改善方法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

陰部の痒みにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

陰部の痒みは多くの方が悩まれている症状ですが、特に夜間や就寝前に症状が悪化するケースをよく耳にします。このような症状に悩まされていると、質の良い睡眠を取ることも難しく、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

今回は、陰部の痒みが夜間に悪化する方の体験談をもとに、東洋医学の観点からその原因と改善方法についてお伝えします。このような悩みを抱えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

実際のケーススタディ:24歳男性の場合

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 24歳男性
  • 身長175cm
  • 体重65kg
  • BMI 21.22

主な症状:

  • 陰部の痒みが寝る前や就寝中に悪化
  • 舌に溝がある
  • 舌の苔が水っぽく、バターを塗ったようにべたっとしている
  • 尿の回数は1日4回で色が濃い
  • 大便は2〜3日に1回で柔らかすぎる
  • 食べるとお腹が張りやすい
  • 髪が抜けやすい
  • 喉が渇く
  • 口が粘る
  • 湿疹ができやすい
  • 手足が冷えやすい

このケースでは、顔色や舌の色は正常ですが、舌に溝があり苔の状態が水っぽくべたついていることから、体内に動きの悪い余分な水分が停滞している状態が見て取れます。

大便が2〜3日に1回で柔らかすぎることや、食後にお腹が張りやすいことから、お腹の働きが弱く、うまく吸収できていない状態にあると考えられます。その背景には気の滞りがあるように感じられます。

東洋医学から見る痒みの原因とは?

東洋医学では、痒みは「何かが滞っている状態」から生じると考えています。掻くという行為自体が、停滞しているものを動かして不快感を解消しようとする体の反応なのです。

陰部は体の下部に位置し、尿などの排出口でもあるため、体内の正常な流れから外れた水分が陰部周辺に停滞すると、正常な流れを阻害して痒みの原因となります。

陰部の痒みを引き起こす主な原因には以下のようなものがあります:

  • 食事の不摂生(脂っこい物、濃い味付け、甘いもの、アルコール)
  • 体の冷え
  • ストレス
  • 過労や夜更かし

食生活による影響

脂っこいもの、濃い味付けの食品、甘いもの、アルコールなどを摂り過ぎると、体内に動きの悪いドロドロとした物質が生じやすくなります。これが体の下部に降りてきて陰部周辺で停滞すると、気血の巡りが阻害されて痒みが生じるのです。

体の冷えの影響

体が冷えていると、食べ物などから摂取した水分は体内の熱によって持ち上げることができなくなります。そのため水分の重みで下方へと降りてきてしまい、陰部周辺で渋滞を起こすことで痒みの原因となります。

ストレスの影響

ストレスを感じやすい体質の方は、体内に余分な熱が生じがちです。この熱が体内の水分を「煮詰める」ような状態にすると、やはりドロドロとした物質が生成され、それが体の下部へと降りて陰部周辺で停滞し、痒みを引き起こします。

過労や夜更かしの影響

過労や夜更かしが続くと、体に必要な気も潤いも不足してしまいます。その結果、ドロドロとした物質が作られやすくなるだけでなく、それを巡らせる機能も弱くなり、陰部周辺に物質が停滞しやすくなるのです。

このケースの体質特徴と分析

ストレスによって気が滞り、それがお腹の働きを妨げているようです。その結果、食事をするとお腹が張り、栄養をうまく吸収できなくなっています。髪に十分な栄養が届かないため抜けやすくなり、喉の渇きを感じて水分を摂りますが、それによって体内に水分が充満します。

さらに気の滞りによって動きが悪くなることで、口が粘ったり湿疹ができやすくなり、痒みが生じているものと思われます。

手足の冷えやすさ、舌の苔が水っぽく白いことから、強い熱は生じていませんが、夜更かしの習慣によって体内の潤いが不足し、舌に溝ができているのでしょう。また、こもった熱が生じて体内にドロドロとした物質ができやすい状態になっていると考えられます。

就寝前や睡眠中は体内の気血を巡らせる働きが穏やかになるため、ドロドロとした物質が陰部周辺に停滞すると、より動きが悪くなり痒みが強くなりやすいのです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

このケースの方には、以下の自然療法をおすすめします:

1. 食生活の見直し

舌の苔の状態や便の状態から、体が必要とする以上の食べ物や水分を摂取している可能性があります。特に以下の食品の摂取を控えめにしましょう:

  • 脂っこいもの
  • 味の濃い食べ物
  • 甘いもの
  • アルコール類

これらは体内でドロドロとした物質に変化しやすく、様々な痒みの原因となります。

2. 食事の摂り方を改善

お腹の働きを高めるために、よく噛んで食べる習慣をつけましょう。これにより消化吸収の負担を減らし、体の機能を助けることができます。

また、暑い季節は冷たいものが欲しくなりますが、お腹の働きが弱っている状態では、冷たいものの摂り過ぎに注意することが痒みの解消につながります。

3. 睡眠習慣の改善

仕事などの事情もあり難しいかもしれませんが、陰部の痒みを含めた皮膚症状の改善には早寝が効果的です。5分でも早く就寝するよう心がけてみましょう。

早寝習慣はストレスを解消しやすい精神状態を作り出し、お腹の働きの回復にも寄与します。

4. 対症療法として

どうしても痒くて眠れないような場合は、痒い部分を適度に冷やす方法も一時的な効果が期待できます。

漢方薬による体質改善

この体質の改善に効果が期待できる漢方薬には以下のようなものがあります:

  • 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) – 余分な熱を冷まし、血行を改善し、湿熱による滞りを解消する効果があります
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん) – ストレスによる気の滞りを改善し、余分な熱を冷まします
  • 六味丸(ろくみがん) – 腎気を高め潤いを補充し、水分代謝を整える効果があります

※これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬の紹介であり、この方に特化したものではありません。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。ピヨの漢方では漢方相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:継続的な体質改善が大切

陰部の痒みが夜間に悪化する症状は、体内の水分代謝の乱れ、気の滞り、そして生活習慣が複合的に関わっています。

改善には、食生活の見直し、早寝習慣の確立、ストレス管理などの総合的なアプローチが必要です。すぐに症状が改善するわけではありませんが、焦らず継続的に体質改善に取り組むことが大切です。

筆者自身も一時期同様の症状に悩まされた経験がありますが、食生活を改善しても完全に解消されるまでには時間がかかりました。根気よく取り組むことで、必ず改善の兆しが見えてくるでしょう。

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ピヨ先生
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