胃腸の弱さが原因の口臭にお悩みの方へ│特徴と改善法

口臭
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

口臭にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

口臭に悩んでいても、歯磨きや口腔ケアだけでは改善しないケースがあります。それは単に口の中だけの問題ではなく、胃腸の状態が大きく関係しているからかもしれません。

東洋医学の観点から見ると、口臭は体内の状態を表す重要なサインの一つです。特に胃腸の働きが弱まると、様々な経路で口臭として現れることがあります。

今回は、胃腸の弱さが原因で口臭に悩む10代女性の事例をもとに、体質的な特徴と効果的な自然療法についてご紹介します。一般的な口臭対策では改善されなかった方にとって、新たな視点からのアプローチが見つかるかもしれませんね。

口臭に悩む16歳女性の事例から見る体質的な特徴とは?

今回ご紹介するのは、中学2年生の頃から口臭に悩み始め、さまざまな医療機関を受診された16歳の女性の事例です。歯科、内科、耳鼻科など様々な検査を受けたものの原因がはっきりせず、最終的に「胃腸が弱い」と診断されたケースです。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 年齢:16歳 女性
  • 身長:166cm
  • 体重:50kg
  • BMI:18.14

主な症状:

  • 口臭
  • 顔色が白っぽい
  • 足、顔、まぶた、唇に浮腫みがある
  • 手足が冷えるがのぼせる
  • 腹部の不快感や鈍痛
  • 食べると胃がもたれる
  • 立ちくらみしやすい
  • ゲップやガスが出ると楽になる
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 口が苦いことが多い
  • 生理不順

また、舌の状態も特徴的です。舌先端は赤みが強く、奥の方には白い舌苔(ぜったい:舌の表面を覆う白や黄色の苔状のもの)があり、バターを塗ったように厚くべたっとしています。舌自体は全体的に大きく厚くぼてっとしていて、歯の跡がついています。また、舌の上は水っぽい状態です。

これらの特徴から、この方の体質を分析してみましょう。

胃腸が弱いことで口臭が生じるのはなぜですか?

口臭の原因は様々ですが、東洋医学的に大きく考えると、お腹の働きが低下していることによって起こるケースが少なくありません。特によく見られるのが「胃熱(いねつ)」と呼ばれる状態です。

胃熱とは、お腹に余分な熱がこもっている状態を指します。例えば、こんな食生活を続けていると胃熱になりやすいです:

  • 甘いものの摂りすぎ
  • 脂っこい食べ物の食べ過ぎ
  • 辛い物の過剰摂取
  • アルコールの飲みすぎ

これらによってお腹の働きが低下すると、余分な熱が生じます。するとどうなるでしょうか?お腹の中では消化機能や腸内細菌によって消化は進むものの、それを吸収したり運んだりする働きが低下します。その結果、腐敗したガスが発生し、熱によって体の上方へと運ばれ、口臭となって現れるのです。

また、その熱が経絡(けいらく:東洋医学における気の通り道)を通じて口の中の環境を変化させることも、口臭の原因になります。

反対に、お腹が冷えていることで働きが低下して起こることもあります。例えば:

  • サラダや刺身などの生もの
  • ビールやジュースなどの冷たい飲み物

これらを摂りすぎていると、お腹が冷えて吸収や運搬の働きが低下します。その結果、消化は進んでも吸収されず、食べたものが停滞し、その間に生じた余分な熱によってガスが発生して上昇することで口臭となります。

つまりどちらの場合も、お腹に負担がかかると胃に余分な熱が生じ、それが口臭の原因となるのです。

なぜ口臭を引き起こしてしまうのか?

舌の状態から見ると、先端が赤くなっていることから体の上部には熱があることがわかります。一方、奥の方に白く厚い苔があることから、動きの悪い水分が体内に停滞していることがうかがえます。

体の上に熱があることが、以下の症状の原因となっています:

  • 皮膚の乾燥
  • 唇の乾燥
  • 夢を見ることが多い
  • 忘れっぽい
  • のぼせやすい
  • 目の疲れや乾燥

また、舌に厚い苔があり歯の跡がついていることから、体内には余分な水分が充満していて、それが水の動きをさらに悪くしているようです。そのため、足、顔、まぶた、唇などに浮腫みが現れています。

この方は「喉の渇きによる水分補給ではなく、意識的に多く水を飲むようにしている」とのことですが、この習慣が外からの余分な水分の押し付けとなって、お腹への負担の一つになっていると考えられます。

さらに、「気の滞り」も水の巡りの悪さに関係しています。気が滞ると:

  • 手足が冷えるのにのぼせる(気が中心部に集中)
  • ゲップやガスが出る(食べ物が上手く運べない)
  • 口が苦くなる(停滞した水分が濃縮されて上昇)

この方の体質をまとめると:

  1. 体の上部に熱や乾燥がある
  2. 体内に余分な水分が充満し、下部に停滞している
  3. 気の滞りにより、上向きの気の流れが生じている

これらの要因が複合的に作用し、お腹の中に停滞している水分と気滞による熱、腸管の動きの悪さによって、お腹に余分な熱が生じ、それが経絡を通じて口臭として現れていると考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質と症状を踏まえ、以下の自然療法が効果的と考えられます:

1. 水分摂取の見直し

喉の渇きを無視した意識的な水分摂取は控えることをおすすめします。必要以上の水分がお腹に負担をかけ、腸管の動きを悪くしているようです。喉の渇きに応じて適量を飲むようにしましょう。

2. 食生活の改善

辛いもの、甘いもの、味の濃厚なものの摂りすぎに注意しましょう。これらは胃熱の原因となります。

胃熱を冷まし口臭を改善する食べ物としては、以下のようなものがあります:

  • アロエ
  • 枇杷の葉
  • 熊笹

これらはお腹の働きを様々な方法で改善することで、口臭の改善につながります。

3. 気の滞りの改善

この方は牡蛎を食べた翌日は匂いが改善したとのことですが、牡蠣には体を潤す作用不安な心を鎮める働きがあります。

普段の生活で、考えすぎや心配事などで頭を使いすぎていないかに注意しましょう。頭を使いすぎると:

  • 無意識に歯を食いしばる
  • 喉を締める
  • お腹に力が入る

これらが体の前側に力みをもたらし、胃の経絡を通じて胃熱を生じさせます。

4. 姿勢と呼吸の意識

前かがみの猫背は体の前側に力みを入れ、気の滞りと熱を生じさせます。背中で身体を支えるよう意識し、体の前側はリラックスさせましょう。

緊張すると呼吸を止めて歯を噛みしめがちです。力みを感じたら、呼吸をリラックスさせて長めに吐くようにして、体と心を緩めることを心がけましょう。

5. お腹のセルフケア

臍周りを中心に、気持ちの良い範囲で指圧するのもお腹の働きを回復させるのに役立ちます。

口臭改善に効果が期待できる漢方薬

この方の体質に合わせた漢方薬ではなく、一般的に胃腸の弱さによる口臭に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します:

  • 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを高め、消化不良や胃もたれを改善します。気虚(ききょ:気の不足)と水滞(すいたい:水分の停滞)がある方に適しています。
  • 平胃散(へいいさん):胃の熱を冷まし、消化を促進する効果があります。胃熱による口臭や胃もたれに効果的です。
  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の調子を整え、水分代謝を改善します。胃熱と水滞が同時にある方に適しています。

ただし、漢方薬は体質や症状が複雑な場合、単独では効果が現れにくいことがあります。より効果的な改善を目指すなら、ピヨの漢方での漢方相談をご利用ください。

まとめ:胃腸を整えて口臭を改善しましょう

今回ご紹介した16歳女性の事例から、胃腸の弱さが口臭の原因となるメカニズムと、その改善法についてお伝えしました。

口臭の改善には、以下のポイントが重要です:

  1. 適切な水分摂取:喉の渇きに応じて適量を飲む
  2. 食生活の見直し:胃熱を生じさせる食品を控える
  3. 心身のリラックス:過度な緊張やストレスを減らす
  4. 姿勢と呼吸の改善:体の前側の力みを解放する
  5. お腹のセルフケア:臍周りの優しい指圧

口臭でお悩みの方は、歯磨きだけでなく、胃腸の状態や全身の体質にも目を向けてみてください。東洋医学的なアプローチで根本から改善を目指しましょう。

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ピヨ先生
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