疲れやすい、不安、緊張、昼間に眠くなる方の体質の特徴と自然療法

疲れやすい
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

疲れやすいことにお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

更年期前後の女性の多くが感じる「なんとなく調子が優れない」という悩み。疲れやすさや不安感、緊張しやすさなど、はっきりとした病名はつかないものの日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

東洋医学では、このような症状を体全体のバランスの乱れから生じるものととらえ、「気・血・水」の状態から体質を診断します。今回は47歳女性の方の症例をもとに、同様の悩みを持つ方への参考として、漢方的視点からの体質分析と自然療法についてご紹介します。

あなたも「最近疲れやすくなった」「何となく不安を感じる」という症状でお悩みではありませんか?ぜひ参考にしてみてください。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 年齢:47歳(女性)
  • 身長:158cm
  • 体重:50kg
  • BMI:20.03(標準範囲内)
  • 髪質:細め
  • 舌の特徴:厚ぼったく赤っぽい、紫色の部分あり、歯の痕や溝・割れ目あり
  • 舌苔:黄色でバターのようにべたっとして水っぽい
  • 舌裏の静脈:細いが視認可能

主な症状:

  • 疲れやすい
  • 不安感・緊張しやすさの増加
  • 日中の眠気

この方の体質はどのようなものでしょうか?

まず疲れやすさから、気(エネルギー)の状態を見ていきましょう。BMIは正常範囲で食欲に問題がなく、排便も1日1回の普通便とのことから、お腹の働きが弱って気が不足しているわけではなさそうです。

舌はやや赤みがかっていますが、顔色は普通とのことで、強い熱によって体の潤いが消耗しているわけでもないようです。しかし「不眠になりやすい」「寝つきが悪い」「口唇の乾燥」などから、体内の潤い不足が推測されます。

興味深いのは、舌の形が厚ぼったく、胃でチャポチャポという音がしたり、足首に浮腫みがあったり、動くと汗が多く出やすいという点です。これは「余分な水分が停滞している部位」と「水分が不足している部位」が混在している状態を示しています。

また、月経前の胸の張り、イライラ、怒りっぽさ、肩こりなどから、気の巡りが順調でないことがうかがえます。さらに手足の冷えや寒がりの傾向から、体を巡らせる原動力となる熱源も不足気味と考えられます。

こうした状態では、気の滞りによってこもった熱が上部へ向かって熱の症状を作り出す一方、原動力不足によって血液や水分が末端部に届かず、疲労を感じやすくなります。また上部では血の不足やこもった熱によって、精神活動を調整する「心気」が乱れ、不安や緊張を生じやすくなります。血の不足は昼間の眠気の原因にもなるのです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

気の滞りが影響していることから、まずはリラックスできる軽い運動で体を動かすことをおすすめします。具体的には以下のような方法が効果的です:

  • 広々とした公園などでゆっくり歩く
  • 呼吸に意識を集中する
  • 足の裏に感じる地面の感覚や頬に当たる風など、体感に注目する

このような意識的な行動によって、普段無意識に繰り返している頭の中の考えの空回りが止まりやすくなります。それにより体の緊張がほぐれ、気の巡りが改善するでしょう。気が向いたときにでも試してみてください。

また、水分摂取についても工夫が必要かもしれません。喉の渇きがないとのことですが、もし水分を摂り過ぎている可能性があれば注意が必要です。この方は水を巡らせる原動力が不足し、余分な水があちこちに停滞している状態です。そこにさらに水を加えると巡りが悪化し、気や血が届かなくなって疲れやすさが増す可能性があります。

「飲み過ぎているかも」と心当たりがある場合は、特に熱中症の危険がない季節には、水分の摂り方を以下のように工夫してみましょう:

  • 一度にたくさん飲むのではなく、少量ずつこまめに摂る
  • 常温または温かい飲み物を選ぶ
  • 冷たい飲み物は控えめにする
  • ハーブティーなど体を温める飲み物を取り入れる

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

以下の漢方薬は、気の滞りや水分バランスの乱れに効果が期待できるものです。ただし、これらは特定の体質改善に役立つ一般的な漢方薬であり、必ずしもこの方に合うものとは限りません。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラや不安感、のぼせなどの更年期症状に用いられる漢方薬で、気の巡りを改善します。
  • 五苓散(ごれいさん):水分代謝を整え、むくみの改善に効果があります。体内の水分バランスを整えるのに役立ちます。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血の巡りを良くし、冷えや疲れを改善します。特に女性特有の不調に用いられます。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では専門の漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

47歳女性の症例を通じて、疲れやすさや不安感の原因となる体質について漢方的視点から解説しました。この方の場合、気の滞りと水分バランスの乱れが主な問題と考えられます。

リラックスできる軽い運動や水分摂取の工夫など、日常生活で実践できる自然療法を取り入れることで、症状の改善が期待できます。体質改善には時間がかかりますが、続けることで徐々に体調が整っていくでしょう。

あなたも似たような症状でお悩みでしたら、まずは簡単にできる自然療法から始めてみてはいかがでしょうか。体質は一人ひとり異なりますので、自分に合った方法を見つけることが大切です。

YouTubeでも解説しています。

YouTube player
ピヨ先生
ピヨ先生

ご自分の体質にあった

漢方薬を試してみたい方は

ピヨの漢方の漢方相談を

ご利用ください。

タイトルとURLをコピーしました