
こんにちは
どうなさいましたか?

鼻水にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
鼻水が喉に垂れてきて不快感を感じたり、鼻づまりに悩まされたりしていませんか?実はこれらの症状、単なる風邪の後遺症ではなく、あなたの体質と生活習慣に深く関わっているかもしれません。
東洋医学では、鼻とお腹には密接な関連があると考えられています。特に胃腸の弱さや冷えが鼻の症状に大きく影響することがわかっています。
今回は、1年以上も鼻水が喉に垂れる症状に悩まされている54歳女性の体験談を基に、この不快な症状の原因と改善方法について詳しくご紹介します。あなたも同じような症状でお悩みなら、ぜひ参考にしてみてください。
お悩みの症状はどんなもの?
今回ご紹介するのは、去年9月に風邪をひいた後から、鼻水が喉に垂れる、鼻づまり、喉にへばりついて取れないといった症状に悩まされている方の体験談です。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:54歳(女性)
- 身長:154cm
- 体重:43kg
- BMI:18.83
主な症状:
- 鼻水が喉に垂れる
- 鼻づまり
- 喉に何かがへばりついている感じ
- 体質的に胃腸が弱い
- 手足の冷え
この方は漢方薬を1年ほど服用されましたが、あまり改善がみられず、現在は垂れてくる感じはなくなったものの、喉に何かがたまっている感じがあり、それが鼻水なのか痰なのかよくわからない状態だそうです。
また、リウマチ、骨粗しょう症、コレステロールの薬を服用中で、以前は子宮内膜症や子宮筋腫があったとのことです。これらの症状も実は同じ体質的な問題から生じている可能性があります。
なぜ鼻水が喉に垂れるのでしょうか?
この方の体質を詳しく見ていきましょう。特徴としては、舌の色が白っぽく、舌に歯の跡があり、瞼に浮腫みがあるとのことです。
鼻づまりがあるということは、鼻の周辺で水が停滞しているようです。まずは体内の水の状態から見ていきましょう。
舌の苔の厚さは普通で、色も白く、舌上の水分状態も普通とのことですので、身体全体に水が充満しているわけではなさそうです。しかし、手のひらに汗をかく、脇の汗が酷い、胃の中でチャポチャポ音がするなどから、お腹の働きが弱っていて、お腹の中には余分な水分が停滞していることがわかります。
手の平や足の裏の汗の制御は、お腹の機能の一つである平滑筋に適度な緊張感を与える働きによるものです。お腹に停滞した水分が、気の滞りによって凝縮されると、体の制御を超えた力で汗が押し出されることになります。
体の冷えが水分代謝を悪化させる
体の熱の状態を見てみると、舌の色が白っぽい、舌に歯の跡がある、手足が冷える、寒がりといった特徴から、体が冷えていることがわかります。
喉の渇きもないようですが、水分はあまり取らず、コーヒーやビールは飲むとのこと。この飲み物の選択が体の冷えをさらに助長している可能性があります。
東洋医学では、鼻とお腹は関連が深いと考えられています。冷たい食べ物や飲み物でお腹が冷やされると、鼻にすぐに影響が現れ、花粉症やアレルギー性鼻炎の原因になることもあります。
実際、鼻の症状を抱える方の中では、子供の場合は牛乳やジュース類を、大人の場合はお茶やコーヒー、ビールなどを多く飲んでいる方が多いのです。
これは飲み物の実際の温度だけでなく、その飲み物が持つ性質も関係しています。例えば、ビールを温めて飲んでも、原料の大麦などは体を冷やす性質を持っています。コーヒーも同様に体を冷やします。
さらに、喉が渇いていない状態で余分な水分を摂ると、それが「保冷材」のように働いて、体をさらに冷やしてしまうのです。
気の滞りが症状を複雑にする
お腹の状態をさらに詳しく見ると、単に働きが弱いだけでなく、気の巡りの悪さも影響しているようです。
腹部の不快感や鈍痛、食べると腹が張る、食べると胃がもたれる、腹が張って苦しい、ゲップやガスが出ると楽になる、喉に何かがひっかかる感じがするなどの症状は、気の滞りに関連しています。
また、月経前に胸が張るという症状は、胃と関係の深い気の通り道(経絡)の流れが滞ることで起こります。胸灼けになりやすい、唾液に薄く黄色い痰が混じるといった症状からも、気の滞りによって停滞している水分が濃縮されていることがうかがえます。
鼻水が喉に垂れる仕組み
これらの体質的な問題を踏まえて、鼻水が喉に垂れる仕組みを考えてみましょう。
- 喉の渇きを感じない状態でのコーヒーやビールの摂取が、余分な水分を体内に増やします
- これらの飲み物の冷やす性質によって、体がさらに冷えます
- 体の冷えによって水分の巡りが悪くなります
- 気の滞りがそれをさらに悪化させます
- 滞った水分が鼻の周辺に持ち上げられても、気の勢いが足りないため停滞します
- 停滞している間に、水分が粘っこくなって喉にへばりつき、取れにくくなります
現在は垂れてくる感じはなく喉に溜まっているとのことですので、さらに粘性が高まっている可能性があります。
このような水分代謝の乱れは、リウマチ(関節周辺の水の流れが悪くなる)や子宮内膜症(血液を巡らせる力の低下)、さらには骨粗鬆症(骨を作るエネルギー源となる腎気の熱の弱さ)にも関連していると考えられます。
朝起きた時に症状が出やすいのも、朝は気の巡りに勢いがない状態のため、少しの滞りでも巡りが悪くなりやすいからです。体の冷えが加わると、それがさらに顕著になります。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
体質改善のための自然療法としては、まず飲み物の見直しが重要です。喉の渇きを感じないにもかかわらず飲んでいるコーヒーやビールを控えることが必要でしょう。
舌の状態を見ると、身体全体に余分な水分が充満しているわけではなさそうですが、舌に歯の跡がある、色が白っぽい、胃の中でチャポチャポするなど、動きの悪い水分が停滞している様子がうかがえます。
例えば寒い時に鍋など温かいものを食べると鼻水が出てくることがありますが、これは鍋の湯気によって鼻が温められ、停滞していた鼻水が流れ出すためです。体の中の水分が動くためには熱が必要なのですが、お腹が冷やされると、鼻まで熱が届きにくくなり、鼻水は停滞して粘っこくなっていきます。
改善のためには、以下のような食材を取り入れるとよいでしょう:
- 小豆:余分な水分を排除するのを助けます
- ニラ:体を温め、気の流れを良くします
- クローブ:温熱作用があり、気の滞りを解消します
- タマネギ:お腹を温め、水分代謝を促進します
- 麦芽:消化を助け、胃腸の働きを整えます
また、気の滞りを解消するためには、適度な運動も効果的です。コーヒーやビールなどを好む方には、ストレスを感じやすい傾向があります。外で散歩をするなどして体を動かすと、滞っていた気も動き出し、ストレスの解消にもなります。
体質改善に効果が期待できる漢方薬
この症状に関連する体質改善には、以下のような漢方薬が効果的かもしれません:
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):めまいや頭痛を伴う水毒体質に効果的で、鼻水や鼻づまりの改善も期待できます
- 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう):水分代謝を改善し、喉の粘り気のある痰や鼻水に効果があります
- 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):気の滞りと冷えを同時に改善し、胃腸の弱さも整えます
ただし、これらは一般的な○○体質の改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の体質や症状の複雑さによっては単独では効果がない場合もあります。当店では漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
鼻水が喉に垂れる・鼻づまりの症状は、単なる風邪の後遺症ではなく、体質的な問題から生じていることが多いのです。特に、胃腸の弱さや冷え、気の滞りが複合的に関わっています。
改善のためには:
- 喉が渇いていない時の冷たい飲み物(コーヒー、ビールなど)を控える
- 体を温める食材を積極的に取り入れる
- 適度な運動で気の流れを良くする
- 必要に応じて漢方薬による体質改善を検討する
これらの対策を続けることで、鼻の症状だけでなく、胃腸の調子も整い、全身の健康状態が改善していくでしょう。
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