中途覚醒でお悩みの方へ – 不眠の原因と効果的な自然療法

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

中途覚醒にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

「夜中に何度も目が覚めてしまう…」「朝までぐっすり眠れない…」

このようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。実は日本人の約5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているというデータもあります。中でも、一度寝付いた後に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」は、熟睡感が得られず、日中の疲労感や集中力低下につながる厄介な症状です。

今回は、中途覚醒でお悩みの42歳男性の方の体験談をもとに、東洋医学の観点から不眠の原因を探り、自然療法による改善方法をご紹介します。薬に頼らずに質の良い睡眠を取り戻すヒントが見つかるかもしれません。

この方の外見的な特徴とお悩みの症状

今回ご相談いただいたのは、42歳の男性の方です。

  • 身長:170cm
  • 体重:58kg
  • BMI:20.07(標準体型)

主な症状:

  • 夜中の2〜3時頃に一度目が覚める
  • 明け方に何度も目が覚める
  • 6月頃から中途覚醒が始まった

現在は様々な医療機関から漢方薬と睡眠薬を処方されていますが、睡眠薬はあまり飲まないようにしており、漢方薬も効果をあまり感じられないとのこと。ご自身で漢方薬や健康食品、青汁、お灸なども試されています。

東洋医学から見た不眠の原因とは?

東洋医学では、人の体を巡る「気(き)」の流れが健康のカギとされています。気は昼間は体の外側を巡り活動をサポートし、夜になると体内に戻って修復作業を行います

この時、スムーズに睡眠に入るためには、「陰」と呼ばれる体の潤いによって脳の興奮状態を穏やかにすることが必要です。しかし、この働きが上手くいかないと不眠が起こります。

不眠のタイプには大きく分けて二つあります:

  1. 気の勢いが強すぎるタイプ
    • 自律神経の乱れやストレスで体が過度に活性化
    • 体に元気のあるほてり感が残る
    • 脳の活動が盛んで眠気を感じにくい
    • 体が熱く、喉が渇き、精神的な興奮が強い
  2. 潤いが足りないタイプ
    • 体の熱を冷ます潤いが不足
    • 寝つきは悪くないが頻繁に目覚める
    • 寝ても疲れが取れない
    • 元気のない内向きのほてり感がある

この方の体質から見た不眠の原因は?

この方の体の状態を細かく観察すると、以下のような特徴があります:

  • 顔色が黄色みがかっている
  • 舌の色が白っぽい
  • 舌に歯の跡が残る
  • 舌に溝や割れ目がある
  • 爪が脆い
  • 目が疲れやすく乾燥しやすい

これらの特徴から、体に冷えがあり、血の不足が見られることがわかります。特に顔色が黄色いことから、熱の不足によってお腹の働きが弱まり、血液を体の上部へ十分に運べなくなっている可能性があります。

また、以下のような症状も見られます:

  • 食欲がなく、多く食べられない
  • 食べると胃がもたれる
  • 手のひらに汗をかく
  • ゲップやガスが出ると楽になる

これらから、消化器系の機能が低下していることがうかがえます。しかし、普通の硬さの便が毎日出ていることから、吸収機能自体は保たれているようです。

ご本人のコメントによると、「1年ほど増量したくて暴飲暴食してきた」「ストレスがあった」とのこと。これらが原因となって、お腹に負担がかかり、余分な水分が停滞している状態になっていると考えられます。

では、この方におススメの自然療法を教えて下さい

この方の不眠の原因は、「お腹の中に余分な水分が停滞し、体の上下を行き来する気血の流れを妨げている」ことにあります。そのため、以下の自然療法がおすすめです:

  1. 食生活の見直し
    • 空腹感を感じたときだけ食事をする
    • 甘いもの、脂っこいもの、アルコールを控える
    • 夜遅い時間の食事は避ける
    • 喉の渇きに応じた適切な水分摂取を心がける
  2. 余分なものを減らす
    • 不必要なサプリメントや健康食品の摂取を見直す
    • 効果を感じられないものは一時中止してみる
    • 体に負担をかけない程度の必要最小限の栄養摂取を心がける
  3. 気血の流れを改善する生活習慣
    • 規則正しい生活リズムを保つ
    • 適度な運動で血行を促進する
    • 入浴で体を温め、リラックスした状態で就寝する
    • 就寝前のスマホやパソコンの使用を控える

不眠改善に役立つ漢方薬

ここでは特定の体質の方の不眠改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これらは一般的な情報であり、個人の症状に合わせた処方ではありません。

  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう):心と肝の働きを整え、精神を安定させ、不眠を改善する漢方薬です。特に精神的な緊張や興奮が強い方に向いています。
  • 加味帰脾湯(かみきひとう):気血両方を補い、心の働きを整える漢方薬です。思考が多く、不安感が強い方の不眠に適しています。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):肝の働きを整え、興奮を抑える効果があります。イライラや不安感が強く、眠りが浅い方に向いています。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。ピヨの漢方では個人の体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

中途覚醒などの不眠症状は、東洋医学的に見ると気血の流れの乱れが原因となっています。特に今回のケースでは、ストレスや食生活の乱れによってお腹の中に余分な水分が停滞し、体の上下を行き来する気血の流れが妨げられていることが問題でした。

不眠改善には、余分なものを減らし、体に負担をかけない生活習慣を心がけることが大切です。特に食生活の見直しは重要で、空腹感を意識した食事を心がけることで、お腹の働きを正常化し、気血の流れを改善できます。

漢方薬や健康食品に頼りすぎず、体に本当に必要なものだけを取り入れる姿勢が、良質な睡眠を取り戻すカギとなるでしょう。

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