
こんにちは
どうなさいましたか?

腰痛にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
便秘と腰痛の関係について悩んでいませんか?実は、便秘が続くと腰痛が発生したり悪化したりすることがあるのです。これは単なる偶然ではなく、東洋医学的にも西洋医学的にも理由があります。
本記事では、便秘と腰痛の関係に悩む方のために、その仕組みと改善方法を詳しくご紹介します。何日か便が出ないと腰痛が出てしまうという方は、ぜひ参考にしてください。
便秘と腰痛の関係とは?
便秘になると腰痛が起きる理由は、実は体の仕組みに関係しています。
便は自分で動いて勝手に出ていくことができません。胃気(いき)によってコントロールされる腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう)が正しく行われることで、便は下向きに運ばれ、体外へと排出されます。
しかし、この胃気の働きが様々な理由で阻害されると、腸管の蠕動運動は停滞し、便秘になります。さらに、この停滞は腰痛の原因にもなるのです。
便秘で腰痛になる3つの体質タイプ
便秘と腰痛の関係には、主に3つの体質タイプがあります。自分がどのタイプに当てはまるか確認してみましょう。
1. ストレスを感じやすいタイプ
ストレスを感じやすい方は、胃気が緊張によって停滞し、腸管の動きが悪くなります。
現代医学でも、ストレスが高まると交感神経が緊張して、胃や腸管の筋肉が固まり、便を溜めるように働くことが分かっています。
この状態では、胃気が滞り、腸管の動きがギクシャクするため、便を外へスムーズに運ぶことができなくなります。緊張して気が滞ると、エネルギーが外側へと膨張し、お腹が張った感じを伴う便秘になります。
場合によっては、以下のような症状も現れます:
- 胃気の逆流による吐き気
- 腸内細菌の分解時間が長くなることによるゲップやガスの増加
- お腹の中の停滞したガスや便による腰の神経や血管の圧迫
また、気の滞りは血液循環も悪くするため、筋肉やスジに必要な栄養が届かなくなります。これにより、筋肉の過度な緊張が続き、関節周囲のスジや筋肉が硬くなって、関節が拘縮して腰痛になります。
このタイプの方は、月経不順や胸や脇の張りなども伴うことがあります。
おすすめの漢方薬:
- 柴胡疏肝湯(さいこそかんとう):気の巡りを回復させ、筋肉の痙攣を緩和します
おすすめの食べ物:
- 春菊:ストレスによる気の巡りを改善し、精神を安定させます。ビタミン類やカルシウム、鉄分、食物繊維が含まれており、イライラした気持ちを落ち着かせるとともに、胃腸の働きを整えて便秘解消を助けます。
- ダイコン:気の巡りを改善し、胃腸の働きを整えます。特に大根おろしにヨーグルトや蜂蜜を入れると、デザート感覚で食べられるのでおすすめです。
2. 体が冷えているタイプ
体が冷えていると、胃気を動かす力が低下し、腸管の動きが悪くなります。
胃気は体の芯部の熱である腎陽(じんよう)の原動力によって動きを維持しています。腎陽が冷えると、胃気の働きも低下して腸管の蠕動運動が悪くなり、便を運ぶ力が弱まります。
その結果、かなりいきんで力を入れないと出てこないなど、排便に苦労するようになります。腸管の働きが低下すると、食べ物からの栄養吸収力も低下するため、便秘でも出ると軟便になる場合があります。
また、腰などの関節が健康に動くためには、関節液が適度に入れ替わることが必要です。この関節液を含む体内の水分は、腎陽の熱によって温められて動かされています。体が冷えると、水分の巡りが悪くなり、関節液の入れ替わりも鈍って痛みが発生します。
この状態が長く続くと、骨を作る材料もエネルギーも不足し、関節の変形を引き起こして痛みが強まります。
おすすめの漢方薬:
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):体の芯部を温め、冷えによる症状を解消します
おすすめの食べ物:
- ニラ:身体を温め、血行を改善し、胃腸の蠕動運動を促進します。食物繊維が豊富で「食べる下剤」とも言われています。
- クルミ:体を温め、潤いを補充し、血行を改善して新陳代謝を促進します。また腎気を補うので、腰痛や下半身の力が入らない症状に効果的です。
ニラとクルミにエビを加えて炒め物にすると、体を温め、便秘を解消して腰痛も改善できるのでおすすめです。
3. 潤いが乾燥しているタイプ
熱や乾燥によって腸管の潤いが消耗すると、胃気が停滞します。
腸管の蠕動運動は胃気によって動かされますが、その気は血流や潤いに載って運ばれます。腸管周辺が乾燥していると、気が届かなくなり、腸管の蠕動運動が活発に行われなくなって便秘になります。
この状態は、貧血や過労、寝不足などによって潤いの補充が不足することで起こります。
潤いが減少すると、関節周辺の潤いも不足し、余分な熱が生じて炎症が起こりやすくなります。さらに熱によって関節液がドロドロと粘性の高い状態になると、関節液の流れが悪くなり、関節の動きがギクシャクするようになります。
血液がドロドロになる状態が長く続くと、深部での刺すような痛みが出てきて、関節周囲の変形にもつながります。また、関節への栄養供給が悪い状態が続くと、関節自体も変形して痛みが強くなります。
おすすめの漢方薬:
- 六味丸(ろくみがん):体内の潤いを補充し、血液循環を改善します
おすすめの食べ物:
- クルミ:体を温め、潤いを補充し、血行を改善します
- 黒ゴマ:体に潤いを補充し、肝腎を補い、血液の補充を応援します。抗酸化作用があり、骨を強くする働きもあります
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
便秘と腰痛の関係に悩むあなたには、まず自分の体質タイプを確認することをおすすめします。そして、各タイプに合わせた以下の自然療法を試してみてください。
ストレスタイプの方には:
- 腹式呼吸:深い呼吸を1日数回、5分程度行い、気の巡りを改善しましょう
- 春菊とダイコンを取り入れた食事:特に大根おろしを毎日食べるようにしましょう
- 適度な運動:ウォーキングやストレッチで気の巡りを促進します
冷えタイプの方には:
- 足湯や半身浴:体を芯から温める習慣をつけましょう
- ニラ、クルミ、エビを使った温め料理:週に2〜3回は取り入れましょう
- 腰を温める:腰を冷やさないよう、腹巻きや温熱シートを活用しましょう
乾燥タイプの方には:
- 辛い飲食物を控えめに:熱を生じさせる食べ物を控えめに
- 黒ゴマ、クルミなどで潤いの補充を:ヨーグルトなどに混ぜて食べると便利です
- 適度な休息:過労や睡眠不足を避け、潤いの消耗を防ぎましょう
これらの自然療法は、便秘と腰痛の両方に効果が期待できます。ただし、症状が重い場合や長期間続く場合は、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ:便秘と腰痛の関係を理解して改善しよう
便秘と腰痛には深い関係があります。便秘になると腰痛が起きる主な体質タイプは:
- ストレスを感じやすいタイプ:気の滞りが原因
- 体が冷えているタイプ:腎陽の低下が原因
- 潤いが乾燥しているタイプ:体内の潤い不足が原因
自分のタイプを見極めて、それぞれに合った漢方薬や食べ物、生活習慣を取り入れることで、便秘と腰痛の両方を改善することができます。
なお、ここでご紹介した漢方薬は特定の体質の改善に効果が期待できる代表的なものです。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。当店では漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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