
こんにちは
どうなさいましたか?

足のつりにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
朝起きたとたん、ふくらはぎに激痛が走り「ギクッ!」と目が覚めた経験はありませんか?
あの突然訪れる足のつり(こむら返り)の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、一日の始まりを台無しにしてしまうこともあります。何より、「これは何か深刻な病気のサインなのでは?」と不安になってしまいますよね。
朝に足がつる現象は実は珍しくなく、多くの方が経験するものです。しかし、なぜ特に朝に起こりやすいのか、そして根本的にどう対処すれば良いのかについては、あまり知られていません。
この記事では、東洋医学の視点から朝の足のつりの原因を解明し、体質別の効果的な対処法をご紹介します。一時的な痛み止めではなく、体質改善による根本的な解決法を見つけていきましょう。
朝起きると足がつるのはなぜ?
足がつる根本的な原因は、細胞へ酸素や栄養を届ける血液の巡りの悪さです。
筋肉が正常に機能するためには、血液の流れを通じて栄養や酸素が供給され、同時に不要な代謝物が回収される必要があります。この血液循環が何らかの理由で阻害されると、筋肉が収縮したままの状態になり、いわゆる「足のつり」が発生します。
では、なぜ特に朝に足がつりやすいのでしょうか?
朝は体がまだ完全に「起動」していない状態です。言わば、エンジンがまだ温まっておらず、血液循環も十分に活発ではありません。このような状態で、以下のような要因が加わると足がつりやすくなります。
1. 体の冷えが関係する場合
体が冷えやすい方は、朝の低い室温によってさらに体が冷やされがちです。体は熱を奪われないように血管を収縮させ、その結果、血流が減少します。
冷たい泉に素足を浸したときのように、防御反応として血管が閉じるのです。これにより筋肉への栄養・酸素供給が減少し、不要物の回収も滞りがちになります。
また、体が冷えやすい方は体内の水分循環機能が低下していることが多く、体内に余分な水分が停滞しやすくなります。これは体の周りに濡れたタオルを巻いているような状態で、外気温によってさらに冷やされやすくなります。
さらに、この余分な水分が血管を圧迫することで、朝の穏やかな血流状態ではなおさら十分な血流を確保できなくなり、足のつりにつながるのです。
2. ストレスが関係する場合
ストレスを感じやすく、体が緊張しやすい状態にあると、毛細血管が収縮して血液循環が悪化します。
朝は睡眠から覚醒への移行期であり、体の機能はまだ完全に起動していません。このような状態で体に緊張傾向があると、血液循環はさらに悪化します。
そんな時に朝起きようと寝返りをうつなど、ちょっとした動きで筋肉が緊張しても、それを緩めるだけの血流が確保できず、足がつってしまうのです。
また、冷え性の人がストレスによる筋肉の緊張も抱えていると、朝の血流の悪さと相まって、足のつりはさらに起こりやすくなります。
3. 体の乾燥が関係する場合
過労や夜更かしなどで体の潤いが消耗していると、血液のサラサラ感が失われ、流れが悪くなります。
これは川の水が干ばつで干上がり、船が川底に座礁して動けなくなるような状態です。当然、筋肉への栄養・酸素供給や不要物の回収が困難になります。
さらに、体の潤いが失われると精神的にも「心が渇いた」状態になりやすく、ストレスを感じやすくなります。これが筋肉の緊張をさらに引き起こし、悪循環に陥ることも少なくありません。
朝起きた時に足がつった場合の対処法
急に足がつった時の即効対処法
普段はつることがなく、突然足がつった場合には、次の方法が効果的です:
- ひきつった筋肉を反対方向にストレッチする
- 同時に痙攣している筋肉を手で優しく握る
これで比較的早く症状は収まりますが、頻繁につる場合は毎回この対処では根本解決になりません。
体質改善による根本的な対処法
冷えやすい体質の方へ
冷え性で足がつりやすい方は、体を温め、血液循環を改善する食材を積極的に摂りましょう:
- 生姜:体を温め、末端の血流を促進
- ネギ:発汗作用があり、皮膚表面から冷えを発散
- シナモン:内側から体を温める効果がある
また、体内に余分な水分が停滞しやすい方には次の食材がおすすめです:
- ニラ:体の芯から温める効果がある
- ヨモギ:水分代謝を促進する
- 乾燥生姜:湿った冷えを解消する
さらにハトムギを加えると、筋肉の緊張緩和と余分な水分排除の効果が期待できます。ご飯と一緒に炊いて、上記の食材と組み合わせて食べるのがおすすめです。
ストレスを感じやすい体質の方へ
ストレスで気の巡りが滞りやすい方は、以下の食材が役立ちます:
- ハッカ:気の巡りを促進する
- シソ:気の滞りを解消する
- ジャスミン茶:リラックス効果があり気の流れを良くする
ただし注意点として、ストレスによる気の滞りは喉の渇きを強く感じさせることがあります。過剰な水分摂取は体内に余分な水分を停滞させ、血液循環をさらに悪化させる可能性があるので注意しましょう。
乾燥体質の方へ
体の潤いが不足している方は、滋養効果の高い食材を取り入れましょう:
- 黒ゴマ:体の潤いを補う効果がある
- クコの実:滋養強壮効果があり体の乾燥を防ぐ
- クルミ:良質な油分で内側から潤いを補給
同時に、十分な睡眠時間の確保も非常に重要です。体の潤いを回復させるには、睡眠の質と量を確保することが必須です。
また、就寝前のスマホやパソコンの使用を控えることも大切です。目の使いすぎは体の潤いを消耗させる原因となり、睡眠の質も低下させます。
足のつりに効果が期待できる漢方薬
朝の足のつりに効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらは特定の体質改善に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、個人の症状に合わせたものではありません。
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう):余分な熱と水分による血行不良を改善し、末端の循環を促進します。
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):筋肉の痙攣を和らげ、体の潤いを補充する効果があります。
- 四逆散(しぎゃくさん):気の滞りを解消し、筋肉の緊張を緩和します。
症状が複雑な場合には、これらの漢方薬を単独で使用しても十分な効果が得られないことがあります。当店ではお一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:朝の足のつりを根本から解消するために
朝起きたときの足のつりは、血液循環の悪さが根本原因です。これには冷え、ストレス、体の乾燥という3つの要因が大きく関係しています。
特に朝は体の機能がまだ完全に起動していないため、これらの要因がより強く影響し、足のつりを引き起こしやすくなります。
足のつりを根本から解消するためのポイントをおさらいしましょう:
- 冷えやすい方は、体を温める食材を取り入れ、余分な水分の停滞を解消する
- ストレスを感じやすい方は、気の巡りを良くする食材を活用し、過剰な水分摂取に注意する
- 乾燥体質の方は、潤いを補う食材を摂取し、十分な睡眠と電子機器の使用制限に気を付ける
これらの対策を続けることで、朝の足のつりを根本から改善し、スッキリとした朝を迎えられるようになるでしょう。
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