
こんにちは
どうなさいましたか?

胃の不調にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
涼しくなってくると、毎年のように胃の調子が崩れてしまう。
そんな「毎年のこと」に、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
同じ胃の不調でも、体質によって背景はそれぞれ違います。
今回は、涼しくなると胃の調子が悪くなるというご相談をもとに、考えられる体質と整え方をお伝えしますね。
外見的な特徴とお悩みの症状など
今回ご相談いただいた方の基本情報は以下の通りです。
- 年齢:60代(女性)
主な症状:
- 涼しくなってくると、胃の調子が悪くなる
- 毎年、決まって同じ頃に始まる
- 一度崩れると、なかなか治まらず長引く
- 例年は、年が明けてお正月を過ぎた頃にようやく落ち着くことが多い
ご相談の内容:毎年、涼しくなると胃の調子が崩れる
「涼しくなってきたら、胃の調子が悪くなってきたんです」
毎年のことで、今年もその時期が来てしまった、とのご相談でした。
まず、夏のあいだに続けていたことを伺いました。
暑い夏は水分補給が大事だと思い、冷たい麦茶や冷たい飲み物を毎日たっぷり飲んでいたそうです。
体にいいことをしているつもりだったので、やめる理由はないと思っていたとのことでした。
もちろん、暑い時期にこまめに水分をとるのはとても大切なことです。
その習慣自体が悪いわけではありません。
ただ、東洋医学では、同じ習慣でも体質によって合う人と合いにくい人がいると考えます。
- 暑い夏は、水分補給が大事だと思っていた
- 冷たい麦茶や冷たい飲み物を、毎日たっぷり飲んでいた
- 体にいいことをしているつもりだった
こう考えて続けてきた方は、少なくないかもしれませんね。
では、胃の調子が悪くなるのはいつ頃からでしょうか。
お話を伺うと、夏が過ぎて涼しくなってくる頃から、毎年決まって始まるとのことでした。
「冷たい麦茶は夏の話だから、秋の胃の不調とは関係ないですよね?」という疑問も出ました。
関係がない可能性も、もちろんあります。
ただ、涼しくなる頃に毎年決まって始まるという点は、気になるポイントです。
さらに、一度崩れるとどのくらい続くのかを伺いました。
なかなか治まらず、例年はお正月を過ぎた頃にようやく落ち着くことが多いそうです。
始まりも終わりも、毎年、気温の流れに沿っているんですね。
気温が下がる時期に、不調が出やすい傾向があるのかもしれません。
冷え体質タイプとは?涼しくなると胃の調子が崩れる理由
ここまでのお話から考えると、冷え体質(陽虚)タイプの可能性がありそうです。
胃腸を温める力が、もともと弱めの傾向がある体質です。
冷たい麦茶そのものが悪いのではなく、この体質には合いにくいことがある、ということなんですね。
見立ての目安として、次のような傾向があると、冷えの関わりがより考えやすくなります。
- お腹を温めると楽になる
- 冷たいものを口にすると、胃が重くなったり、お腹が張ったりする
- 毎年、涼しくなる頃に不調が出やすい
ただし、どれか1つで決まるものではなく、組み合わせて考えます。
ご自身に当てはめながら、読んでみてくださいね。
なぜ涼しくなってから出てくるの?
胃腸を働かせる力を、ストーブの種火に例えてみましょう。
この種火が、胃腸の働きを陰で支えています。
もともと種火が小さめだと、冷たいものの摂りすぎなど、生活習慣の影響を受けやすいことがあります。
そして、気温が下がってくると、それまで目立たなかった不調が表に出てくることもあるんです。
季節は原因ではなく、不調が表に出てくるきっかけと考えるとわかりやすいですね。
ただし、冷たい飲み物だけが原因とは限りません。
一度崩れると長引きやすい理由
東洋医学では、冬は体のエネルギーも内にこもる季節と考えます。
冷え切った部屋がなかなか温まらないように、温まり直すのに時間がかかりやすいと言われています。
これが、お正月を過ぎるまで長引きやすい背景として考えられます。
あくまで傾向のお話で、個人差があります。
涼しくなると胃が不調になる方が、みなさん同じ体質とは限りません。
強い痛み、食事がとれない、体重が減る、黒っぽい便があるときは、早めに受診してください。
この体質の方に使われることがある生薬
- 乾姜(かんきょう):生姜を乾かしたもの。生の生姜より温める力が強いと言われ、胃腸を内側から温める土台のような生薬です。
- 山椒(さんしょう):胃腸を温めながら、動きを助けてくれると言われています。冷えて動きが鈍っているときの後押し役です。
- 藿香(かっこう):香りのある生薬で、湿気が関係して胃腸の調子が悪くなったときなどに使われます。冷たいものでたまりやすい水分を動かす手助けをすると言われています。
ただ、口の渇きやほてりが強い方には、合いにくいこともあります。
使うときは自己判断ではなく、専門家に相談してくださいね。
胃の冷えが気になるときのセルフケア
今日から無理なく始められるセルフケアを3つご紹介します。
1つ目は、飲み物の温度を工夫することです。
- 冷たい飲み物で胃の不快感が気になるなら、常温や温かいものを試してみる
- 今回のケースなら、涼しくなってきたら常温か温かい麦茶に切り替える
- 暑い日は、熱中症を防ぐためにこまめな水分補給を優先する
- 熱中症の危険がない季節は、喉の渇きに応じて飲む
麦茶をやめる必要はなく、温度を変えるだけでも大丈夫です。
注:ただし性質による冷えの影響の場合もあります。
2つ目は、お腹を冷やさないことです。
- お腹まわりを覆う服装を意識する
- 食欲がないときは無理に食べず、空腹感を感じてから少量ずつ、よくかんで食べる
3つ目は、ツボです。
「中脘(ちゅうかん)」と「足三里(あしさんり)」を紹介します。
中脘は、みぞおちとおへそを結んだ線のちょうど真ん中にあります。
- 指を3本そろえて当てる
- 息を吐きながら、3秒かけてゆっくり押す
- 次の3秒でゆるめる
- これを5回くり返す
- 強さは、気持ちいいと感じる程度で、痛くない力加減
- 食後すぐは避けて、少し時間をあけてから行う
押したあとは、手のひらを当ててお腹を温めるのもおすすめです。
足三里は、膝のお皿の外側の下にあるくぼみから、指4本分下にあります。
すねの骨のすぐ外側が目安で、胃腸を整えるツボと言われています。
- 親指で、息を吐きながら3秒押して、3秒ゆるめる
- 左右それぞれ、5回ずつ行う
- 位置には個人差があるので、押して心地よい場所を目安にする
ツボは、気持ちよい範囲で試してください。
強い腹痛があるときや、押して痛みが増すときは行わないでくださいね。
この体質の改善に効果が期待できる漢方薬
※以下はこの体質タイプの改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。
あくまで参考としてご覧ください。
- 大建中湯(だいけんちゅうとう):お腹の冷えや痛み、張りが気になるときに使われる漢方薬です。山椒や乾姜が入っていて、お腹が冷えて張りやすいタイプの方に向きます。
- 人参湯(にんじんとう):体力が弱めで、疲れやすく、手足が冷えやすい方の、胃腸虚弱や下痢、胃痛などに使われる漢方薬です。
- 藿香正気散(かっこうしょうきさん):湿気が関係して胃腸の調子が悪いときに使われることがある漢方薬です。胃腸が重く、すっきりしないタイプの方に向きます。
症状が複雑な場合や複数の体質が重なっている場合は、単独の漢方薬では効果が出にくいことがあります。当店では漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
ここで紹介した漢方薬は、同じように胃の不調がある方が、そのまま飲めばよいという意味ではありません。
症状や体質によって、適する処方は変わります。とくに高齢の方は、専門家に相談してくださいね。
まとめ
今回のご相談は、毎年涼しくなると胃の調子が崩れて長引く、というものでした。
冷え体質(陽虚)タイプの可能性があり、夏の冷たい飲み物の習慣が合いにくかったことも考えられます。
体にいいと言われることも、自分の体質に合うかどうかで見てみることが大切です。
「毎年のことだから仕方ない」と決めつけなくて大丈夫です。
季節の流れに合わせて、飲み物の温度を意識するなど、できる工夫はあります。
冷たいものも、一切やめると決めず、体調や季節に合わせて量や温度を調整していきましょう。
体質は人それぞれなので、ご家族に合うかどうかは別のお話です。
まずは、ご自身の体質を知ることから始めてみてください。
自分の体質が気になる方は、LINEの体質チェックをお試しください。
体質がわかると、毎日の選び方がぐっと選びやすくなりますよ。
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