いわし(鰯)の健康効果と食べ方 完全ガイド

薬膳手帳

いわしは昔から日本人の食卓に欠かせない存在として親しまれてきました。日本では江戸時代、いわしは庶民の重要なタンパク源でした。

この小さな魚には、私たちの健康を支える数多くの栄養素が凝縮されています。特に近年、生活習慣病予防や健康維持への関心が高まる中、手軽に摂取できるいわしの価値が再認識されています。

この記事では、東洋医学的視点も取り入れながら、いわしの持つ驚くべき効能や活用法について詳しくご紹介します。毎日の食生活にいわしを取り入れて、健康的な生活を送りましょう。

いわしとは?基本情報を教えてください

いわし(鰯)は、スズキ目ニシン科に属する小型の魚で、日本や地中海沿岸など世界の温暖な海域に広く分布しています。日本では古くから親しまれており、その歴史は縄文時代にまで遡るとされています。

「いわし」という名前の由来は、古語で「魚」を意味する「いをし」からきたという説があります。

性味・帰経(東洋医学での分類)

  • 性味:温、甘
  • 帰経:脾

いわしの栄養効果と薬効はどのようなものですか?

いわしには多くの栄養素が含まれており、東洋医学と現代栄養学の両面から見ても、高い薬効を持っています。

東洋医学的な働き

補益気血(気と血を補う)

気血が不足すると以下のような症状が現れることがありますが、いわしはこれらを改善する効果があります:

  • 気血虚弱(体力低下や免疫力低下)
  • 息切れ
  • めまい
  • むくみ

現代栄養学的な効果

いわしには以下の栄養素が豊富に含まれています:

  • カルシウム: 骨や歯の形成に不可欠で、骨粗しょう症予防に役立ちます。いわしは小骨ごと食べられるため、効率よくカルシウムを摂取できます。
  • ビタミンD: カルシウムの吸収を促進し、骨の健康維持に貢献します。
  • DHA・EPA: 脳機能の活性化や血液をサラサラにする効果があります。動脈硬化予防や血栓予防に役立ちます。
  • ビタミンA: 皮膚や粘膜を守る効果があり、口内炎の予防・改善や風邪の初期症状緩和に効果的です。

いわしを丸ごと食べる料理(つみれや煮物など)にすると、これらの栄養素をより効率的に摂取できますよ。

いわしは鮮度が落ちやすい魚です。購入後は早めに調理するか、冷凍保存することをおすすめします。

いわしの便利な食べ方とレシピは?

いわしは様々な調理法で楽しむことができます。日常的に取り入れやすい調理法をいくつかご紹介します。

一般的な調理法

  1. 焼きいわし: 塩を振って焼くだけのシンプルな調理法。秋の風物詩として親しまれています。
  2. いわしの蒲焼き: 甘辛いタレを絡めて焼いたもので、ご飯のおかずや丼物として人気があります。
  3. いわしの酢漬け(マリネ): 地中海料理の定番。酢やオリーブオイルでマリネして食べます。

保存・活用方法

  • 缶詰: 手軽に栄養を摂取できる便利な食品です。オイル漬けや味噌煮など、様々な種類があります。
  • 干物: いわしを干すことで旨味が凝縮され、焼くだけで美味しく食べられます。
  • 冷凍保存: 新鮮ないわしを下処理して冷凍しておけば、必要な時に解凍して使えます。

健康効果を高める調理法

いわしと生姜の煮物 生姜のショウガオールはいわしのDHAやEPAの吸収を高める効果があると言われています。煮物にすることで、骨までやわらかくなり、カルシウムも効率よく摂取できますよ。

まとめ:いわしの魅力と効能

いわし(鰯)は、東洋医学的には「温性・甘味」で脾に作用し、気血を補う効果があります。現代栄養学的にも、DHAやEPA、カルシウム、ビタミンDなど、健康維持に欠かせない栄養素を豊富に含んでいます。

特に以下の効果が期待できます:

  • 気血の補益による体力回復
  • 動脈硬化や血栓の予防
  • 骨粗しょう症予防
  • 免疫力向上
  • 脳機能の活性化

秋から冬にかけてが旬とされ、この時期のいわしは特に脂が乗って美味しいと言われています。

いわしは様々な調理法で楽しめる魅力的な食材です。ぜひ日常の食卓に取り入れて、その恵みを存分に活用してみてはいかがでしょうか。

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