
こんにちは
どうなさいましたか?

不眠に悩んでいる人がいます
どうしたらいいですか?
眠りたいのに眠れない…。そんな不眠の悩みを抱えている方は少なくありません。特に「最初は普通に眠れていたのに、だんだん睡眠時間が減ってきた」「眠っているのか起きているのかわからない状態が続く」という方は、東洋医学でいう「血虚体質」が影響している可能性があります。
血虚体質とは、体内の「血」が不足している状態を指します。西洋医学の貧血とは少し異なり、血の質や量が足りないことで様々な症状が現れるのが特徴です。
この記事では、血の不足がなぜ不眠を引き起こすのか、そして血虚による不眠に効果的な漢方薬についてご紹介します。睡眠の質を改善して健やかな毎日を取り戻すためのヒントとなれば幸いです。
血の不足で、どうして不眠になるの?
東洋医学では、脳の働きを調整している「心気」の働きは、「血」によって支えられていると考えられています。意識活動を司る働きを「神(しん)」と呼びますが、この神が活動を休止する時には、心に帰ってきて血に納まるのです。
つまり、質の良い睡眠を得るためには、十分な血が必要なのです。
血が不足していると、神が休もうとしても納まりきれないため、意識活動が再開してしまいます。そのため、眠りに入ることができない、あるいは眠りを維持することができなくなり、不眠の症状が現れるのです。
このような状態が続くと、以下のような症状が見られることがあります:
- 寝つきが悪くなる
- 途中で目が覚めてしまう
- 夢ばかり見て眠りが浅い
- 眠っているのか起きているのかわからない状態になる
血の不足による不眠に効く漢方
血虚体質による不眠に効果的な漢方薬をいくつかご紹介します。今回は特に、酸棗仁湯、甘麦大棗湯、人参養栄湯の3つに焦点を当ててみましょう。
酸棗仁湯
酸棗仁湯は、養血安神(ようけつあんじん)と清熱除煩(せいねつじょはん)の効能があります。
- 養血安神:脳を穏やかにする血液を補充して、精神状態を落ち着かせる働き
- 清熱除煩:熱を冷まし、落ち着かない精神状態を取り除く働き
これらの働きにより、酸棗仁湯は脳を穏やかにするための血の補充を助け、血の巡りも良くしてくれます。こんな方におすすめです:
- 寝つきの悪い方
- 寝つきは良いものの途中で目が覚めてしまう方
- 夢を見ることが多くて眠りが浅い方
また、酸棗仁湯は動悸や不安感、心が落ち着かないような場合にも効果的です。
甘麦大棗湯
甘麦大棗湯は、養心安神(ようしんあんじん)と和中緩急(わちゅうかんきゅう)の効能を持っています。
- 養心安神:脳を調整している心気や血を補うことで、脳の働きを穏やかにする
- 和中緩急:お腹の働きを応援することで、気血の補充をスムーズにして心を穏やかにする
甘麦大棗湯は、心や脾(ひ)に潤いを補充しながら、消化器系の働きを高めることで気血の補充を応援します。また、筋肉の緊張も緩和してくれるため、過度に亢進した心の働きが穏やかになります。
ヒステリーや不安感が強く、興奮状態にあるような精神症状にも用いられることがあるのが特徴です。
人参養栄湯
人参養栄湯は、益気補血(えっきほけつ)と養心安神(ようしんあんじん)の効能があります。
- 益気補血:気の働きを高めて血の補充を助ける
- 養心安神:脳を調整している心気や血を補うことで、脳の働きを穏やかにする
人参養栄湯の特徴は、血の補充を助けるための消化器系の働きを高めることです。さらに、体の深い部位にある腎気と上部にある心気のつながりを交通させることで、脳の働きを正常な状態に保ちます。
特に、お腹の働きが弱って貧血気味の方の不眠に効果的です。また、息切れや動悸、疲労倦怠感や食欲不振の解消にも使われます。
まとめ
血虚体質による不眠は、体内の血が不足していることで神(意識活動)が十分に休めないことが原因です。このような不眠に対しては、血を補う効果のある漢方薬が有効です。
今回ご紹介した3つの漢方薬は、それぞれ特徴が異なります:
- 酸棗仁湯:寝つきが悪い、途中で目が覚める、夢が多い方に
- 甘麦大棗湯:精神が興奮しやすく不安感の強い方に
- 人参養栄湯:消化器系の働きが弱く、貧血気味の方に
血虚による不眠は単独の症状ではなく、他の体調不良と複合的に現れることが多いため、自己判断での漢方選びは難しい場合があります。症状が複雑な場合には、当店での漢方相談をご利用いただくことをおすすめします。専門家が体質や症状を詳しく見極め、最適な漢方薬をアドバイスいたします。
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